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スギタヒロキとTAKUYA(COLOR CREATION)

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スギタヒロキと肩を組む青年は、2018年5月にメジャーデビューしたボーカルグループCOLOR CREATION(カラークリエイション)のメンバーTAKUYA。COLOR CREATIONは5人のメンバー全員が圧倒的歌唱力を持つスーパーグループで、リリースされたシングル、アルバムすべてがTOP10以内にランクインするなど、今大きな注目を集めています。

そんなCOLOR CREATION通称カラクリのTAKUYAとスギタヒロキがなぜ肩を組んで微笑んでいるかというと、2人はなんと実の兄弟なのでした。

地元静岡のメディア静岡新聞SBSが開催した夏フェス「駿府城夏祭り 水祭」にCOLOR CREATIONとして出演した日の翌日、わずかなオフを利用して実家に滞在したTAKUYAにオファーし、実兄スギタヒロキとの対談が実現しました。

全く異なる音楽性、活動スタイルを持つ対照的な2人のインタビューは、思いもかけず家族愛・兄弟愛に溢れる濃密な時間となりました。

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(取材日:2019年8月19日)

「特に公表はしてないけど、ファンの方はTwitterのフォローリストから僕らが兄弟であることを察知してますね」(TAKUYA)

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────まずはTAKUYAさん、「水祭」出演、お疲れ様でした。

TAKUYA:昨日はめちゃくちゃ楽しかったです。5,000人もお客さんが集まってくれたみたいで、しかも暑い中、徹夜で並んでくれた方もいたそうで嬉しいです。やっぱり静岡は自分の地元なんで、ちょっと特別な思いがありますね。

────TAKUYAさんとスギタヒロキさんが実の兄弟という事実は、ファンのみなさんにはよく知られていることなんですか?

TAKUYA:別に秘密にしているわけじゃないですけど、特に公表したりライブで発言したりはしていないです。でも、ファンの方のリサーチ力ってやっぱりすごくて、僕のTwitterフォローリストに「スギタヒロキ」があるのを見つけて、2人とも静岡出身、同じ名字、顔もなんとなく似ているってところから、「2人はもしかして兄弟?」と察知した人がチラホラ出てきているという感じです。

スギタヒロキ:「水祭」の日には僕も路上ライブやってたんですけど、そこにカラクリを見終わったファンの方が何人か来てくれましたね。「このあとひょっとしたらTAKUYA来るかもなぁ」なんて言って長く引き止めしたり(笑)。

TAKUYA:ははは!全然行ってねえし!

スギタヒロキ:「来年のワンマンライブにもTAKUYA見に来るんじゃないかなぁ、前の方のS席座るんじゃないかなぁ」なんつってチケット買わせようとしたり。ははは。TAKUYA来る来る詐欺(笑)。

カラクリとはまったく違う音楽性だし、僕たまにサンダルとジャージで路上ライブやってることもあるんで、TAKUYAファンの人も驚くでしょうね。前に「TAKUYAくんの本当のお兄ちゃんですか?」って言われたことありますもん。「本当の」ってどういう意味だよって(笑)。

「小学校の頃、通学途中、道端に生えているびわの実をむしりとって、にいちゃんと2人でむしゃむしゃ食べてた」(TAKUYA)

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────2人はいくつ年の差があるんですか?

スギタヒロキ:僕が今27で、TAKUYAが25ですね。年齢だと2つ違いですけど、僕が早生まれなんで学年は3つ違い。

TAKUYA:小学校の頃はたまに一緒に通学してましたね。僕はよく覚えてるんですけど、小学校に行く途中、川沿いに生えてるびわの木の実を2人で協力して5、6個むしりとって、むしゃむしゃーって食べながら学校行ってましたね。

スギタヒロキ:ははは!あったなあ。人んちのびわだったのか、野生のやつだったのかはわかんないですけど、結構おいしかったんですよ。

TAKUYA:うん、めちゃくちゃうまかったよね。

────2人は普段なんて呼び合うんですか?

スギタヒロキ:タクヤ。

TAKUYA:にいちゃん。もう1人上に長男がいるんで、小さい頃は区別するため「ひろきにいちゃん」って呼んでましたね。

────小さい頃はどんな兄弟でした?

