映画のこと
映画を見るのが結構好きだった。
好きだったと過去形になってしまったのは好きなんだかなんなんだかよくわかんなくなったからだ。
別に満遍なくいろんなジャンルを見るわけでもないし、映画館へ足繁く通って自分の見た映画の感想をノートに綴るなんてこともしない。映画を見てる時間が落ち着くし、面白い映画を見ることができたら嬉しい。自分の選択が間違ってなかったことも嬉しくなるし。
だけど人に好きな映画を薦めるとなるとどうだろうか。大好きだった映画もひょっとしたらあのシーンが好きなだけなのかもしれないし、そもそもどこが好きなの?って聞かれたら答えに詰まってしまう。なんで詰まってしまうかというと、過去に自信を持って薦めた映画が相手にとって全く響かず少し悲しかったということがあったからだと思う。
自分の好きが必ずしも相手にとっても良いものではないとわかったからむやみに薦めることがなくなってしまった。
こいつ演技下手だなぁと思ってた人が演技がうまいと誉められているなんてことはよくあるし、外国語の演技なんかは上手いのか下手なのかも全く区別がつかない。俳優の芝居がよくて映画を見てるわけでもないし、いちいちここのカット割がどうとかアングルがああだとかも全くよくわかんない。ほんとになんで見てるんだろうか。
それでも話が面白かった映画はちゃんと覚えているし楽しい。やっぱり映画って好きだな。
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