報告書:定量的ユーザビリティ評価手法: NEM による操作性の評価事例およびツール開発の報告

本日はこちら。

このNEMの最初の論文の次、ですかね。NEMの初稿がどれかってのが実はまだよくわかってなくて、NormanのPOETという書籍が最初と言っている文献もあります。POETというのが簡単に読めないので、立証できませんが、、

本日の論文をまとめると、

・NEMに使えるツールを作ったよ

です。


全体的にツールの内容自体は”普通”です。ログを取って分析してくれますよ、と。改めて報告書にする必要もないかな、ぐらいです。というかこれは論文じゃなさそうですね。ツールのホワイトペーパーぐらい。しかも2001年なので、すでに使われていないか何らか別のツールにすでに置き換わっているでしょう。

どうでもいいですが、会社名のユーアイズノーバスの「ノーバス」はNEMの「Novice」と関係性があるのでしょうか。NEMをキラーツールとして使う会社、という意味だったり。推測にすぎませんが。


>通常のユーザテストで思いがけない操作をしてしまうユーザに出会うのと同様、NEMの分析中にもユーザによって極端に操作時間に差が出る操作タスクに出会う場合がある

他の論文でも書いてありますが、ベーシックなNEMだけだとあくまで平均値でしか語ることができず、外れ値が発生した場合の処理や、分散が大きい際の処理が十分でないようですね。なのでこの報告書では、ツールを使うことで気づきを呼ぶことができる、という説明になっています。

やっぱりシンプルなNEMでは見逃す問題もあるということを気付いているわけですね。そのことはNEMがよい手法であることを否定するものでは全くないですが。


>1999年に本格的な考察をはじめてから現在までに10例について評価を実施し、商品開発の現場へのフィードバックをおこなってきた

ここら辺がユーザビリティの専業としての強みですよね。僕自身テスト会社にいるのでわかりますが、あまりユーザビリティに特化した仕事ってなくて、通常のソフトウェアテストの一部としてユーザビリティも、というところになるのであまり注目を浴びないのです。なので、短期間で10事例も集まらないです。事例は強い。


ちょっとこの報告書自体は期待外れでした。。NEMの日本語リソースは大体読み切ったかなぁ。


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