IPA報告書:製品の使い勝手を定量的に評価し UX 向上を実現
本日はこちら。IPAの報告書ってちゃんとしているものが多いですけど、どんな背景で提供されているものなんでしょうかね。IPAの研究費みたいなものが企業に出ている?無償でこんな情報出すほど企業もお人よしではないと思うので。
内容は、最近マイブームのユーザビリティ評価のNEM法です。
こちらが元論文。
こちらが2013年の拡張論文ですね。
今回の報告書もNEMをベースにしつつ、拡張をする、という内容です。
まとめると、
・対象はミドルウェア製品
・定量的な評価をすることで開発者を説得し修正につなげたかった
・単純な平均値でNE比を計算するのではなく、特異値や操作時間の絶対値も考慮するようにした
です。
>操作時間の目標・限界値、および操作時間重度の判定
上述の操作時間の絶対値についてですね。操作時間のランク付けをして、どれだけ操作時間がかかっているかをクラス分けする感じです。そして、そのランクが致命的なところにある被験者数が多いと、直さなきゃいけない箇所だと判断する、みたいな流れです。直感的ではありますね。
>各ユーザーモデル 5人の被験者で84%の使いにくさの問題を検出可能
これはなんか聞いたことあるようなないような。ユーザビリティ評価界では常識なんでしょうかね。組合せテストで二因子組み合わせでOK的な話と似ている気がします。
>使いやすさの品質(ISO/IEC 25010:2011 の利用時の品質モデル)における「有効性」、「効率性」は、IxD 評価により定量的な評価が可能になった。
これ、意外と大事な記述な気がしています。NEMはユーザビリティの一部しかカバーしないというのは以前の記事でも書きましたが、具体的にどの副特性なのかについてはあんまり明確ではなかったです。この記述が絶対というわけではありませんが、おそらく、この二つなのでしょう。
NEMと組みあわせるユーザビリティ評価手法を選定する際には、これを念頭に置いておくとよさそうですね。
そこそこNEMの手法と適用についてわかってきた気がしますが、あと何個か読んでみたいと思います。
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