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移住2年目のプロダクトオーナーが試行錯誤しながら学んだ拠点間コミュニケーションの勘所

こんにちは!マネーフォワード京都拠点にて「マネーフォワード クラウド会計Plus」のプロダクトオーナーをしています杉浦です。

#みんなの移住 国内移住・海外移住 Advent Calendar 2020の7日目として、他拠点とのコミュニケーションについて私が試行錯誤して落ち着いた方法を紹介したいと思います!

最初は移住体験記でも書こうと思ったのですが、やりたい仕事を追いかけてさっと移住してしまったのであまり面白くないのです。(あまりにもあっさり行きますと言うから逆に心配されていたらしいですが...)
ただ移住当初に仕事の不安は間違いなくあって、一番大きかったのが他拠点(特に東京本社)とのコミュニケーションでした。
コロナ禍によってオンラインミーティングも当たり前になってきましたが、去年の時点では本当に手探りで、話しにくくて嫌だなぁと思ったのを覚えています。
そこから2年経ちそんな心配は杞憂だったな。むしろ京都の良いところを享受しつつ、業務を進められているので移住して本当に良かったと思っています。

幸か不幸かプロダクトオーナーはコミュニケーションが多い職種です。
そのせいで拙くとも数を稼いだ経験値から、普段から意識していることミーティング(以下、MTG)をどのように準備〜開催しているのか、お伝えしたいと思います!

自ら発信することを意識する

まず普段から意識していることは、自ら発信することです。
離れていると偶然のコミュニケーションが発生しないんですよね。それなら自分から起こしてやろうというのがここで言いたいことです。

具体的には、周知することつながりを作ることの2つを意識しています。

1.周知すること

知る機会が少なくなったという点では、誰もが同じなんだという気付きから、積極的に情報発信をしています。多くの人が関わる可能性があって、特にハッピーなことは話しても話し足りない。しかも地方拠点なら言わなきゃ気づいてもらえないなんてことまでありえます。それなら、そんな事柄はいっそのこと、全体にドーンと発表してやろうとやっております。

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(こういう時みんなで喜んでくれるのも嬉しいところですね。)


このようなリリース案内は、プロダクトマネージャーとして多くの情報発信をしているFritz | Product Manager @ Mercariさんの小さくても大きくても、チームでリリースしたものは全力でお祝い・がつがつアピール・お客様の声をすぐに共有するという活動を推奨したいを参考にさせていただいています!

2.つながりを作ること

私はオフィス歩いて雑談するのが結構好きだったので、困ったなぁと思っていたのですが、実は話している相手って意外と限られた人なんですよね。
私の場合大体話しているのは、ちょっとした相談をしたい人や同じような悩みを抱えている人でした。

そうかそれなら自分から時間を作ればいいじゃんと始めたのが「相談させて下さい1on1」と「PO輪読会」です。

マネーフォワードは部署関係なく1on1を申し込める文化があります。私は相談したい人、中でも耳に痛いようなFBを返してもらえる人には積極的に話す時間を作るようにしています。(耳が痛いというのは、自分が知らないことを知らないような、そんなことが知れるFB)
隔週か月に1回程度繰り返しの時間をとるようにして、フラッと話したりしていたようなことを相談する時間を作ることに成功しました。

でもそれじゃあやっぱ偶然性は少ないなぁ、同じような悩み持っている人と話したいなぁと始めたのは勉強会です。
同じくPOの後藤くんと一緒に始めた経緯はこちら

地方拠点で同じような立場の人がぱっと見つからないからこそ、自分から企画して皆を巻き込んでいく、そんな動きが大事なんだろうと思います。

ちなみに京都拠点内はDiscordを使ってふらりと話せる環境を作っています。

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ミーティングの準備からクロージングまで

いざMTGを開催するとなったら何をしているか。やりたくなくても仕事をしてれば勝手にやってくるし、やらなきゃいけないのがMTGです。
どうせやるなら効果的に、いやいや、ここでやらなきゃ拠点が離れていると取り返すのが難しい!そんな心意気でやっております。

1.準備

まずアジェンダを考え、皆が見るための資料に落とし込んでおきます。資料の準備に関しては、樫田光 | Hikaru Kashidaさんの資料の準備が無い会議滅びろ委員会を参考によくしています。

資料自体はMTGの内容にもよりますが、簡単なものがほとんどです。私の場合はMURALを使ってボードを用意しておくことが多いです。
2021/5/8追記:Miroに移行しました。