TAKUYA:2人でサッカーボール蹴ってるか、にいちゃんが何か遊びを思いついて「なあタクヤ、めっちゃおもしろい遊びがあるんだけどさ、やんない?」って付き合わされたり。

スギタヒロキ:うん。「次はこれやろうぜ」ってな。家の近くにドブみたいな川が流れてるんですけど、その両岸にそれぞれ立ってキャッチボールしたり。

TAKUYA:あー!したした。

スギタヒロキ:絶対にボールが川に落ちるんで、そのドブ川に入ってボールを拾って、またキャッチボール続けて。こいつ投げるの下手なんで、だんだんイヤイヤ付き合ってるのが伝わってくるんですけど、僕がまだ遊びたいから投げ続けさせるっていう(笑)。兄の権力を振りかざしてました。

TAKUYA:今でもそのフシはあって、僕がどんなに遅く実家に帰ってきても「おいタクヤ、この人の音楽がヤベえんだよ」っつってiPadで音楽聞かせてくるんですよ。

スギタヒロキ:ははは!

TAKUYA:こっちはめちゃめちゃ眠いから「うん、やばいやばい、やばいねー」ってとりあえず相手して。

スギタヒロキ: タクヤとは昔から仲良くて、一番上のにいちゃんよりタクヤと2人でつるむことが多かったですね。中学とか高校とか、お互い難しい年頃になってもそんなに関係は変わらなくて。

TAKUYA:学年が3つ違うんで、僕が中学入るとにいちゃんは高校、僕が高校になるとにいちゃんは大学って感じで被らなかったんですよ。そうやって被らない分、兄弟としての上下関係がいい感じに保てたまま成長していった感じですね。

「TAKUYAは昔から歌が好きで。実家にいる頃、夜中でもめっちゃでっかい声で歌ってるんですよ。“うっせーな!”と思って」(スギタヒロキ)

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────音楽については、兄弟同士の影響ってあるんですか?

TAKUYA:にいちゃんが19(ジューク)にハマっている時に「タクヤ、これマジでいいから聞け!」って聞かされましたね。歌詞の解説までされて。

スギタヒロキ:わははは!恥ずかしいな。

TAKUYA:「すべてへ」っていう曲の中に、“「はじまり」を待つきみに「これから」の歌おくろう”って歌詞があるんですけど、歌詞カードでは「きみ」は「赤子」って書いてあって。

「タクヤ、この曲はな、これから生まれてくる赤ちゃんに、これからの歌を贈るぞっていう意味があんだよ」って熱弁されて(笑)。

スギタヒロキ:ははは!

TAKUYA:僕もわかりやすく影響されちゃって「にいちゃん、それめっちゃいいね!」って。

TAKUYA & スギタヒロキ:わはははは!

スギタヒロキ:馬鹿な兄弟だなあ(笑)。

────お父さんやお母さんも音楽好きで、家ではよく音楽が流れてたそうですね。

TAKUYA:お父さんというより、お母さんが宇多田ヒカルとかKiroroとかJ-POPをよく流してましたね。

スギタヒロキ:でもお父さんも吉田拓郎とか流してたじゃん。

TAKUYA:ああ確かに。

スギタヒロキ:おまえ吉田拓郎の「リンゴ」歌ってたよな、小学生の頃に。

TAKUYA:うん歌ってた。小1とか小2の頃かな。坊主頭に激太眉毛で。渋い小学生だなあ(笑)。

────TAKUYAさんが音楽を始めたのは、やはりスギタヒロキさんの影響なんですか?

TAKUYA:僕は結構にいちゃんたちの真似をしたり、影響を受けやすいタイプだったんですけど、音楽だけは唯一誰の影響でもなく純粋に好きで、自分から始めていますね。

スギタヒロキ:TAKUYAは昔からすごい歌が好きで。実家にいる頃、夜中でもめっちゃでっかい声で歌ってるんですよ。当時は「うっせーな!」とか思ってましたけど、上京して音楽の専門学校(ESPミュージカルアカデミー)に行くと決めてから、「あ、そこまで真剣に音楽のこと考えてたんだ」って知りました。

────TAKUYAさんはスギタヒロキさんが大学時代に始めた音楽活動をどう見ていました?

TAKUYA:にいちゃんは兄弟の中でも一番人前に出ないタイプというか、ステージや路上に立って歌うなんて考えられないタイプだったんです。だからにいちゃんが大学に行って、一番上のおにいちゃんと同じ軽音楽部に入って、2人でライブがどうこうみたいな話を家でしてるのを聞いた時、「え、マジで!?」って。

スギタヒロキ:ふふふふ。

TAKUYA:「にいちゃん、そんなことすんの?」ってびっくりしたのはめちゃめちゃ覚えてますね。

「ヴォーカリストコンテストの中で、TAKUYAは明らかに抜きん出ていた。グランプリは、まあ当然だよなと」(スギタヒロキ)

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────その後、TAKUYAさんはESPミュージカルアカデミーに入学して、ヴォーカリストコンテスト最優秀賞を受賞します。スギタヒロキさんはこれを当時どんな思いで見ていました?

