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◇今月の隊員さん◇ 第94回:うめ🥑さん

【プロフィール】-----------------------
女性、20代、職業:大学生、長崎県在住
ツイッター●https://twitter.com/____plumO9
隊員歴:2015年10月から
主なアイドル遍歴:AKB48、ももいろクローバーZ、私立恵比寿中学、超特急
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 うめ🥑さんは、長崎県在住、21歳の女性隊員。ばってん少女隊結成年からの古参隊員だが、親御さんの方針で、高校卒業まで長崎県外への遠征は禁止されていた。
 もし福岡県で生まれ育っていたとしたら、福岡現場を中心に形成されていた古参コミュニティの一員だったかもしれない、かつての “箱入り娘” にとって、ばってん少女隊はどんな存在だったか。推しの春乃きいなさんや、郷里:長崎県への思いなどを通して語ってもらった。


■「ぅおぉ~きいな~!」

 ばってん少女隊を知ったきっかけは、2015年、長崎県の「Love Fes」 (2015年 10.18@水辺の森公園) でのステージを観たことです。
「Love Fes」は、テレビ長崎とエフエム長崎が共同開催してるイベントで、地元民にとっては、みんなが当たり前に行く感じのお祭りなんですよ。
 友達と色んな出店を歩いてる中で、偶然ステージに居合わせた感じで、ももいろクローバーZの妹グループと紹介されてて、ちょっと観ていこっか、みたいな。
 あの日、ステージを観ているお客さんは100人くらいだったかな?
 ステージ終了後、アナウンサーの方と少しトークする時間があって「春乃きいなさんは、長崎県出身なんですよね」という言葉に、「えっ! 長崎の子なの! 私と同じじゃん!」って (笑) 。
 お客さんたちをよく見ると、ガチガチにばってん少女隊を観に来た人たちと、何だろう? って集まってる人たちの他に、きいなちゃんのお友達らしき中学生の子たちがいて、きいなちゃんにめっちゃ反応するんですよ。「ぅおぉ~きいな~!」みたいな (笑) 。

 当時、私もきいなちゃんと同じ、長崎県の中学二年生でした。
 アイドルは、AKB48から入って、ももいろクローバーZも好きでしたけど、みんなスマホの中、パソコンの中にいる存在でした。私立恵比寿中学が長崎県に来たとき (DEJIMA博/2014年9.21@水辺の森公園) に観たことがあったくらいで、「アイドル現場」というものは、その日がほぼ初めてでした。
 そこからばってん少女隊が長崎県に来るときは必ず観に行くみたいな感じで、多分長崎現場は全部行ってると思います。
 ただ、親の方針で「高校を卒業するまで、県外への遠征はダメ」。
 だからこそ、ばってん少女隊の存在がありがたかったです。だって、CDリリースのたびに長崎県まで来てくれるアイドルって、ばってん少女隊くらいですよ (笑) 。

リリースイベントで配られていた拡販用ポケットティッシュ。
全てうめ🥑さんが中学生時代に受け取り、大切に保管しているもの。


■「そこのお姉さん、きいな推し?」

 現場仲間ができ始めたのは、この1年くらいです。それまでは、いわゆる “リア友” と現場に行ってました。
 去年の3月末に「ばってん長崎支部」で集まったとき、九州7ツアーの長崎公演 (2022年 5.14@DRUM Be-7) が、コロナ禍でライブがなかった、3年越しのきいなちゃんの長崎凱旋だから「おかえり」を伝えたいよね、って話になりました。
 声が出せない中で、何ができるだろうって話から始まって。。。
  ①どうおかえりって言う?→紙に書いて伝えよう!
  ②印刷より手書きのメッセージの方が良くない?→じゃ、手書きできる ”余白欄” を設けよう!
  ③イラストも欲しいんだけど、描いてくれる人は?→きいなちゃん推しのよしおさん (※) がCGデザイナーやってるから、彼に頼もう!

