見出し画像

◇今月の隊員さん◇ 第98回:‎スギ@カンボジアさん

【プロフィール】-----------------------
男性、41歳、職業:会社役員、カンボジア在住 (出身は福岡県)
X (旧ツイッター) ●https://twitter.com/sugioh
隊員歴:2020年1月から
主なアイドル遍歴:広末涼子、ももいろクローバーZ
---------------------------------■■■■

 スギ@カンボジアさんは、カンボジア在住、41歳の男性隊員。カンボジアにある某日系企業で駐在員をされている、貴重な “ばってん東南アジア支部” の隊員だ。
 コロナ禍中、日本からのオンライン配信を通して、瀬田さくらさんを推すようになったという彼に、現場での思い出や、海外で働くようになった経緯、さらに今月、カンボジアで開かれる「​​Together Actions for SDGs」など、海外イベントにばってん少女隊が出演する意義まで、様々に語ってもらった。



■カンボジア駐在員5年目での "推し増し"

 某日系企業の駐在員としてカンボジアに約8年間住んでいます、スギ@カンボジアと申します。
 もともと福岡県出身の日本人で、駐在員になるまで海外で暮らしたことはなかったです。でも、ずっと「海外で仕事をしたい」と思ってたんですよ。
 理由は、日本では多くの場合、既に決められたルールがあって、その範囲内で “お約束” に従い仕事をすることになります。ある意味、居心地は良いんですけど、そういう世界を飛び出て、海外の何もないところでゼロから物事を立ち上げて仕事をする “自由さ” が欲しいと思っていました。
 東南アジアを支援する部署に所属し、出張でちょくちょく東南アジアへ行っていて、2015年の7月に辞令が下り、正式にカンボジア駐在員になりました。

 今のようにアイドル現場に通うようになるのは2012年、ももいろクローバーZを好きになってからで、カンボジア駐在員になってからも、日本への出張等をうまく日程調整しながら、”推し活” を継続しています。

 ばってん少女隊の推しは瀬田さくらさんです。
 きっかけは、コロナ禍になる直前のスタプラフェス (2020年 1.19@横浜アリーナ) 。スターダストプロモーションのアイドルが一堂に会するイベントです。
 あのとき、それは私の幻聴かもしれないんですけど、ダンスの振りを間違えたらしく、瀬田さんが「あっ間違った」と言ったのが聴こえた気がしたんです。
 ばってん少女隊ではない、別のアイドルがメインステージで歌っていて、瀬田さんが2階席の通路で踊ってる姿を、私はアリーナ席から観上げていました。
 ダンスの振りを間違えて、「あっ間違った」と彼女の唇が動き、声も聴こえた気がした、その姿がすごく素っぽかったというか、イベントが終わってからも、彼女の印象が頭に残り続けました。
 ただ、その直後、世界がコロナ禍に突入したのは皆さんご存知の通りで、私はしばらくの間、日本に帰れない状態になるんですけど。


■誰一人取り残さないSDGs的な振る舞い

 私の “推し活” にとって、コロナ禍の影響というのは確実にありました。コロナ禍がなければ、多分、今も主現場はももいろクローバーZだけだったと思います。
 日本へ帰国することも、現場へ行くこともできなくなってから、日本からのオンラインコンテンツで、ももいろクローバーZに限らず、色々なアイドルを観るようになりました。
 中でも量・質ともに瀬田さんのオンライン配信が良い意味で存在感があって、どんどん瀬田さん推しになっていきました。

