若い女子は本の主人公になりやすいの?

高校生直木賞という賞がある。

直木賞2回分(1年に直木賞は2回候補が発表になり、受賞作が2回決まるので、その2回分。すなわち1年間に候補になった分)の候補作から高校生直木賞の候補作を5作選出し、その中から全国の高校生で議論して受賞作を決める。
何故興味を持ったのかというと、言わずと知れた私が加藤シゲアキが好きだから、「オルタネート」が候補作になったということで、受賞はどの作品なのかというのがきっかけ。

今年の高校生直木賞についてグラレコでレポった方のnoteはこちら

今年の受賞は「雲を紡ぐ」と「オルタネート」の2冊同時受賞だった。
どちらも女子高生が主人公。
どちらの子も1人っ子、そして、いわゆるキラキラ女子ではない。最近「雲を紡ぐ」を読んだのだが、不登校の主人公と父母、母方の祖母、父方の祖父、親戚が出てくる。不登校の主人公と父親の目線で物語は進んでいくのだが、高校生がこれを選んだという事に驚くというか、彼らはこれをフィクションと捉えてその上でこれが良いとした事に驚く。
そして、「オルタネート」と完全に票を2分したという事にも驚いた。高校生はどんな気持ちでこれを読んでるのだろう?
軽いイジメと親から責め立てられるところなど、フィクションと割り切って読めるのだろうか?
私はこの物語を我が事のように読んでしまい、主人公が親に責め立てられるシーンなどは泣きながら読んでしまった。私はこの物語の母の気持ちにかなり感情移入する。
そして、娘の私には理解できない行動について彼女を通して理解する部分があったように思う。

冒頭は主人公が鬱々としていて壊れてしまいそうだけど、物語が終盤になってくると主人公のやりたい事がハッキリしてきて、でも、母親のことは怖くて…。やりたいことのために進路を自分で決められた主人公を思って最後は良かったね、良かったね。という気持ちになる。
母親とその母の関係性、母親と主人公の関係性は結局同じなのかな?この祖母に育てられた母だからあのような接し方なのかな?とか思いつつ。

最近、芥川賞、直木賞が発表になった。

今回の受賞作、候補作について全く調べていない(前回は加藤シゲアキが候補作の著者だっからあれだけの熱量で読んだり調べたりしたのだが…)ので、前回の話になってしまうのだが、若い女の子が主人公の物語がとても多かった。
芥川賞受賞の「推し、燃ゆ」もしかり。芥川賞については候補作6作中5作が若い女の子が主人公だったと思う。

そんなに若い女の子の物語がみんな読みたいの?!ってちょっと思ってしまう。

読書をする人の層が女性が多いとかなのか?
普段あまり本を読まないからその辺りが全くわからないのです何とも言えないけど。

別件で「桜木杏、俳句はじめてみました」を読んだ。

こちらは女子大生の桜木杏が主人公。
母が月1で通う句会にイケメンが参加したと聞いて母に誘われて通いだし、そのイケメンと心を通わすというストーリーなのだが、桜木杏が女子大生にしては少し子どもっぽく(物語の中で本人も自覚している)母親ととても仲が良い。そして、母親への心の中でのツッコミが読んでいてとても痛快。

こちらはベストセラーになったとかではなく、宮沢氷魚くんがドラマ化したときに出ていたので読んでみたから先に書いた本とはまた違うけど、こちらも若い女の子が主人公。

世の中ほんとに若い女の子の物語が好きなのね。って思いながら、私もそれを好んで読んでて、すっかり世の中の流れに踊らされてるなって思う。

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