なんでもかんでも鼻で解決!?『スニッファー・ウクライナの私立探偵』見所徹底紹介!
※この記事は2018年にAXNミステリー様のご依頼で作成し、「海外ドラマBOARD」に掲載していたものを再編集しています
ウクライナ発・異色の名探偵見参!驚異的な嗅覚と科学の知識で事件を解決する「スニッファー」!NHKでも日本版リメイクが製作されている傑作ミステリードラマを濃いめのイラストとともにご紹介します。
異色の推理ドラマ『スニッファー』!彼の鼻の前に秘密は残らない!
舞台はロシアの架空都市、犬並みに鼻が利く私立探偵「スニッファー」が特別捜査局の相棒たちとともに難事件に立ち向かいます。スニッファーの嗅覚は超強力、その鼻の前ではあらゆる秘密も露わになってしまうのです。一番の見どころはスニッファーの超嗅覚の鼻を使った捜査方法でしょう!
たとえば…
被害者のおもちゃから犯人の飲んでいたドリンクの匂いを突き止める!
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ドリンクの空き缶の匂いから犯人の持病を特定!
↓
この病気の患者がいる周辺の病院を捜索!
…などなど予想外の展開が連続します。そんなわけあるかいな~!と突っ込みたくなることもありますが、俳優さんたちの高い演技力にも説得力があり、テンポ良くサクサク進むのでつい引きこまれてしまうのですよね。細かいことは気にせず、勢いでこのノリを楽しむことをオススメします。
一体スニッファーとは何者なのか、こんなヤツにも相棒が!?
改めて異色の主人公スニッファーとその相棒をご紹介しましょう!
普段スニッファーは相棒のことを「ビクトル」と呼んでいますが、極稀に「ビーチャ」と呼びかける時があります。実はコレ、偏屈なスニッファーがデレる大変貴重な瞬間なのです!「ビーチャ」とは「ビクトル」の愛称、そんな風に呼びかけられたらイイ奴すぎるビクトルは断れません。字幕では表示されませんが、ぜひ注意して聴いてみてください。
鼻が良すぎるのもツラいよ…
またスニッファーの能力は彼自身にとって同時に呪いでもあります。莫大な報酬を得て自前の研究ラボを所有し、一見良い暮らしをしているものの幸せとは言えないスニッファー。別れた妻と子供が何かとトラブルを持ち込んで彼を悩ませます。果たして自慢の鼻で人生の問題を解決できるのでしょうか…!?メインの事件だけでなく、スニッファーならではの家庭問題もこのドラマの見どころです。
【ちょっとした用語解説】
ビクトルの勤める『СБІ』(SBI)は 特別調査局- Special Bureau of Investigationの略。架空の組織でFBIまたはCBI(California Bureau of Investigation)をモデルにしているそうです。
この設定、どこかで観たことがある…と思ったら…!
長身で面長、黒めの衣装に上着の襟の立ち方、まくしたてるように推理する姿、社会に適合できない性格、丸めで高火力な相棒…こういうドラマをどこかで観たことがある…そう!「SHERLOCK」です!
起きる事件、設定など時折オマージュかな、と思うレベルで酷似している箇所があり、ファンとしてはついニヤニヤしてしまいます。シャーロックがやっていたことを鼻で解決している!と見方を変えると一粒で何度も美味しくなります、もぐもぐ。
凄いのはスニッファーだけじゃない!個性あふれる登場人物紹介
オリジナル版『スニッファー』ならではの異国情緒
つい「何かに似てる」というところが気になってしまいますが、オリジナル版「スニッファー」にしかない独自性というものもしっかり存在します。それは何かと言うと…ウクライナやロシア独特の東スラヴ文化情緒です。英語圏のドラマとはまったく異なる情緒を感じられます。ロシアは120以上の民族が暮らす超多民族国家、出演している俳優さんの言語はロシア語でも出身地や髪や瞳の色はさまざま。たとえばスニッファー役のキリル・カロはエストニアの首都タリン出身、ビクトル役のイワン・オガネシアンはアルメニア系ロシア人です(お二人ともロシアでの活動がメイン)。
※ウクライナとロシアは起源こそ似ていますが言語も違うので全く同じというわけではありません。
他にも郊外のダーチャ(別荘)の雰囲気やザリガニ漁(塩茹でにして食べる)、深刻な渋滞、白昼堂々と街中での銃撃戦、市街地でロケットランチャーを放つマフィアの抗争、戦争映画並みの高火力アクションシーンなどなど随所で旧ソ連圏ゴコロがくすぐられるシーン満載です。
※ちなみに2018年現在、ロシアとウクライナは政治的に非常にデリケートな関係にあります。ウクライナでは国に対して不利な活動を行う俳優が出演している作品の上映・放送が禁止されています。
【2022年追記】
2022年に入り、ウクライナ・ロシアの情勢は悪化の一途をたどっています。ウクライナは地理・文化的にも日本から遠く離れており、今回の一件で名前を初めて知ったという方もいらっしゃるかもしれません。ウクライナは『スニッファー』のような上質なドラマを製作することができる、文化レベルが高い国です。ドラマを通じてウクライナを知る一端になれば幸いです。
一日も早く戦争が終わり、ウクライナに平穏が訪れますように。そしてロシアが平和に目覚めてくれますように。
最後までお付き合いくださってありがとうございます。頂いたサポートは今後のイケオジ描きの糧とさせていただき、またイケオジを描いて還元したいと思っております。