78歳の父が急性くも膜下出血で倒れてからのこと(3)1〜2週間
父が倒れて5日後の2018.12.28の脳外科医のドクターとのお話。※ 一般人の解釈です。
手術の経過観察
1. 血管攣縮は防げた(スパズム期乗り越えた)
娘の私としては、ドクターから当日お話があった、血管攣縮の発生を恐れていた。が、具体的にどう発見、対応できるのか疑問に思ったので聞いた。
「手足が動かなくなる」ことで分かる、ということだった。
CTなどのテクノロジーより、人間の目視での発見なのか‥と意外に思った。
倒れてから1週間〜2週間の時期、年末年始はCTや胸のレントゲン、 造影剤をつかった血管の検査など連日、短期スパンで検査をして頂いた。
検査結果では、血腫の状態は良好とのことで、脳室の腫れも収まり、左右対称なのがCT画像で分かった。
今回父は、開頭手術による「クリッピング術」で、動脈瘤の根元をクリップで挟んでコブの中に血液が入らないようにしてもらった。
この手術の利点は、動脈瘤の破裂やその部位での再発の可能性はきわめて低い、つまり、根治する可能性が高いということ。(参考:国立循環器病研究センター)
ただし、頭部を切開し、脳と脳のすき間を利用して行う手術なので、術後に脳神経障害が残ったリ、切開した部分に違和感などを生じたりすることが、まれながらあり得る。また、脳の表面から深い位置にある動脈瘤には、到達が非常に困難な場合もあるとのこと。
2週間以上経過した上で、脳の血管の中にカテーテルを入れて脳血管を治療する必要があるか判断するとのこと。
12/27から、血管をおしひろげる薬、エリルを投与してもらうことでも攣縮を防ぐための対策はとっていた。てんかん予防の薬も打っていた。
2. 水頭症も防げた
脳室の中には髄液という液体が入っている。
髄液は脈絡叢というところで作られる。
髄液は、普段、脳室内を決まった経路で巡り、吸収されるが、この経路のどこかで流れが詰まってしまうと水頭症(参考:脳神経外科沢村先生のページ)になります。
脳内が血みどろなので、うまく髄液が吸収されて脳内が綺麗になるかどうか懸念されました。
3. 後遺症
脳のレンズ核を内方から包む白質部を内包というみたいですが、脳の内包の障害によって起る症候群を内包症候群といって、障害部位と反対側の片麻痺が特徴的症状となります。
うちの父の場合は、左側頭葉が「こわれた」ことで右半身の麻痺が出ました。
ドクターの話では、内包でも内包後脚の方に腫れが及んでるように見えるそうで、内包後脚障害だと、胴体や頭部の感覚障害が加わるっぽい。
また、人の脳の側頭葉には3つの脳回(脳のシワが隆起した部分)があり、その1つが上側頭回(じょうそくとうかい)ですが、父の場合、ここが結構こわれているように見えるそうです。
上側頭回は、いくつかの重要な脳の構造を含んでますが、それは1つは、聴覚性言語野であるということです。2つ目は感覚性言語野であるということ。聞いた言葉を理解ができなくなり、音韻性錯語phonological paraphasiaや、意味性錯語semantic paraphasiaを起こすと言われています。(参考:脳の世界 中部学院大学)
言葉を発する機能を扱う領域も腫れてるって言ってたな。
とはいえ、「神経可塑性」という人間という生命体に備わっている能力が今後どれだけ発揮されるかは、誰にも決めつけることはできないわけです。
引き続き、色々な合併症(※)を防ぐための全身調整を行って頂きながら過ごした急性期でした。
※1: 例えば、足の静脈に血の塊(下肢静脈瘤)ができて、肺に届がないようにしたり、頭で出血がおきると熱が出やすいので、結果的にずっと熱下がるまで抗生物質投与してたり、
うちは気管支弱いので、肺炎も起きないようにしたり、たん吸引、吸入など。詳しくは→「クモ膜下出血後のスパズム期の看護」この記事はイメージをしやすい
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