父の他界と甥っ子の誕生

公開する前提で描こうとすると、読み手にとってどうかを考えるので終わって書かなくなってしまうから自分のために。

弟が「今日忙しいの?甥っ子に会いに来ない?」と当日で誘ってくれて本当に感謝してる

それ逃したらずっと先送りにしてたんじゃないかな。

余計な言葉をかけてしまうのが怖いから出産まで弟嫁ちゃんに何もできなかったことが負い目なのと、自分が独身で役に立てなさそうなのが理由で、腰が重くなってた気がする

結果そんなことはどうでもいいことだとわかる。

生命ってすごいんだなあ。
産まれるまでがすでに大変なはずだが、新生児に会わせてもらっただけでも、命がすごいことがわかる。

これは大切に守らなくてはならない。
小さくて、さわったら壊れてしまいそうな、美しく小さな柔らかくて透き通った精巧な、いきもの。

小さい。信じられないくらい小さい。
なのにその小さな手には爪楊枝の先くらいの小さな爪が、精巧に1つ1つ形作られている。ここから私たち大人になるまで容積が大きくなるのだと思うと、本当に神秘的なことだと感じる。

自分がお腹を痛めて産んだわけではなくても、ずっと見ていたくなるような可愛いさ。

そしてどこを切り取っても可愛いお嫁さんだった弟嫁ちゃんに、神々しさと、どっしりとした母としての威厳が加わっているように見える。

弟嫁ちゃんが出産後最初に私に言ってくれたのが「弟くんがずっとそばで支えてくれたおかげで、無事出産することができました」

コロナ禍でも出産当日だけは弟が立ち会えたそう。
思った以上に壮絶だったと2人はいうが、そんな壮絶な時間をともに支え乗り越えている関係がとても素敵だよ。二人を見ていて、お互いを頼りにしていることをきちんと表現したり、いつも相手に思いやりを忘れない姿を本当に素敵な夫婦だなあ、と思って見ています。

父が倒れてからも、二人と協力してだから、仕事へも何にも影響を出さずに、両立することができました。
急性期病院から、回復期リハビリ病院への転院。
回復期リハビリ病院から療養病院への転院。
そして生花祭壇をかざっての自宅でのお通夜、告別式。
各種届出、相続。
二人が二人だから、「家族」という組織での動きがとても楽で、大切に丁寧に父の最期を見守れたと思います。
一人じゃ絶対にできなかった。

弟を私の弟として産んでくれた両親と、両親や私たちまで生命のバトンを紡いでくださった全ての皆様に、心より、感謝申し上げます。

甥っ子の産まれた日は、2018年に父が倒れた日と同じ日なんです。

だから甥っ子に会って「子どもって親を看取るために生まれてくるのかな」ってポッと浮かんだ。
親の生き様を次の世界につなぐために。
親の亡き後を、大切に丁寧に整理して弔う。

誰でもそれをできるわけではない。亡き後に立ち会わせてもらえることはとても幸運だと思う。その点、本当に感謝しかない。
親が次の世界へ旅立つことをサポートできるのは本当に恵まれていると思った。

2021年の2月5日21時頃、弟からLINEで着信
父が倒れた時と同じ、すぐに電話を取らなきゃいけない予感となぜか冷静にならなければいけない電話だ、という予感があった

弟のおかげで、私はいつも冷静でいれる
コロナ真っ只中で面会も制限中だったその時、電話がかかってきた時にはすでに、父は心肺停止していた。

3人ですぐにそれぞれ病院へ向かった。

看護師さんから状況をお聞きし、「まだ耳から声は届くと思うので話しかけてあげてください」

いつもは照れて伝えられない感謝の言葉もその瞬間は饒舌になった。

こんなときもゆっくりはしてられないもので、もうすぐ24時だが、病院を出なくてはならない。
車の手配をして、父と一緒に自宅へ帰る。この車の手配から葬儀、また四十九日まで全部支えれくれる地元の葬儀屋さんの親身さにこのあと感動することになる。一周忌もお世話になる予定。

2年ずっと病院だった父と家に帰れて嬉しい、でも入院してからと同じなのは、「いつまでに何をやり遂げなくてはならない」というスケジュールがすでにきられている、ということ。

弟夫婦と私が中心になって葬儀など初めてのことである。
だけどこのメンバーならやり遂げられる安心感があったし、
何より、いつも助けてくれる。いつも周りの方が助けてくださって奇跡が起きる。いつも守ってくれて、本当に、ありがとうございます。

立ち振る舞いが落ち着いて、決して言葉数多いわけではなく表情もクールな葬儀屋さんのKさん。
私たちよりおそらく10歳は目上だが、私たちの精神面を優しく包みながらリードしてくれたおかげで、私たちは、「父に喜んで欲しい」をゴールに、生花祭壇やお通夜に向けて、目の前のことだからと言って焦りにより1つの判断も無碍にすることなく、1つ1つ丁寧に検討し、選択し、意思決定して作り上げていくことができた。

Kさん、限られた時間の中で、不測な若者共を導いてくださって、本当に本当にありがとうございました。式当日は、Kさん率いる葬儀屋さんチームの皆様だけではなく、パートナーである地元のお花屋さん、また仕出し弁当屋さんのお姉様など本当に、多くの方に優しく包みながらリードいただき、会を終えることができました。
自分と血がつながっているわけでもない。なのに仕出し弁当屋さんのお姉様の振る舞いは同じ女性として本当に尊敬でした。
当日さっと私たちの実家へ現場入りし、初めての喪主に取り組む私たちへ、お通夜の受付の流れからお茶だしといった式の作法をさりげなくサポートいただきながら、実家のキッチンへ立って寒い中本当に細やかに動いていただきました。かなり年下である私たちへも本当に謙虚に対応いただいて。発注者が受注者に甘えっぱなしでした。

奇跡だったのは、急なことでしかもコロナ禍なのに、父の兄弟(父は10人中下から2番目なので、皆さん90歳代)が車で3,4時間の距離のところから駆けつけてくださったことです。従兄弟まで9割ほど出席いただいたのではないでしょうか。父の親友(会社関連)のお2人や、我々が幼少時からお世話になっている近所の重鎮の皆様まで。
式場ではなく、父が長く暮らした実家で、静かに、温かくみんなで思い出話を語りながら、檀家をさせていただいているこちらも我々が幼少時からお世話になっているご住職とともに父を送り出せたことは、本当に奇跡的でうれしかったです。


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