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◇今月の隊員さん◇ 第90回:R33(あーるさんさん)さん

【プロフィール】-----------------------
男性、40代、職業:自営業、愛知県在住 (出身は福岡県)
ツイッター●https://twitter.com/R33_skyline_
隊員歴:2017年2月から
主なアイドル遍歴:中森明菜、高井麻巳子、宮沢りえ、ももいろクローバーZ
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 R33(あーるさんさん)さんは、愛知県在住、48歳の男性隊員。東海地方からばってん少女隊を応援しているが、もともと北九州は小倉で育ち、「めんたいロック」が好きだった九州男児だ。
「流れに身を任せて生きてきた」と言う彼は、これからどこへ向かおうとしているのか。ばってん少女隊と、アイドル現場に通うようになった原体験を通して語ってもらった。


■「フリーポーズ」を選んだ、人生初の特典会

 ばってん少女隊の初現場は、3rd シングル「すぺしゃるでい」の愛知公演 (2017年 2.11@エアポートウォーク名古屋) です。
 もともと、先輩グループのももいろクローバーZのファンだったので、ばってん少女隊が前身グループ:F-girls (仮) だった頃の姿を、ももクロどんたく (2015年4.4-5@福岡ヤフオク!ドーム) で観たことがあったし、ももいろクローバーZが毎月Zeppを廻る「月刊TAKAHASHI」のライブビューイング (2015年 10.12@岐阜・イオンシネマ各務原会場) の特典映像で、結成されたばかりのばってん少女隊がちょこっと出てきたのを観て、グループ名を知りました。
 まだメンバーの顔と名前が一致しないくらいの、うっすらした知識しかなかったんですが、ももクリ (2016年 12.23-24@幕張メッセ) でもらった配布物の中に「すぺしゃるでい」のリリースイベントのフライヤーが入っていて、私が住んでる愛知県にも来ると知って行きました。
 その日はきいなちゃん (春乃きいな) が高校受験でお休みだった、5人のばってん少女隊でしたね。

 私がももいろクローバーZを好きになったのは2013年で、もう横浜アリーナを埋めるような、遠くから眺めるしかできない存在だったので、その日の「ミニライブ+特典会」というリリースイベント自体が初めての体験で新鮮でした。
 CD購入の特典券でアイドルと一緒に写真を撮ることができたり、AKB48とかの噂で聞いていた握手会って、こういう雰囲気なんだなぁなんて思いながら現場にいたのを覚えています。
 知り合いも全くいなくて、特典会はグループショットを1枚だけ撮ったんですけど。。。
 どんなポーズで撮るか、下の3つから選んで、③を選んだ結果、私は緊張でカチコチの棒立ちです (笑) 。人生初の特典会、という感じですね。

①みんなでハートを作るポーズ
ばってん少女隊ぃい。。。だぁー! のポーズ
③フリーポーズ


■社会人生活初の10連休〜ばってん少女隊天国〜

 そんな感じで「隊員」としての第一歩を踏み出し、ばってん少女隊の現場に通うようになりました。今年で6年目です。
 ばってん少女隊を推してて1番楽しかったときの話をすると。。。2019年春のZeppツアーから、夏のNUMBER SHOTにかけての期間ですね。
 Zeppツアー (2019年 3.16@Zepp福岡、3.23@Zepp難波、3.24@Zepp名古屋、3.30@Zepp DiverCity 東京) は、スカロックバンドMAYSON’s PARTYによる生演奏と、演出家の本間律子さんとのコラボで、回を重ねるごとにパフォーマンスが「最高」を更新していき、最終日のステージの最後に、このチーム (ばってん少女隊MAYSON’s PARTY) での、九州最大級の夏フェス:NUMBER SHOTへの出演決定がサプライズ発表される。あの流れは、今までのばってん少女隊の中で1番好きです。

