【重要 definition】Psychological Fisrt Aid
Abstruct
Introduction
トラウマイベントによるトラウマ反応の遅延とPTSD発症予防の即時介入が求められている
National Center for PTSD and the National Child Traumatic Stress Networkが共同でPsychological First Aid (PFA) を作成した
トラウマサバイバーを見つけ次第どこでも実践できるようになっている
Early post-trauma intervention
近年の文献では、①トラウマイベントへの反応を異常や精神疾患の前駆症状ととらえない、②多くの人は一時的なストレス反応を示す、③診断と治療よりも早期の苦痛の緩和に役立つ情報提供と支援を求めている、④中には臨床介入を必要とする者もいることが指摘されている
従来用いられてきたCritical Incident Stress Debriefing (CISD) は、複数のRCTにより主観的満足感を示せても精神医学的・心理生理学的な効果を示せないどころか悪化させると指摘がある
トラウマイベントから1か月以内に提供されるエビデンスに基づく支援法は、4-5セッションのCBT (education, anxiety management training, imagina exposure therapy, in vivo exposure and cognitive restructuring)、2週間以内の実践に関するエビデンスはない
交通事故、労働災害、非性的暴行への短期CBTモデルの介入は示されている (Bisson,2003; Bisson et al., 2004; Zatzick & Roy-Byrne, 2003; Zatzick et al., 2004)が、災害時に生ずる大きな混乱が含まれていない (すなわち大規模災害などのmass traumaではなければ短期CBTモデルの介入で足りるとしている)
専門家も構造化された介入は環境からのストレスをコントロールできるまでなされるべきではないことに同意している (すなわち大きな環境変化を伴うトラウマイベントでなければ構造化されたCBTで足りるとしている)
電話によるCBTベースの介入やインターネットによるストレスマネジメントが効果を上げている
しかし、災害の専門家はエビデンスに裏打ちされた次の5要因を早期の介入の眼目に据えるべきとしている (Hobfal et al., 2007)
promoting sense of safety
promoting calming
promoting sense of self- and community-efficacy
promoting connectedness
instilling hope
Promoting sense of safety
生物学的な不安反応を減弱させる
過度に汎化された認知の様式を緩和させる
imaginal exposure and real-world/in-vivo exposureが治療的である要因
grounding techniquesが現実知覚を促すことにもとづく
Promotion of calming
トラウマに関連する不安を緩和させ、睡眠・食事・水分補給・意思決定・生活の維持を阻害する過覚醒、麻痺、感情を和らげる
grounding technique, deep muscle relaxation, normaliation of stressreactions to reduce anxiety, stress inoculation trainingなどが上記不安と生理学的な緩和を示唆している
promotion of self-efficacy
自分の思考・感情・行動をコントロールして災害に対処できると思えるようにする
reminding individuals of their efficacy, encouraging active coping and good judgment about when and how to cope, anhancing sense of control over trauatic stressors and helping to "recalibrate" expectations and goals that were formed under "normal" circumstances
問題解決技法によって現実対処について吟味し対処不可能な問題へのネガティブな感情反応による負のスパイラルを断ち切る
Promotion of connectedness
ソーシャルサポートが情緒的なウェルビーイングとmass traumaの回復に寄与すると示唆されているため
問題解決の機会と知識を増やし、情緒的な理解と受容、トラウマイベントの共有、normalization of reactions and experiences及びmutural instruction about copingを得られる
社会的孤立者をスクリーニングして支援につなげるとともにコンタクトを保つ
各自のストレス体験とストレス反応の差にもアプローチする
Instilling hope
mass traumaまたはdisasterにおいて最も重要とされている
楽観的・前向きな期待、自信、人生のコントロール可能性、希望的観測がよい結果を予測する
CBTでも強みを強化し、ノーマライズし、本来持っていた強みにフォーカスしてdefeating self statementsやavoidance behaviorをマネージしてpositive copingを推奨する
すなわち基本的にはストレスリダクションと不安の緩和、現実知覚と現実対処に基づく自己効力感の向上といえる
Psychologica First Aid; Principles and Practice
まず様子を見てハイリスク者や援助を求めている人を同定する
Contact and Engagement
関係形成
自己紹介して役割を述べる
話しかける許可をえる
Safety and Comfort
身体的安全を確保する
医学的問題の既往に注意する
第三者からの観察をできる限り防ぐ
情報提供 (現状、支援提供のみとおし、次に何をすべきか)
ただし情報提供はタイミングによる
Stabilizaion
情緒的な混乱は通常の反応である
しかし通常を超える反応、例えば、泣いている、過呼吸、震えなど通常ではない反応を示している場合は、できれば友人や家族とともに静かな場所に行き、すこしずつ困難についてたずねる
grounding techniqueも取り入れる
Stabilizeされない場合は専門家へのコンサルト対象となる
Information Gathering: Current Needs and Concerns
自身が持ち得ている情報資源以外の提供は難しい
Practical Assistance
セルフケアを阻害する現在の問題を明確にする
サポートする・サポート資源につなげる
Connection with Social Support