 そして、コロナ禍による出入国制限が少しずつ緩和され、私にとって初めてのばってん少女隊単独ライブとなるのが、去年の秋の入隊式 (2022年 9.19@恵比寿ザ・ガーデンホール) です。
 思い出に残ってるのは、瀬田さんからもらった爆レスと、そのきっかけとなった隊員さん (笑) 。
 私は6列目くらいの席だったんですが、1列前に、体格が良くて、ライブ中のアクションも大きい、めちゃくちゃ元気な隊員さんがいたんです。
 で、その方が視界の大部分を占めるので、正直、私はステージがほぼ観えなかったんですよ (笑) 。
 ライブ中、目の前の彼が動くたび、その逆方向に動くっていうムーブをずっとやってました (笑) 。
 そしたら。。。そんな私に向かって、ステージの瀬田さんが同じように左右に揺れながら指差しレスをやってくれたんです。
 私の動きに連動して「あなたのことも、誰一人取り残さず見ていますよ」と、言ってるかのように。
 私は瀬田さんのメンバーカラー:紫の装備で観ていたので、瀬田さん推しであることは外見で分かってもらえたと思います。確実にこっちにレスしてくれた手応えがありました。

 逆に言うと、爆レスをもらえたのも、前列の元気な隊員さんのおかげです。すごく目立つ動きをしてたから (笑) 。
 その日は初現場だったので、でっかい隊員さんいるな~くらいの感じだったんですけど、その後、何度かばってん少女隊の現場を経験するうちに、その隊員さんとも現場仲間になることができました。
 アイドル現場の何が楽しいかというと、アイドルが可愛いとかライブが楽しいということもあるんですけど、ヲタク同士のコミュニケーションも好きです。

 ばってん少女隊の現場仲間が初めてできたのは、タイでのイベント:JAPAN EXPO THAILAND 2023 (2023年 2.3-5@タイ・セントラルワールド) です。
 現地ツアーパックに入ったので、隊員さんたちとホテルが同じだったんですよ。
 ホテルのエントランスに、隊員さんと思しき方々が、背中を向けて5人くらいでたたずんでいたので、私からお声がけしました。
「私は東南アジアに8年住んでいるので、タイで上手く交通渋滞を避ける方法とか、サポートできることがあると思うから、何かあったら助太刀します」みたいな感じで「一緒に行動しましょう」と。
 皆さんツアーパックの添乗員さんに導かれての行動だったので、とてもスムーズに進行し、結局、私の出番は全然なかったんですけど (笑) 。


■「海外でゼロから働きたい」という気持ちの原形

 高校卒業まで福岡県で育ちました。大学は鹿児島大学へ。
 当時、生物工学とかが流行り始めてて、鹿児島大学にそういう分野を学べる学部ができたので、そこへ入学しました。
 一応、大学院まで進んだんです。ただ、研究をやればやるほど「これじゃないな」と。
 昔からファッションに興味があって、青春時代のアイドルは広末涼子さんなんですけど、ファンになったきっかけも、彼女が「Boon」というファッション誌の表紙に載っていたことからでした。
 大学に入って洋服屋でアルバイトを始め、いつか自分のお店を持ってみたいという気持ちが芽生えた頃に、ちょっとした "事件" が起こります。
 大学院の研究室では、生物工学で微生物を扱うので、毎日、白衣を着るんです。私は白衣の下に、ダメージジーンズを履いていました。穴が空いてるんです。
 トップスはノースリーブ。そのときハマってた格好がパンク系だったので、そんな格好をしてたんですけど、ある日教授に呼ばれて「そんなホームレスみたいな格好をするな!」と叱られ、「お前の先輩を呼んでこい」と、私の先輩を指導しようとしたら、先輩もギタリスト兼研究者で同じような格好をしてたので、「なんなんだお前らは!」と、二人で一緒に叱られました (笑) 。

 そんなこんながあって、生物工学の研究はもう辞めよう。好きなものというか、自分の中で突き詰めたい道があるからと、親に相談しました。「洋服屋を開きたいから、開業資金を貸して」と。
 すると、「貸しません」という返事と「一回働いてみなさい」という言葉をもらいました。
 何も経験のない人間にいきなり開業資金なんて貸せないから、ファッションをビジネスとして成り立たせている会社で勉強しなさい、ということですね。
 で、新卒でアパレルメーカーに就職しました。
 3年間務めた後に、今の会社へ転職し、同じ頃に結婚もしました。
 そして、社会人として働くうちに、冒頭でお話ししたように、海外でゼロから物事を立ち上げて仕事をしてみたいと思うようになります。
 最初は “ファッションが好き” という動機から「好きなものを仕事にしたい」と思っていたんですけど、だんだんと「好きなやり方で仕事をしたい」という方向に考え方が変わって行った感じですかね。
 現在は、子どもが二人生まれて家族四人でカンボジアで暮らしながら、カンボジアに立ち上げた関連子会社の役員としても働いています。


