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ろふまおROF-MAOってクリクラCMのクレヨンしんちゃんですか?

バーチャルライバーユニット、「ろふまおROF-MAO」(以下ろふまお)がにじさんじからデビューして一月ほど経った。メンバーは例のキービジュアルの並び順に加賀美ハヤトさん、剣持刀也さん、不破湊さん、甲斐田晴さん。ろふまおの企画で初めて集まった四人であり、当初はアニメイトカフェのメンバーとしか発表されていなかったから、特別生配信でアイドルユニットのようなキービジュアルが発表されて以来ファンからは大きな反響があった。(注:にじさんじは100名を超えるライバーが所属している為、コラボカフェなどのイベントでは何らかの基準で選ばれた数名のライバーが担当している)

つい最近、ユニット最初の曲が発表された。ストリーミング、サブスクも解禁されているらしいので詳しくはYouTubeの概要欄を見てほしい。

ただ、このろふまお、どこか引っかかる点がある。念のため、アンチ記事とかではないので分かってほしい。引っかかる何かを言語化できないまま、あれよあれよと企画は次々と発表されていき、私はどこか取り残されたような感覚を覚えていた。ついていけない自分が古い人間なのか、ずっとVTuberを追いかけてきたセンスがとうとう合わなくなってしまったのか、ただ単に疲れているだけなのか、全く分からないまま公式の情報を数日遅れで把握するようになっていた。それが今日ふとした瞬間にひらめいてしまったので、ちょっと考えを書き留めてみたい。

ろふまお最初の活動は、無人島サバイバル動画である。簡単に内容を説明すると、何も知らずスタッフに呼び出された四人が目隠しをして移動させられ、気が付いたら無人島に来ていて特定の条件をクリアしない限り出られないというもの。CG(バーチャル)ではなくガチの島に彼らが来ており、一人称視点のカメラには影ひとつ映りこまず、バーチャルの世界観を保ったままテレビでよく見る無人島サバイバルと同じことをやっている。ファンの私からして分かることは、以下の通り。

・四人のうち誰も企画の発案者ではなく巻き込まれた形を取っており、素直に考えればスタッフ(にじさんじ運営)主導の企画である。

・ナレーションをプロに依頼しており、構成や編集のやり方がテレビ番組制作会社と協力して作ったもののように見えることから、予算を大きく割いている。

ローションカーリングの時のような一過性のものではない、でっけえ何かがあるのを感じた。

このサバイバル番組が3話連日公開された直後、生放送ができたばかりの公式CHからスタート。ろふまおのデビューと公式番組の開始が告知された。にじさんじにはユニットが数多くあるが、中でもChroNoiRなどのユニットとして独自の活動をしている機会が多い場合や、オーディションで選抜されたメンバーがraindropsとして大手レーベルからメジャーデビューした例といった、今後の発展に運営が期待しているユニットというものが存在する。期待というのは会社の予算を多く割いても問題ないということでもある。その一つとして、ろふまおがデビューしたと捉えて問題ないと思う。

もちろん四人それぞれにとって思い入れの深いユニットは確かにあり、ファンが期待する既存のユニットもあり、どうしようもない気持ちになった人もきっとたくさんいたと思う。そしてTwitterでその気持ちを言ってはいけないのではないかというムードも確実に形成されている。この状況は不健康だと思うし、オタクのシャドーボクシングとしてそういう意見を杞憂民とか言われているのを見ると悲しくなる。私はというと、おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。

なんでこの人選なんだろう、というモヤ×2は(生放送でメンバー自身がなぜこの人選か分からない、と巻き込まれた形の言及をしていたことにより、視聴者は気にしすぎないほうがいいのかなとも思ったし)なにより時間の経過とともに薄れていき、ろふまお自体の記憶も薄れ、公式番組が木曜日の10時ということも忘れがちで後から見ていたが、無人島企画でも感じた強烈な既視感(dejavu)がぬぐえなくなってきた。なんだっけ、アレに似てるんだよな、このノリ……。

あ!!!!!!!!!!11!!!!!!1!!!!

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クレヨンしんちゃんのクリクラのCMだ!!!!!!!!