サポートのキーパーソンとのコンタクトや外部資源とのつながりを支援する
いなくなっている場合はサービス提供者を含めたつながりを支援する
サポートグループの形成も意味があるかもしれない
Information on Coping Support
provide brief education about the unfolding disaster itself, stress reactions and coping
post-disaster reactions and how to manage them, self-care and family care, and coping
discuss ways of coping and to distinguish between positive and negative coping actions (e.g. negative coping actions may worsen problems, such as using alcholol or drugs, withdrawing from family or friends, or working too many hours
もし相手が許せば、リラクゼーションやアンガーマネジメント、睡眠促進技法を伝えてもいい
ネガティブな思考が生む苦痛をフィードバックしてもいい
許せばreconstructしてもいい
許せばedcucate connections between stress reactions and drinking/drug use, safe patterns of use, and making a refferal for specialistsを検討する
Linkage with Colaborative Services
PFAはコンタクトインフォメーションを被災者にわたす
Issues In PFA Application
簡潔には、PFAの主目的は幅広い種類の支援サービスとつなげること、様態に応じた心理学的な支援をおこなうこと、その深さや内容は一般的な心理療法の判断基準に準じていくが、基本的にはストレスマネージメントの観点から始まり、グリーフを組み合わせるところまでである
PFA for Children And Adolescents
ベストアプローチはまだ確定しない
基本的には家族を通じた支援になる
家族の強みを戻して活用することに主眼が置かれる
災害を喚起する刺激やイメージへのばく露からはなれるよう親に伝える
親に不安や感情喚起に対処する方法を伝えて子供と取り組んでもらう
家族のルーチンやありかたを再構築し、それぞれにトラウマイベントのとらえ方や反応が異なることを伝える
発達課題への遅れが生じる可能性を伝える
子供のトラウマイベントに対する反応のハンドアウトを手渡し一緒に見る
子供に直接接する場合は親の許可をえたり、親が自らの状況をマネージメントできない場合にするほうがよい
目線を合わせるなど警戒させない非言語で、おもちゃを使うなど年齢に応じたかかわりでコーピングをおしえる
遊びのような形で修正して伝える
結果は可能ならば親にフィードバックする
Reference
Bisson, J. I. (2003). Single-session early psychological intervention following traumatic events. Clinical Psyhology Review, 23, 481-499. (CBTによる短期トラウマイベント介入)
Bisson, J. I., Jenkins, P. L., Alexander, J. & Bannister, C. (1997). Randomized controlled trial of psychological debriefing for victims of acute burn trauma. British Journal of Psychiatry, 171, 78-81.
(CBTによる短期トラウマベント介入)
Bisson, J. I., Shepherd, J. P., Joy, D., Probert, R. & Newcombe, R. G. (2004). Early cognitive-behavioural therapy for post-traumatic stress symptoms after physical injury: Randomised controlled trial. British Journal of Psychiatry, 184, 63-69.(CBTによる短期トラウマイベント介入)
Hobfoll, S.E., et al. (2007). Five essential elements of immediate and mid-term mass trauma intervention: empirical evidence. Psychiatry, 70, 283-315. (PFAの5要因の発案論文)
Ruzek, J. I., Brymer, M. J. Jacbs, A. K., Layne, C. M., Vernberg, E. M. and Watson, P. J. (2007). Psychological first aid. Journal of Mental Health Counseling, 29, 17-49.
Zatzick, D. F. & Roy-Byrne, P. P. (2003). Developing high-quality interentions for posttraumatic stress disorder in the acute care medical setting. Seminars in Clinical Neuropychiatry, 8, 158-167.(CBTによる短期トラウマイベント介入)
Zatzick, D. F., Roy-Byrne, P. P., Russo, J. E., Rivara, F. P., Droesch, R., Wagner, A. W., Dunn, C., Jurkovich, G. J., Uehara, E. S. & Katon, W. J. (2004). A randomized effectiveness trial of stepped collaborative care for acutely injured trauma survivors. Archives of General Psychiatry, 61, 498-506.(CBTによる短期トラウマイベント介入)
所感
原典が最も明確でわかりやすい
PFAは基本的にはCBT及びストレスマネジメントに基づくもの
ただし不安の減弱と自立と現在の環境への適応の再構築を行うものであり、トラウマに関しては全く介入しないため、PTSD発症予防の介入といえないのは当たり前に感じる
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