 誤解のないように言っておくと、今の「OiSa路線」の流れをくむ「わたし、恋始めたってよ!」や「虹ノ湊」など、作り込まれた美しい世界観の楽曲も素晴らしいと思います。
 ただ、個人的には、1stアルバム「ますとばい」の頃の、聴いているとスカのリズムにのって体を動かしたくなる、理屈抜きで「音楽って楽しい!」と思える「生バンド路線」が好きでした。
 私の場合、「生バンド路線」のばってん少女隊に出会っていたからこそ、ここまでハマれたんだと思います。
 「めんたいロック」が好きだし、他にもTHE BLUE HEARTSなどのロックバンドが好きでした。「生バンド路線」を主導していた所長 (ばってん少女隊初代マネージャー) も、私と同世代くらいの、長崎県出身の元バンドマンだったそうですし、そういうところも好みが合っていたんでしょうね。
 昔は良かった。。。みたいに、変な古参マウントと誤解されると嫌なので、今の作品群も良い、と重ねて念押ししますが、でも、やはりあの期間は特別でした。

 それから、あの期間で忘れられないのは、ゴールデンウイークです。
 4月28日から5月5日までの約10日間、ばりはやZIP!フェス (2019年 4.28@Zepp福岡) から始まって、最後はひろしまフラワーフェスティバル (2019年 5.5@広島・白神社前 交差点) まで、ほぼ毎日のようにばってん少女隊が出演するイベントがありました。
 幸運にも、その期間、私はちょうど仕事の節目で、社会人になって初めての「10連休」だったんですよ。
 東海地方の隊員さんを中心に、田舎娘3rdツアーで知り合った現場仲間ができていて、あのゴールデンウィーク中は、彼らとほぼずっと一緒に行動してましたね。ライブがない日は宗像を観光して、みんなで大島を車で廻ったり。
 ただ、私は福岡県に実家があり、たまたま社会人生活初の10連休中だったんだけど、現場仲間のみなさんは遠征組なのに、毎日、当たり前のように現場に現れるんですよ。
 内心すげぇなと思ってました (笑) 。ゴールデンウィーク中の福岡県はホテル代も高いし、そもそも、みんな、どうしてそんなに休めるの? って。
 そんなことまで含めて、約10日間のばってん少女隊天国を楽しんだ、修学旅行のような楽しい毎日でした。

 そして、迎えた夏のNUMBER SHOT (2019年 7.21@福岡・海の中道海浜公園) 。
 時間にすると、わずか30分のステージでしたが、直前までの悪天候がウソのように晴れて、所長が見せたかった「生バンド路線」が最高の形になって結実したステージだったと思います。


■田舎娘5th→FINAL〜ばってん少女隊、やり切りました!〜

 そんなわけで2019年は、私にとって1番楽しい期間でしたが、実はステージの裏側で、グループが解散の危機に直面していたということが、翌年、”脱・箱入り娘” 宣言の動画で明かされましたね。
 きいなちゃんが大学受験に専念するため、秋から一時活動休止して、5人で廻った田舎娘5thツアー、ファイナルの熊本公演 (2019年 11.24@B.9 V1) 。私はあの会場にいたんですけど、最後の挨拶のところで、急にメンバーが号泣し始めて (動画の14:01〜) 。
 なんでそんなに泣くの? やりきったという場面じゃないの?
 5人が最後の挨拶をアツく話すんだけど、そんな違和感を覚えるほどに、客席とステージとで温度差みたいなものがあったと思います。

 だけど、”脱・箱入り娘” 宣言の動画で、裏側で起きていたことが明かされて、あのとき5人がなぜあんなにアツくなっていたのか、答えを知ることができました。
 一時的であっても、メンバーの1人がアイドル活動を休止することへの不安、メジャーレーベルとの契約終了、そんな様々な出来事の中、あの挨拶があったんだという背景が説明された形になりましたね。