(◇今月の隊員さん◇ 第80回:よしお くまさん🍊さん )

 そんな感じで話が進んで、イラスト入りのカードをコンビニのネットプリントに登録して、「この番号を入力したらカードが出てくるようになってるので、コピー機にお金だけ入れてA4サイズで出力してください」ってツイートしたり、スペースでも「ご協力お願いします」って呼びかけました。
 当日、協力してくださった隊員さんと、ライブ演出の妨げにならないよう1曲目だけ「おかえり」って出して、第一部と第二部両方でやったんですけど、メンバーがハッキリと気付いてくれたのは第二部です。
 客席の最後列から、ば〜んって、カードを掲げた隊員さんがいたらしいんですよ。
 メンバーが「あれは何?」ってなって、最前列でカードを持っていた私に美舞ちゃん (柳美舞) が気付いて、きいなちゃんに「"おかえり" って書いてありますよ!」って伝えてくれてたんです。
 きいなちゃんが「ただいまー!」って言ってくれた瞬間、私は感情爆発してボロ泣き (笑) 。

 それから、あの日は「おかえり」を伝える以外にも、色んな感情を味わったライブでした。
 両部とも1曲目が「でぃすたんす」で、2曲目は「6STARS」 (第一部) 、そして「Number Shot」 (第二部) 。
「でぃすたんす」は、コロナ禍中にリリースされた曲で、距離は遠くても、同じ気持ちでつながろう、という曲。
 そして、2曲目はどっちもコロナ禍前、きいなちゃんが大学受験でお休み中だった、最後の長崎公演 (田舎娘5thツアー/2019年10.20@DRUM Be-7) でやってた曲です。あの日、きいなちゃんのメンバーカラー:黄色の公式Tシャツを着て、現場にいた記憶がよみがえってきました。

 どんな気持ちだったか言葉にすると。。。九州7ツアーの第一部は、めぴちゃん (※) とか、最近できた現場仲間と一緒に、あの日と同じ会場でライブを観るっていう不思議な感覚。

(◇今月の隊員さん◇ 第83回:めぴさん )

 そして第二部は、5thツアーと全く同じ位置で、同じ友達と並んで観たんですよ。
 5thツアーの日、ステージにきいなちゃんはいません。それでも、黄色の格好をしてもいいのか。”不在メンバーを推す罪悪感” にすごく悩んだんですけど、会場入り直前に決心して、黄色のTシャツに着替えました。
 そしたらライブ中、さくらちゃん (瀬田さくら) が「そこのお姉さん、きいな推し?」って笑顔で私に話しかけてくれた瞬間、あ。。。いないメンバーを応援するワガママを、ステージの5人が許してくれたんだ、って感じて、すごく嬉しくて涙が流れてきました。
 あれからばってん少女隊は、メンバーの卒業があったり、本当に色々あったけど、あのときと全く同じところから観る、6人の「Number Shot」に、涙が止まらなかったです。


■「夢のスコール」〜現在完了進行形〜

 ばってん少女隊で好きな曲は、まず浮かぶのが「夢のスコール」です。
 メロディもダンスも全部好きだけど、大好きなのが、児玉雨子さんが作詞した “歌詞” です。
 特に「現在完了進行形」っていう言葉が出てくるところ。
「夢のスコール」のテーマは、一言でいうと「青春」だと思うんですけど、「青春」を表現するのに「現在完了進行形」っていう言葉を選ぶ児玉雨子さんのセンスがめっちゃすごい! って思います。
「現在完了進行形」は、"ある動作が、現在まで継続していること" を意味する言葉。
 英語の授業で習うけど、日常生活では使わない言葉ですよね。

 話がズレるかもしれないんですけど、実は、私は中学生のときに不登校になったことがあります。担任の先生と、どうしても考え方が合わなくて、一年生の途中から不登校になりました。
 そして、なんとか入った高校でも、気を張りすぎちゃったのか、一年生の夏にまた「学校行きたくない!」と、なっちゃって。
 1st アルバム「ますとばい」がリリースされて「夢のスコール」を聴いたのは、そんな時期でした。
 学校での人間関係とか、苦労することはあったけど、私には「大学に入って専門的な学問をしたい」という夢があったので、「もう中学校のときと同じにはならない! だから学校もちゃんと行く!」って決めました。
 毎日、”高校生としての1日を完了させる” ことを、”継続させる” 、その心の支えになっていたのが「夢のスコール」です。
 突然の雨の中、びしょ濡れでふたりが走ってる情景が描かれていて、「喜怒哀楽」の、どの感情を歌っているのか、歌詞をパッと見ただけでは分かりにくいかもしれないですけど、だからこそ、そこに「青春」という捉えどころのない本質が表現されている気がします。