■広すぎるこの世界

 普段、仕事をする上で大切にしてることは。。。納得いかないことは、変に空気を読まず、きちんと自分の意見を言う、ということです。
 ここは、推しの瀬田さんと共通してる部分かな、と思います。
 彼女のオンライン配信を観てると、みんなのことをすごく気にしている。
 だけど、どうしてもっていうときに "自分" がにじみ出て、言いたいことは言っちゃう。
 誤解を恐れずに言えば、“うまくやり過ごす” ことも仕事のやり方の1つなんだけど、そのへんを割り切れてなくて、ちゃんと自我が出てきちゃうところに親近感を覚えます。

 例えば、瀬田さんはオンライン配信で「私は完璧な人間じゃないです」という主旨の話を時々されると思うんですが、これは謙遜しているというより、「私はこういう人です。そんな私を応援したいと思う人は推してください」という意思表明をしている印象を受けます。
 多くの人にファンになってもらうなら、そのへんをフワッとさせるスタイルもあるはずなんだけど、「私は皆さんが思ってるイメージに、完璧にハマるとは限りません」と。
 私はこうあり続けます、という強い意志を感じます。

 夢を叶えた人は、夢を諦めなかった人。
 よく言われる言葉ですが、強い意志は武器になりえます。
 ただ。。。一方で、「人とのつながり」も大切だと思います。
 実は去年、私は経営大学院を卒業したんですが、学んだこととして、強く印象に残ってるのが、ビジネスにしても何をするにせよ、「人とのつながり、出会いが大切」ということです。
 海外で、ゼロから会社を立ち上げて仕事をする、という1つの夢は叶いました。
 次は、故郷・福岡へ帰りたいと思っています。
 だから、たまに日本に帰るときは、色んな理由を付けて、様々な方と会って食事をするようになりました。「人とのつながり」を増やす場を作ってる感じです。
 友達を増やしていくみたいなところも含めて、現在の仕事に直接つながらなくても、本当に長い目で、いつか福岡に戻るときに、力になってもらえる関係性を作れたらと思って様々な方との「出会い」を作るようにしています。
 私もカンボジアで8年間、経験値を積み、出会った方へギブできるものがあるかもしれませんし、私との「出会い」を喜んでもらえたら、最高です。


■ばってん少女隊という仮説

 ばってん少女隊関連の参戦歴は、以下の通りです。

1.令和4年度、秋の入隊式 (2022年 9.19@ 東京・恵比寿ザ・ガーデンホール)
2-4.JAPAN EXPO THAILAND 2023 (2023年 2.3〜5@タイ・セントラルワールド)
5.瀬田さくら「サクラコネクト」《Go格祈願リレーライブ》(2023年 2.26@福岡・DRUM LOGOS)
6.『想定の遥かナナメ上』ツアー (2023年 4.1@福岡・Zepp Fukuoka)
7.ばってん少女隊8周年記念ライブ (2023年 7.8@福岡・キャナルシティ劇場)
8-9.UNDER THE SCREAM!!2023 (2023年 8.26〜27@大分・城島高原パーク)

 約1年で、のべ9現場です。
 私にとっては、全てが “海外遠征” と考えていただけると、それなりの数字かと (笑) 。
 そして、今月はカンボジアでのイベント:Together Actions for SDGs (2023年 11.17-19@AEON Mall Sen Sok City セントラルコート) があります。
 私にとって初めての、"海外遠征ではない現場" ということになります (笑) 。