 そんな期間を経て、ありっさー (西垣有彩) の脱退があり、2021年には田舎娘FINAL (2021年 3.28@TSUTAYA O-EAST) で星野蒼良ちゃんが卒業。
 田舎娘5thで「ばってん少女隊として活動することが私の生きがい」と語っていた蒼良ちゃんの最後の言葉は「星野蒼良ばってん少女隊、やりきりました! ありがとうございました!」
 彼女たちは、アイドルではない、次の「目的地」を見つけたんでしょうね。
 あの日、私は会場にいましたけど、周りの色んなところからすすり泣く声が聞こえてきて、絶対もらい泣きしてしまうからステージだけを集中して観てました。
 でも、「Number Shot」が始まったら。。。もうダメでした。
 蒼良ちゃんの歌い出しから始まる、あの最高だったNUMBER SHOTのために作られたような曲。
 2019年春のZeppツアーから夏のNUMBER SHOTまでの楽しかった期間を思い出し、「蒼良ちゃんがこの曲を歌う事は、もうないんだな」と思うと、涙が止まりませんでした。


■ブレない姿勢が「理想の人」

 私が10代だった頃は、将来の夢とか全くなくて、今もそうだけど、流れに身を任せて生きてきたという感じですね。
 高校卒業後、地元の専門学校を出て、初めて就職した会社は、マネキンやショーウィンドウの飾り付けなど、洋服屋に商品をどんな風にディスプレイするかトータルで管理する会社で、私は営業兼作業員でした。
 勤務地は2年ごとに転勤になって、宮崎県→福岡県→大分県。東九州は地元みたいな感じになったので、今でもライブで九州遠征するときは、そのあたりの会場に行くスケジュールを中心に考えます。
 最初の会社は6年くらい勤めたかな。
 そこから地元小倉に戻って、現在につながる配送の仕事に就きます。「目的地」まで、安全かつ迅速に荷物を届ける仕事です。
 最初は食材配送で、2トン車で工場やお店に食材を届けていました。
 30歳頃、自営業の運送屋になり、仕事の得やすさから東海地方に引越して、岐阜県に3年、そして現在、愛知県に13年住んでいます。こんなに長く住むとは考えてなかったですね (笑) 。

 ばってん少女隊の推しは、理子ちゃん (上田理子) 愛ちゃん (希山愛) 。甲乙つけ難い2人です。
 推しと自分とで似ているところは。。。全くないんじゃないかな (笑) 。ないからこそ「理想の人」として推してる感じですね。
 例えば、理子ちゃん愛ちゃんも、「自分」をしっかり持っています。
 2022年、最新アルバム「九祭」が出ましたけど、あのアルバムのコンセプトの1つでもある「九州各県を旅してテーマ曲を作る」って、実は2019年の裏側を描いた、”脱・箱入り娘”宣言の動画の会議シーン (32:51〜) で、すでにホワイトボードに書いてあったんですよね。
 メジャーレーベルとの契約が2019年末で打ち切りとなり、大学に進学するメンバーもいれば、アイドル一本でやっていくメンバーもいて、「人生の分かれ道」とも重なった時期に、これからどのように活動するか、様々な葛藤があった、あの期間。
 あれから彼女たちは、約3年という時間をかけて、「九州各県を旅してテーマ曲を作る」を、実現させました。大好きな故郷:九州に根を下ろして、ブレずに活動を続けて「目的」を形にした作品ですね。


■アイドル現場に通うようになった原体験

 私が学生だった頃、アイドルは完全に「テレビの世界の人」だったけれど、今のようにアイドル現場に通うようになったきっかけは、ももいろクローバーZです。最後に、その話をさせてください。
 あの頃は、自分にとってどんな時期だったかというと。。。
 約10年前、今とは別のクライアントの宅配をやっていたんですけど、めちゃくちゃ忙しいところで、休みが全然ありませんでした。
 恥ずかしい話、それまで貯金をほぼしてこなかったんですけど、本当に毎日働きづめでお金を使う暇もないくらい忙しくて、ある日気づいたら、見たことのない額のお金が貯まってたんですよ。
 テレビ放送がアナログから地デジに変わった時期とも重なっていたし、古いブラウン管のテレビしか持ってなかったから、ちょっと奮発して大きな薄型のテレビを買いました。そして、趣味だったライブ鑑賞をするため、テレビでライブを放送していたら、とりあえずハードディスクへ録画するようになりました。
 色んなライブを録画した中に、ももクリ2012の2日目 (12.25@さいたまスーパーアリーナ) の映像があって、それが刺さったんですね。