スギタヒロキ:東京でやった最終ステージは家族みんなで見に行ったんですよ。何百人ぐらいの中から勝ち上がった5人が最終ステージで歌うんですけど、その中では明らかにTAKUYAともう1人の男の子が抜きん出ていて。

だから、結果としてTAKUYAはグランプリ獲りましたけど、それはまあそうだよな、当然だよな、という感じでした。まあ本人にしてみたら相応の努力があって「当たり前じゃねえよ」って話かもしれないけど、客観的にはそんな風に見えましたよね。

僕がもし同じ音楽のジャンルで活動してたら、どんなに一生懸命練習したとしても多分TAKUYAのようにはなれないと思うんで、同じ土俵で音楽やってなくて本当に良かったなと思いますね。

────TAKUYAさんはスギタヒロキさんの現在の音楽活動をどんな風に見ていますか?

TAKUYA:自分がメジャーデビューして、いろいろな経験をさせてもらった上でにいちゃんの活動を見ると「楽しそうだな」っていうのが半分、「でも僕と同じぐらい不安とかあるんだろうな」っていうのが半分です。そこは音楽ジャンルやスタイル関係なしで、多分お互いが思っていることなんじゃないかという気はしてるんですけど。

────「楽しそうだな」と思うのはどういうところですか?

TAKUYA:多分「ソロ」と「グループ」の違いだと思うんです。まずにいちゃんはいつでも好きな時に路上で歌えるじゃないですか。しかも自分の書いた曲、自分の書いた詞で。僕らも曲を書くんですけど歌うのは5人なので、誰か1人の考えたストーリーを5人が思いを込めて歌えるように、表現を少し抽象的にしたり、公約数的なところを狙ったりするんです。そこが曲を書いていて個人的に悩むところではあります。

にいちゃんの場合、聞いている方も「この歌はスギタヒロキという人のストーリーだ」として聞けるから、世界に入っていきやすいと思うんですよ。それはもう、にいちゃん独特の声質だったり、キャラクターだったり、そういうものが相まってだと思うんですけど。

ないものねだりだし、隣の芝は青く見える類の話だというのはわかってるんですけど、そういうのをいいなあって思うことはありますね。

「僕らのゴールはもっと先にあるから、よしもっと上を目指すぞ!という気持ちでいます」(TAKUYA)

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────スギタヒロキさんの方はCOLOR CREATIONやTAKUYAさんの活躍をどんな風に見ています?

スギタヒロキ:メジャーデビューもそうですけど、この前TAKUYAはカラクリ本人役で全国放送のドラマに出てたんですよね(テレビ朝日系ドラマ『サイン―法医学者 柚木貴志の事件―』第1話)。

普通に考えると凄いことなんですけど、思ったよりも冷静というか、興奮していない自分がいますよね。さっきのESPミュージカルアカデミーでグランプリ獲った時の印象に近いんですけど、TAKUYAは普段からあれだけ努力しているし、実力もあるから「まあそうだよね」って。逆にまだまだ行けるっしょ、という感じはしています。

TAKUYA:なんとなくわかります。ドラマに使ってもらえたのはもちろん嬉しいことではあるんですけど、僕らのゴールはそこじゃなくてもっと先にあるから、「やったー!」というより「よしよしよし、ここまで来たぞ」みたいな。多分にいちゃんが言っているのもそういうことだろうと思います。あくまで通過点であって、よしもっと上を目指すぞ!という気持ちでいますね。

「兄弟という一番の身近な存在に、ジャンルは違えど刺激しあえる仲間がいるというのはやっぱり良いですよね」(TAKUYA)

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────スギタヒロキさんは2020年5月30日静岡市民文化会館でワンマンライブが決定しています。それに向けてのメッセージをTAKUYAさんにいただきたいと思います。

TAKUYA:にいちゃんがギターを始めて路上で歌い出した頃、僕はESPミュージカルアカデミーでボーカルを習い始めました。お互いすごく近い時期から音楽活動をスタートしてるんですね。

それがその後、友達数人が来てくれるような初ライブに繋がり、やがてワンマンライブになり、そのキャパも少しずつ大きくなっていってと、2人は揃ってステップアップしてきたという思いが僕の中には結構あるんですよ。