 ばってん少女隊が、海外でイベントをやる意味は何か。。。ですか?
 少し話が大きくなるかもしれませんが、日本のアイドル全般が、東南アジアでの知名度は低いです。少なくとも、現地スタッフと話してて、日本のアイドルの名前が出てきた記憶はありません。
 日常的に名前が出てくるのは、K-POPです。それも一過性の流行でなく、BTSBLACKPINKTWICEなどなど、人気のあるグループが続々と出ています。
 なぜ韓国の芸能は海外へ積極的に出ていくのか。そもそも韓国は日本と比べて、エンタメの市場規模が小さいから海外に出ざるをえなかった、という事情もありますが。。。
 実は、韓国は出生率が日本より低く、”将来的な市場の見通し” という観点からも、海外に打って出る必要がありました。
 この点は、日本も他人事ではないと思います。
 韓国が生んだK-POPは、東南アジアでも人気が根付いている。
 この差は、将来的に大きなものになるんじゃないでしょうか。

 今回のカンボジアでのイベントは、国連も開催に協力するイベントです。貴重な機会だと思います。
 繰り返しになりますが、今の時点では「日本のアイドルは?」と聞かれても、東南アジアでは誰も名前が出てこない状況です。
 つまり、逆にチャンスなんです。”日本代表” は、今、誰もいないですから。
 今年は、ASEANと日本との交流50周年でもあります。ASEAN、日本双方がつながって、50周年を盛り上げていこうとしています。
 そういうチャンスを活かして「人とのつながり、出会い」をきっかけに、ゼロだったところから何かを作っていくことが、とても大切だと思います。

 私自身が福岡出身の人間なので、自覚している気質として、九州人って内輪ノリしがちなんですよね (苦笑) 。良いものを作ってるんだけど、内輪だけで楽しんで、終わっちゃう。
 ばってん少女隊も、拡がりという点では、まだのびしろがたくさんあって、だからこそ、戦略的かつ積極的に「つながり」を持てるように動くことが大切だと思います。
 例えば、自治体には海外の姉妹都市等と継続的に文化交流を行うセクションがありますから、九州の自治体が海外と文化交流を行う案件は、全部スターダストプロモーションが引き受けるとか。
「九州の魅力を発信する」という彼女たちの活動方針にも合致するし、ばってん少女隊という可能性を拡げることにつながるのではないでしょうか。

 ばってん少女隊初のカンボジアでのイベント出演、私はまだまだ新参の隊員ですが、少しでも盛り上げていけるよう、力になっていきたいと思います。参戦される隊員さん、何かお困りのことがあれば、遠慮なく連絡をください。当日はちょっとバタバタしてるかもしれませんが (笑) 。
 今回は日本にいるよ、という隊員さんも、どうかイベントの成功を祈っていてください。精一杯、”地元の現場” を盛り上げられるよう、力を尽くしたいと思います。



【隊員さん募集】
 当ブログではお話を聞かせてくれる隊員の方 (18歳、高校卒業以上) を募集しています。
 特別なエピソードは必要ありません。「ありのまま」で大丈夫です。
 接触厨も楽曲派もOK。楽しみ方は人それぞれ。(でも周りの迷惑には気をつけてね)
 DDの方も“隊員の日”があるなら立派な隊員です。
 ご協力いただける方は
https://twitter.com/SuhaiGenba までDMでご連絡ください。


<「今月の隊員さん」について>
 この企画は、タワレコオンラインで連載されていた「アイドルのいる暮らし」へのリスペクトをこめたパクリ企画です。
 福岡県のローカルアイドル・ばってん少女隊のファン (通称:隊員) にはどんな人がいるのか?
 どんなきっかけで隊員になったか、普段はどんな生活をしているのか。
「風変わりな人」として伝えられがちなアイドルファンの姿を、もっと真っ当に伝えたくて、隊員の方にガチでインタビューしています。


 ここまで読んでいただきありがとうございます。
 よろしければ、♡のボタン(通称スキ・マーク)を押してみてください。
 メッセージがランダムで1つ表示されます。全部で8種類あります(随時更新)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?