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前提情報や簡単に議題の付箋を貼っておいて、当日の議論が逸れないように簡単な道を作っておきます。

次にここまで作ったら軽くでもシミュレーションしています。私がよく使うのは事前検死(Pre-Mortem)という手法で、こうなったら失敗だなーと失敗するパターンをいくつも考えます。(1) そこから手を打てるものは事前に準備しておいて、事前にどうしようもない、MTGやらなきゃわからん問題は心の準備だけしています。
ちなみにこの手法はチームで使えるワークショップにもなっていておすすめです。
ゲームストーミング ―会議、チーム、プロジェクトを成功へと導く87のゲーム』という本に先のリンク先の翻訳が載っていますので是非!

2.MTG本番

MTGが始まりました。早速用意しておいたボードを画面共有しましょう。この会議をリードするのは自分だと覚悟を決めて話します。
カメラオフ、全員ミュートそんなMTGも時にはあります。そんな時には事前に用意していたボードが手助けになってくれるでしょう。議論が活発になればこっちのもんです。MTGは集団で考える場です。諦めは厳禁、場が温まるように辛抱強く進行していきます

またボードがあると自然と対立ではなく対話へ意識が向くように思います。現実のMTGでも面と向かっているより、ホワイトボードに向かっている時の方議論が盛り上がりますよね。目線が合って、同じ目標に向かって建設的な議論を進めていきます。

もしMURALを使っているなら画面上部のタイマーを活用しながら議論がおすすめ。メリハリが出ますし、MTGがダレることを防げます。

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議論中には、話しながら記録するようにしています。(2)
私がMURALのボードをよく使うのはこの記録をやりやすくするためでもあります。
Google ドキュメントなど使ってもいいのですが、文章のレイアウトに引っ張られてしまうので、私は付箋のほうが好きです。
これは何よりもアイデアが蒸発してしまうこと、議論がそれてしまうことを防ぐためです。(3) これは感覚ですが、付箋だと議論が詳細に入り込むことも比較的少ないような気がしています。

最後に、もし議論が想定と違う方向に行ってしまっても、その流れに身を任せます。想定外ということは、自分の知らない情報が出てきている可能性が高いはずです。慌てる気持ちをぐっと抑え、プロジェクトやプロダクトの成功のためにMTGしているのだから、こいつはラッキーだと、より良い結論を期待して議論を進めます。

3.クロージング

MTGもついに終盤です。議論を終わりに導くために、決まったことの再確認ネクストアクションの認識合わせを行います。
今回決まったことは何か、議論の中で付箋に書いているはずです。改めて認識を揃えましょう。この時のために、議論中に決めたことの付箋は色を変えておくようにしています。

次にネクストアクションを書き出します。
誰が、何を、いつまでに、この認識を揃えると、なんとなくもう一回MTGすることを防げるのでやっています。
もしMTG時間内で認識を合わせないと、何かしらのツールでMTG後にこの認識を揃えないといけません。拠点が離れていたらzoomを切ったらそこで終わり、ちょっとすいませんと声もかけられない。地方で働くからこそ、MTG内で決めきる意識を持ってやるようにしています。

MTG後には、議事に使ったボードや決まったこと、ネクストアクションをslack等の皆の目に触れるところにも流します。なんとなく聞こえる会話から察するみたいなことは、物理的に離れていたらもちろん不可能。誰に関係するかわからないので、基本的に情報はオープンに共有をしておきます。


最後に

思ったより長い話になってしまいましたが、お付き合いいただきありがとうございました。
移住をしたいなと思いつつ不安な方や移住したあとでコミュニケーション難しいなぁと思っている人の助けになればとても嬉しいです。

それではまた!
#みんなの移住 国内移住・海外移住 Advent Calendar 2020
次回は10日のYuka Arimura@MoneyForwardKyotoさんです!

移住アドベント

1. マシュー・サイド, 有枝 春 訳.『失敗の科学』. ディスカヴァー・トゥエンティワン, 2016
2. Jeff Patton, 長尾 高弘 訳.『ユーザーストーリーマッピング』.オライリージャパン, 2015 参考にした書籍には「話して記録」とあるが、話す→記録とステップを踏むように感じる時があるため、リアルタイムさをより感じるように「話しながら記録」と言っていたりする
3. 同上

12/14 noteとamazonのリンク設定を修正し再公開しました

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