UIデザインが見た目を良くする事でないなら何をする仕事?
Webやアプリのレイアウトや遷移を決めるUIデザインやIA(インフォメーションアーキテクチャ)は、様々な要素を考慮してデザインしなければなりません。
まず最初に理解しなければいけないのは、UIはビジュアルデザインとは違う点です。
では具体的に何が違うのかわかりやすい言葉で言うと「分かりやすさ」を一番重要視している点です。
ついついデザインをしているとかっこよく美しくと言った見た目を追求しがちですよね。
それ自体は大変意味があるし素晴らしい事です!
ですが見た目の良さを追求するために「分かりやすさ」や「使いやすさ」を犠牲にしてはいけないという事を常に念頭に置く必要があります。
ではなぜ「分かりやすさ」を重視しなければいけないかと言うと、UIはあくまで情報や機能を提供するための橋渡しでしかないからです。
主役ではないという事ですね。
主役はコンテンツであり、UIは控えめであるべきという事はAppleのデザインガイドラインであるHuman Interface Guidelinesにも書かれています。
電子レンジを例にUIを紐解く
例えば電子レンジでUIにあたる部分はボタンなどですよね。
最近では高機能なものも増えているので、ボタンがたくさんある電子レンジを使用している方も多いと思います。
ですが電子レンジを使う目的のほとんどはほぼ1つで、それは最適な温度に温める事です。
ユーザーは単に温めるという結果を得たいだけで、様々なボタンを操作したいわけではありません。
そのため素晴らしい電子レンジのUIは様々な年齢の方が迷わず少ない操作で最適な温度に温められる事だと想像できます。
もし技術的な制約がなければ「解凍・ほかほか・あつあつ」などの結果ボタンだけがあり、AIやサーモグラフィで時間などを全て自動で判断してくれると良さそうではないですか?
ですが実際の電子レンジはボタンがいくつも並び、それほどシンプルではない事が殆どです。
これを読んでいる方も自宅の電子レンジに押した事がない、押したらどうなるかが分からないボタンがあるのではないですか?
ユーザーは結果を求めている
ユーザーはWebやアプリに対して「情報を得たい・買い物したい・楽しみたい・人と繋がりたい」といった様々な結果を求めています。
デザイナーはユーザーが自身の作成したUIに惚れ惚れしていると思い込みたいでしょうが、結果を得たいだけなのでその過程に触るUIには興味がなく、むしろスキップできるならスキップしたいと考えています。
素晴らしいUIとは
では素晴らしいUIとはなんなのでしょうか。
これはあくまで私が考える理想のUIですが、無意識のうちに結果を得られるほど違和感なく目的を達成できる事です。
例えば私たちにとってセキュリティはとても大切です。そしてあらゆるサービスにパスワードを入力するUIが存在します。
もちろん個人情報の塊であるスマホもパスワードがあり、ひと昔前までは開くたびに入力していました。
でも今はどうでしょう。指紋認証や顔認証を用いてより自然な流れで開くことができるようになったため、自身がパスワード設定をしている事すら忘れている人もいるかもしれません。
このようにパスワードと言えばテキストフィールド入力が当たり前だと思われがちなUIでさえも、発想次第でより良いデザインにすることができます。
今の例は技術的なものもあり少し特殊な例に思われそうですが、このような考え方は通常のUIにも当てはまります。
まとめ
レイアウトやデザインによってユーザーがその画面で何ができ、どう扱えば良いのかを瞬時に理解できればユーザーが結果を得るまでの負担を下げるだけでなく時間効率も格段に上がる事ができます。
「分かりやすさ」を常に優先してデザインをする。これはUIデザイナーの使命であり、心理学や認知科学といった専門的な知識なく出来るものではないため腕の見せ所です。
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