それが来年には、にいちゃんは1,000人規模のワンマンライブ、僕らCOLOR CREATIONも2020年初夏に3,000人規模のワンマンライブ開催が決定していて。お互いがいい歩幅で歩んで来ているのが僕はすっごく嬉しくて。兄弟という一番の身近な存在に、ジャンルは違えど刺激しあえる仲間がいるというのはやっぱり良いですよね。

にいちゃんの頑張りが僕の頑張りになり、僕の頑張りがにいちゃんの頑張りになると思っているんで、にいちゃんのワンマン成功のためにも、僕も次の目標に向かって努力していきたいなと思ってます。

スギタヒロキ:お互いこんな風に言葉にして話すことはないですけど、僕もまったく同じ気持ちでいます。僕の最終目標と、カラクリやTAKUYA個人の最終目標って多分一緒ではないと思うんですけど、自分なりのやり方を貫いて「ああにいちゃん、好きなことやれてんだなあ」というのがTAKUYAに伝わるように、結果的にそれがTAKUYAの頑張りに繋がるような、そんな活動をしていきたいですね。

うん、最後は兄らしくまとめてみました(笑)。

「にいちゃんには言ってないけど、スギタヒロキ実は結構聞いてます。お気に入り曲は『キムくん』『死んじゃった。』『それでも』」(TAKUYA)

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────素晴らしい兄弟愛ですね。お父さんお母さんも2人の活躍に喜んでるんじゃないですか?

TAKUYA:あまり直接は言ってこないですけど、両親めちゃくちゃ喜んでるよね。あれヤバいよね。

スギタヒロキ:うん、あれはヤバい。特にお母さんは周囲に露骨に自慢してますから。絶対に「うぜー」って思われてる(笑)。

TAKUYA:このあいだ静岡のテレビ番組のエンディングテーマにカラクリの曲を採用してもらったんですけど、お父さんその番組を録画してて、わざわざ僕に見せてきたんです(笑)。そういう姿を見るとやっぱり嬉しいんだろうなあと思いますね。

スギタヒロキ:いや、嬉しそうにしているのはこっちとしても嬉しいんだけどさ、嬉しいオーラ出すぎてて、なんか気持ち悪りいんだよね。

TAKUYA:わははは!

────では最後に、TAKUYAさんにスギタヒロキさんのお気に入りの曲をうかがいます。

TAKUYA:にいちゃんには言ってないですけど、実は結構スギタヒロキを聞いてて。一番聞くのは「キムくん」「死んじゃった。」かな。あと、“三車線道路の真ん中を~”っていう曲。「それでも」か。あの曲も好きですね。

────従兄弟の結婚式でスギタヒロキさんが披露したという「結婚式の真っ最中」(アルバム『僕らの時代』収録)という曲はTAKUYAさん聞いたことあります?

TAKUYA:ああ!ありますあります。僕もその場に一緒居て見てましたから。あの日、僕はにいちゃんの前に中島みゆきの「糸」を歌ったんですよ。めちゃめちゃドヤ顔して人の曲を歌った直後に、にいちゃんがオリジナルでしかも良い曲歌ったんで、なんか「俺ちょっと恥ずかしい」って(笑)。

あの曲はシチュエーションにもあっていて凄く良かったですよ。

取材後記 ~2人はやはり生粋のサッカー少年でした~

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取材終了後、幼少期の思い出の場所で写真撮影しましょうということで、2人がかつてよく遊んだ児童公園に向かいました。ブランコにのり、サッカーボールを蹴り、束の間のあいだ童心に帰る2人の姿は実に微笑ましいものでした。

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それぞれに好きなサッカー選手を聞いたところ、スギタヒロキは「断然、ミスターエスパルス・澤登正朗」。TAKUYAは「伊東輝悦。小学生ながらあの運動量はヤバいと思った」とのこと。静岡のサッカー少年らしく、やはり地元サッカーチームの清水エスパルスには強い思い入れがあるようです。

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ちなみにTAKUYAは高校時代の同級生に現在清水エスパルスに所属する石毛秀樹選手がいたそう。

「石毛くんはもう別次元でしたよ。あいつは高校の時からエスパルスでJリーグに出てたから、午前中は体育の授業でフットサルやって、午後は早退してJリーグ行くみたいな生活してましたから(笑)。おまえどんなタイムスケジュールしてんだよ!って」(TAKUYA)。

静岡が生んだ新進気鋭のアーティスト、スギタヒロキとTAKUYA。これからの2人の活躍にぜひご注目ください!

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