■「和・華・蘭」〜だいすきな街をまもりたい〜

 それから、長崎県のことを歌った「和・華・蘭」も好きです。
 長崎県民なら直感でピンと来る歌詞が散りばめてあって、例えば次の歌詞。
「資本主義崩壊途中 炭鉱からのオーシャンビュー」
 これは、長崎県民なら、すぐに「端島 (通称:軍艦島) 」のことだと分かると思います。かつて栄えた、炭鉱の島。
 きいなちゃんとスタッフさんとで打ち合わせを重ねて「国境の街」というキーワードで楽曲制作を進めたそうなんですけど、「和・華・蘭」には、様々な国の文化が交差して歴史作られた長崎県の情緒が詰まっていると思います。

 なんというか。。。正直、長崎県って、タワーレコードはない、HMVもないし、LCCの飛行機も2社くらいしか飛んでないから東京行くのもめっちゃお金かかるし、ハウステンボスだって、長崎市民から見たら遠征かよ! ってくらい遠かったりして、もうマジ不便! って思っちゃうこともあるんですけど (笑) 。。。
 でも、すごく優しい街です。人もそうだし、道案内の標識や、名所の案内とか、全部細かく丁寧に書いてあります。
 歌詞に出てくる「ランタンフェス」も、すごく綺麗なお祭りで、今年の2月、「和・華・蘭」を聴きながら、参加しました♪

ランタンフェスの様子 (撮影者:うめ🥑さん)

 それから、ばってん少女隊が長崎県でライブをやるとき、県外からの隊員さんが「長崎観光楽しい!」ってツイートしてたり、実際にそういう姿を目の当たりにすると、長崎県も悪くない。むしろ自信を持って、私の故郷は長崎県です、と誇れる気持ちになりました。
 ばってん少女隊に「和・華・蘭」を歌ってもらうことで、改めて長崎県を好きになりました。

 きいなちゃんの魅力は。。。「和・華・蘭」で「だいすきな街をまもりたい」と歌ってる姿に、全部が集約されちゃうのかな。きいなちゃんが歌うと、重みがあるっていうか、説得力が違うと思います。
 言葉の選び方や考え方、そして行動。一人の人間として誠実で、尊敬できるところが、きいなちゃんの魅力だと思います。
 例えば、大学受験のとき、一年間浪人しながら、アイドル活動も両立させて、第一志望校に合格しました。あのとき、万が一ですけど、不合格になるかもしれなかったのに、その「決断」を「成功」にしてみせました。
 初現場以来、ずっと推してて、その生き方まで含めて誠実で、自信を持って好きと言える、自慢の推しです。

来年、第一志望大学に再挑戦することにしました。
そして、受験のためにまた活動休止期間を頂くという事はありません。
(略)
来年は必ず、第一志望合格のご報告をします。

ばってん少女隊オフィシャルブログ:春乃きいな/2020年3月26日

1年前のブログで第一志望大学に再挑戦することをご報告しましたが、このたび合格を果たすことが出来ました!!
(略)
メンバーやスタッフの皆さんには長い期間たくさん協力してもらい、感謝でいっぱいです
私の考えを受け入れ、そして支えて下さり、本当にありがとうございました

ばってん少女隊オフィシャルブログ:春乃きいな/2021年3月14日


■01世代:うめ🥑さんにとっての「地方創生」

 現在、私は長崎県の大学に通って「地方創生」というテーマを専門に勉強しています。その観点から見つめ直すと、ばってん少女隊の活動のすごさを改めて感じます。
 例えば、観光大使を務めている宗像市で行われた『ばってん少女隊と行く、世界遺産バスツアー (2022年 10.10) 』。宗像市役所の職員さんがバスに乗って、観光案内など、全面協力してくださってましたよね。
 あれってめちゃくちゃすごいことだなって。行政は普段の仕事があるのに、そこに食い込んでイベントを興すって、簡単なことではないと思います。
 そして、あの日だけじゃなく、ばってん少女隊は、宗像市にたくさんの人を呼んで、宗像市を本当に好きになったという隊員さんが多勢います。
「ココとココが聖地だよ」みたいな「点」じゃなくて、宗像市という市全体が、一つのアイドル界隈で認識されて、「私、宗像市に行きました!」っていうツイートが「推し活」になるってすごいことだと思います。

