オルタネート

直木賞候補作であるオルタネート読了。

元々NEWS加藤シゲアキが好きで、小説新潮での連載時から読んでいたこともあり、初版で購入し、まぁ、一回読んでるしゆっくり読もうと思っていた矢先の刊行から1ヶ月経たない頃、直木賞候補にノミネートというファンからしてみたら斜め上からとんでもない吉報がぶち込まれてきた。
そして、あれよあれよという間に増刷され、累計10万冊を突破との事。
いい加減、直木賞の発表まであと10日を切ってしまったこともあり読み返してみた。

オルタネートとは物語の中で使われている高校生限定のSNSのことで、内容としては高校生3人の話が軸となっている青春群像劇。と書くとさわやかな物語なのかと思いきやどの子も実はキラキラな子というわけではない。

高校生の人を好きになる感情、親の気持ち、裏垢で愚痴を書く気持ち、会ってみたらやっぱり違うって思う気持ち。
どれもこれもあるある、あったよね、こんな気持ちってなるやつだった。

そして、食べ物の季節感と描写。ドラム、ホルンの演奏の描写。
私が学生の頃から今までで見てきた事やってきた事だからすごく入ってくる!!

今年度、高校生はほぼ部活や文化祭が中止になったことと思う。そのできなかった体験の思いをここに載せてくれてるのかなっていうくらい、部活や文化祭の盛り上がる様の描写がおばさんまでも高校に連れて行ってくれた。

今、中学生の子たちはこれを読んで高校生に思いを馳せてほしいし、私世代は甘酸っぱい学生時代を思い出しても良し、親の気持ちで読むも良し。
久しぶりに本読んだなって人でもすっと入れると思う。

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