 誤解を恐れずに告白すると、ももいろクローバーZがテレビに出始めたとき、「何かイタい人たちだな」と思って、私はチャンネルを変えたことがあったくらいだったんです。
「アイドルの品格」というか。。。そんなものが存在するならば、の話ですけど、芸人さん顔負けのすごい変顔をするとか、そういう「品格」みたいなイメージを裏切っていく姿が、私には合わなかったのかな。
 でも、彼女たちのライブ映像を観たとき、観客席のペンライトの海がすごくキレイで、私の中で、ある記憶が蘇ってきました。高校生だった頃、仲間と行った、北九州市民球場でのプロ野球観戦の記憶です。
 1990年、ホークスが福岡県にやって来て2年目のシーズンでした。
 外野の応援席から観た、ナイター照明が作り出す、美しいカクテル光線。
 大きな応援旗を振ったり、 ラッパを吹いて応援歌を演奏する応援団の方々を中心に、大勢のお客さんの熱気がスタンド中にみなぎっていました。
 知り合い同士でもない、たまたまその日そこに集まった人たちが、「同じものが好き」という理由で気持ちを1つに、地元の球団を応援するという一体感。
 プロ野球って、すごいな。。。この熱気の輪の中に自分も入っているんだ。。。そんな高揚感がありました。

 ももいろクローバーZのライブを観たとき、テレビの画面越しに、キレイなペンライトの海と、曲にあわせてコールするお客さんたちの熱気が伝わってきて、あ。。。これは昔、ホークスを応援しに行ったときに感じた、あのスタンドの一体感と同じだ、と思ったんですね。
 アイドルとプロ野球。全く別物のようですが、私の中ではつながるものがありました。
 録画していたライブ映像を消すことができず、数週間後にまた観返して、次は3日後に観返し、そして毎日観るようになりました。
 そのうちに、あの輪の中に自分も入ってみたい、という気持ちがどんどん強くなってきて、そしてももいろクローバーZの現場へ通うようになった、というわけです。

 ちなみに、2019年のゴールデンウィークを一緒に過ごした東海の隊員さんは、コロナ禍になって遠征が難しくなり、私はまた現場で1人で行動することが多くなりました。
 でも、これからも変わらずばってん少女隊の現場に通い続けるつもりです。故郷である九州・福岡県が好きだし、ももいろクローバーZでは、私がリアルタイムで観ることができなかった「駆け上がっていく姿」を、きっとばってん少女隊は魅せてくれると思うので。
 これからもばってん少女隊の「夢」が叶うまで、お供させていただきたいと思います。





【隊員さん募集】
 当ブログではお話を聞かせてくれる隊員の方 (18歳、高校卒業以上) を募集しています。
 特別なエピソードは必要ありません。「ありのまま」で大丈夫です。
 接触厨も楽曲派もOK。楽しみ方は人それぞれ。(でも周りの迷惑には気をつけてね)
 DDの方も“隊員の日”があるなら立派な隊員です。
 ご協力いただける方は
https://twitter.com/SuhaiGenba までDMでご連絡ください。


<「今月の隊員さん」について>
 この企画は、タワレコオンラインで連載されていた「アイドルのいる暮らし」へのリスペクトをこめたパクリ企画です。
 福岡県のローカルアイドル・ばってん少女隊のファン (通称:隊員) にはどんな人がいるのか?
 どんなきっかけで隊員になったか、普段はどんな生活をしているのか。
「風変わりな人」として伝えられがちなアイドルファンの姿を、もっと真っ当に伝えたくて、隊員の方にガチでインタビューしています。


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