クレヨンしんちゃんが金曜日に放送していた頃、クリクラというウォーターサーバーとのコラボCMがしきりに流れていた。にしうわみかん、レオパレスのCMなどもある。

しんのすけ「いちばぁ~ん♡ クリ~クラのおいしい水を~」

ひろし「飲もうよ~飲もうよ~」

みさえ(なぜかロボ声)「ヒマノ ミルクモ ラクチンネ」

野原一家「クリクラクリクラクリクラ~」

野原家は家にウォーターサーバーを置ける経済状況ではないと言っていいと思う。ひろしの小遣いは月3万円、買い物はイトーココノカドー、またずれ荘での生活など、庶民的な感覚のギャグマンガとしてヒットしたはずなのに、おいしい水のためにウォーターサーバーを導入するのは無理がある。子供向けのキャラクター商品としてソーセージやふりかけが出るのとでは意味合いが異なる。また、レオパレスのCMにしてもあの一軒家のローンがあるのにモデルハウスを見ていたとしたらだいぶ無理がある。後に作られた新CMではミッチーとヨシリンがモデルハウスを見学している所に出くわすという筋書きだが、だとしたらなぜ展示場に野原一家がいるのだろう。

この違和感が、ろふまおの公式番組を見た時の感覚に似ている。私が普段、予算もスタッフも多いテレビではなく、登録者の多いリアルのYouTuberでもなく、他のVTuberでもなく「にじさんじ」を見たくなるのは、ライバー特有の独特の感性がにじみ出る瞬間を見たいからだった。それは予定調和への裏切りであったり、社会性の低さの肯定であったり、「イケボ生主」が悪口として機能していたりといった独特の世界で、そこをずっと見続けるとそのノリが規範として知らず知らずのうちに染み付いてしまう。特定の友だちと話す時だけこだわるポイントがあったりするのと似ている。だから「サバイバルをテレビみたいにやって終わるはずがない(予定調和の否定)」、「急にかっこいいキービジュアルが出てきたら『盛った?』ってコメントしていいのか?」みたいなことを考えてしまう。

キービジュアルついでではあるが、思い出したことがあるので付け加えておく。2021年1月にファミマからmeijiのコーヒー牛乳・いちご牛乳とにじさんじがコラボし、コーヒー牛乳を剣持刀也さん、いちご牛乳を葛葉さんのビジュアルが飾った限定パッケージ版が発売された。

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剣持刀也「僕と ひと休み しましょう?」

葛葉「俺と 飲もうぜ?」

と台詞がついていた。これのほうがクリクラ野原一家に近い。剣持刀也さんはこんなに優しい言葉をリスナーにかけることはほぼない。誰に向かってなんだその手は。葛葉さんに至っては、所有物を他人と共有したり分配するイメージがなく、それは普段のスパチャに対する歯に衣着せぬ態度からも分かる。おそらく商品開発の担当が台詞を決めており、それにしては考証が浅い。リプトンとごちうさのコラボのようにキャラクターのイラストだけ配置しなかったのは、なぜ……。本人がどのくらい関われる案件なのかもこちらからでは分からないため、本人のチェック徹底しろとかは言えないけど、バーチャルな以上公式で出たグッズで喋ってる言葉はバーチャル上で実在するとも言えるのでクリクラ~~~~~~~となる。

ついでに。公式番組「ろふまお塾」のコンセプトは「カッコイイオトナへの成長を全力で目指すバラエティ番組」だが、ここに謎がある。カッコイイオトナは「かっこよくない・大人」・「かっこいい・子供」・「かっこよくない・子供」のどれかに当てはまる人が目指すからこそ成立する。確かににじさんじライバーはハチャメチャなことをやっている人も多く、怠惰さや口の悪さや特殊性癖は「かっこよくない」だろう。剣持刀也さんは16歳で「子供」だし、不破湊さんは天然なところがあるし、甲斐田晴さんはいじられキャラな感じがある。「成長」という言葉のイメージに当てはまる。しかし、加賀美ハヤトさんに関しては最初から「かっこいい・大人」だ。冷静な社長に見えて、実は童心を忘れず思いっきりはしゃぐ「ハヤトくん」な面もあり、歌唱は惚れ惚れするくらい全力で観客を魅了する。この人をカッコイイオトナに成長「させる」のは少々おこがましいコンセプトと思う。大人の童心を否定するのが是とされるセンスはこんにちあまり受け入れたくない。

ろふまおはライバーの四人がめちゃくちゃ頑張っているなあということがよく伝わってくる。番組の配信後に個人のCHで裏話なども聞けたり。番組はあくまでも素の反応というより面白い番組のためのリアクションなんだろうなと催眠あたりの裏話を聞くと分かる。番組・配信・メン限・Twitterといった人格が複数層に渡っていて、その向こう側にバーチャル私生活がある。俳優が映画で見せる顔とバラエティで見せる顔とインタビューで見せる顔とインスタライブで見せる顔があるのに似ている。きっとそのどれかに馴染めなくても、勝手に使い分けてるのは相手のほうなんだから、自分の信じたい顔だけ見ていればいいと思う。

ウ~長く書いたけどよく分かりませんでした!!!!!!!!

最後に、

ろふまおに要望!!!!!

市町村合併みたいに名前を全にじさんじライバーに募ってネット投票が田代砲でめちゃくちゃになってほしい。

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