 アイドルである自分たちを好きになってください。
 それだけにとどまらず、自分たちが活動してる、この九州を好きになってくださいっていうスタンスで活動してる点がすごいと思います。
 そういう姿勢に共感して、自分の県に来た人を喜ばせたいとか、楽しい思い出を持ち帰ってほしいみたいな気持ちが、きっと、全国の隊員さんの中にあると思います。私もあるし (笑) 。
 具体的な例として、去年の九州7ツアーの長崎公演の日に、そーちゃん@nagasakiさん (※) ご夫妻が『隊員専用 無料チリンチリンアイス』という企画をされました。先着200名の隊員さんに、長崎名物のチリンチリンアイスを無料でプレゼントするっていう素敵な企画です (詳細はこちら) 。
 ああいうの、すごく良いなって思うし、「地元の魅力を伝えたい」っていうばってん少女隊の想いが隊員さんに届いていることが、純粋にすごいなって思います。

(◇今月の隊員さん◇ 第12回:そーちゃん@nagasakiさん )


 明日は結成8周年記念ライブ (2023年 7.8@キャナルシティ劇場) ですね。
 去年は7周年記念ライブ (2022年 7.3@福岡国際会議場) で、同い年の隊員さんと集合写真を撮りました。
 ばってん少女隊きいなちゃんさくらちゃんと同じ学年の隊員さんで、「01世代」と自分たちで呼んでます。
 ”絆” っていうほどおおげさなものじゃないけど、私はみんなのことが大好きです。

 大学を卒業したら、来年の春からは教育関係の仕事に就く予定です。
 勉強が得意じゃない子どもの力になれる仕事をしたいと思って、就職活動を進め、希望していた会社から内定をいただきました。
 先ほども少しお話ししたように、私は中学生時代に不登校を経験しました。そのとき実感したのは、学校に行かなかった分、受験できる高校が限られる。つまり、人生の選択肢が狭められちゃうってことです。
 その地域の子どもの人生の選択肢を広げられるよう、力になれる大人になりたい。それが私にとっての「地方創生」です。

 最後にお伝えしたいことは。。。
 まず、こんなポンコツのお話を読んでくださってありがとうございます。
 まだばってん少女隊のライブに来たことがなくて、現場に行くのが不安という人のツイートを見ると、「観たい」って少しでも思ったら深く考えずに来ちゃっていいんじゃないかなって思います。
 現場が終わると、ばってん少女隊を観に集まったみんなとバイバイしなきゃいけなくて、すごく寂しくなる。それくらい愛おしい場所を作ってくれるほど、ばってん少女隊のライブって最高だよって、お伝えしたいです。





【隊員さん募集】
 当ブログではお話を聞かせてくれる隊員の方 (18歳、高校卒業以上) を募集しています。
 特別なエピソードは必要ありません。「ありのまま」で大丈夫です。
 接触厨も楽曲派もOK。楽しみ方は人それぞれ。(でも周りの迷惑には気をつけてね)
 DDの方も“隊員の日”があるなら立派な隊員です。
 ご協力いただける方は
https://twitter.com/SuhaiGenba までDMでご連絡ください。


<「今月の隊員さん」について>
 この企画は、タワレコオンラインで連載されていた「アイドルのいる暮らし」へのリスペクトをこめたパクリ企画です。
 福岡県のローカルアイドル・ばってん少女隊のファン (通称:隊員) にはどんな人がいるのか?
 どんなきっかけで隊員になったか、普段はどんな生活をしているのか。
「風変わりな人」として伝えられがちなアイドルファンの姿を、もっと真っ当に伝えたくて、隊員の方にガチでインタビューしています。


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