推し、燃ゆ

加藤シゲアキさんがオルタネート刊行のタイミングで宇佐見りんさんと対談を行った。
宇佐見りんさんの「推し、燃ゆ」もSNSが物語に大きく関わってくる。
そして、奇しくも「推し、燃ゆ」は芥川賞候補になった。
ホントなら「オルタネート」と同じ直木賞候補作品を読んで自分なりに比較したいなと思いつつページ数より少ない芥川賞候補作品から読み始めた。

公式サイトによる試読ページ

https://web.kawade.co.jp/bungei/3741/

高校生の主人公が好きなアイドル(推し)が不祥事によってSNS上で炎上している(燃ゆ)事から話が始まる。

炎上した翌朝の主人公と友達の会話がまさに娘と娘の友達が半年前に交わした会話とそっくりで、これは娘の物語なのでは?という気持ちにさせられた。
娘の場合は推しの不祥事ではなく、推しの所属するグループのメンバーの突然の脱退なのだが。

主人公が姉の比較されたり、物事がうまくできなかったりというただの高校生ではないところが芥川賞ぽいのかな?と。

最終的に主人公が独り暮らしをしているさまは片付けができない娘を見ていると本当にこれはうちの娘なのではないか?娘の数年後がこうなってしまったらどうしよう…という気持ちになってしまった。

主人公が推しにかける情熱はそれこそ、ヲタクの鑑の一言に尽きるのだが、果たして高校生がここまで推しに(お金も情熱も)費やして大丈夫なのだろうかと物語の中なのにも関わらず心配になってしまった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?