OVA『青の6号』感想

村田蓮爾の絵が好きで同じGONZO制作の『LAST EXILE』が好きだったのでいつか見たいと思っていた『青の6号』U-NEXT見放題に来てたので見ました。
サブスクに無いアニメや映画って見るハードル上がっちゃいましたよね。近所のレンタルショップもサブスクに押され潰れちゃったし…
テレビでよく放送するから身近だと思っていたジブリとの精神的距離感が空いていく一方でテレビ放送は無いけどサブスク配信されてる富野アニメとは仲良しになりつつあります。最近ダンバイン見た。

アニメ『青の6号』は1998年から2000年にかけて発売されたOVAで世界初フルデジタルOVAになるそうです。
原作として漫画がありますがほぼ全く別物。Wikipedia見ると潜水艦で戦うというくらいしか共通点が無いっぽい。

当時としては意欲的に3DCGIを取り入れた作品でもあります。
モデルやテクスチャクオリティは今見るとプレステ2くらいのショボいものですが演出を駆使して上手く見せていると思います。
青の6号の海中の戦闘シーンは多分全て3DCGIなのですが結構良かったなという感想です。水中のゆっくりした戦いというのも相性良さそう。
または単に手描きアニメのイキイキとした潜水艦とかみたこと無いってだけですかね。
近頃のアニメでは自動車はほぼ3DCGIに置き換えられていますがルパンのカーチェイスシーンを代表とする手描きのイキイキとした描写を知っていると不満感あるんですよね。
3Dアンチになっているつもりはありませんし期待値を超えるジャパン3Dアニメーションを見せてくれ！って思っているのですがなかなかね…
アニメの3DCGIへの愚痴はこのくらいにしておきます

手描きの作画については超ハイクオリティと言って良いと思います。崩れなし。
文句の付け所が無い。女の子は可愛いしおっさんもかっこいい。イケメンはイケメン！しかも細やかに動く。文句なし100点満点。
村田蓮爾目当てで見始めたんですがミュータント側のキャラデは草彅琢仁って方で恥ずかしながら初めて認識しました。Wikipediaみると色々やってらっしゃる…
ミューティオが可愛い。この人外キャラに性癖を捻じ曲げられた被害者多そう。

キャラクター周りだと主人公速水の郷田ほづみの声が良い。クールでかっこよすぎる。
お話的にヒロインが主人公を気に入る理由があまり見いだせなかったのだけど村田蓮爾イケメンCV郷田ほづみのパワーと言われればもう納得せざるを得ない。一話の登場シーン見て「かっこよすぎだろ！」と画面に叫んだもん。
ヒロイン紀之真弓はゆかなになる前の野上ゆかな。村田蓮爾ベリーショート美少女にゆかな。優勝。
あとソナー担当みたいなサイキック幼女がいるんですがこれが当時10歳の齋藤彩夏でアニメ声じゃなくて本当の子供の声って感じでめちゃ可愛い。
ブロンソン顔の艦長の声に有本欽隆やクルーに大塚芳忠や鈴置洋孝、石塚運昇など名優多し。
ここにも文句つけられない100点。（敬称略）

音楽も素晴らしい。THE THRILLというバンドが担当。
ジャズ・フュージョン系になるのかな？音楽は全部かっちょいいしキャラの演技に演奏をアドリブっぽく合わせるシーンも有る。おもしろい。
ただ一つ欠点なのは監督が「どうだ！THE THRILL最高だろう！！」とBGMをデカくした結果セリフが聞き取りづらいことが結構あり自分の環境ではヘッドホン必須だった。

ストーリーは正直最終話にご都合主義的展開が目立つが（核ミサイル不発とか心臓とか）リッチな絵と音がメインなので脚本が最後少しぐだついてもいいだろというおおらかな気持ちになれる。
そもそも最初っからセリフが聞き取れないくらいBGMデカくしてるしそこは売りじゃないんだと思う。よくわかんねーけどハッピーエンドっぽいぞ！やったー！みたいな。全4話しかないしね。
最後気持ち悪い木の実を情感たっぷりに渡されるけど普通に嫌だよね。
あれ持ち帰って庭に植える？生えるんでしょ！？悪い魔法使いに木にされた人みたいな気味悪い木が。人類とミュータントの対話の象徴ですって言われても「これ作ったゾーンダイクは完全にマッドサイエンティストだわ。狂人。」って感じでお互い対話して理解しましょうみたいな感じになりにくくない？あの可愛いミーティオ連れて帰ったほうがいいよ。それか万葉集朗読するあの子。

それでも面白いかどうかと聞かれたら「面白かった！」と胸を張って言えるくらい面白いのでおすすめです。人間のドラマより世界設定の謎で引き込むタイプの面白さ。
満足感高し。Lainとかに近い90年代の暗い雰囲気まとっててLain好きならおすすめ。
全4話で見やすいの機会があれば皆さんも是非。