夢の話

誰かに話したら正夢じゃなくなるっていう。

あの過剰に薬を飲んでとろんとした目の、半開きの口の、だらしないとかそれ以前の投げやりながに股の歩き方の、そんな元夫が夜中に自分の家の前に立っている。

手ぶらだけど人なんて数センチの刃物でどうにか出来てしまうから、まだこちらが気がついていると知られる前に警察を呼ぶ。

別れた夫が家の前に立っているんです。

別れる前よりずっと解りやすい物言いで、警察もすぐに理解してくれる。だけど何度も確認される。
出動するに足る内容か、通報してきた私の狂言かもしれないから言外に正気を疑われる。それから、場所の確認とか。
実際に通報した時に警察がヤバさを理解してくれるまで何度も繰り返し確認されたから、あの時の焦りが夢に出る。

警察は40分くらいで到着します、と言う。
実際もそうだった。

40分身を守らなくてはいけない。
通報してる間に元夫は家の周りを移動して見えない位置に行った。

私は家に火をつけられたらおしまいだから外に出る。

友達のお兄さんが家の近くに住んでいたことがあり、夢でも同じ状況で助けに来てくれて、やたらと筋肉質だけど元夫を取り押さえることに成功する。

(元夫は私が未遂を止めようとする時、非力な私でも止められるくらい力を出さない。本当は未遂で済ますつもりなので私を完全に振り払ってしまうと困るから。夢でもそれが反映されている。)

何とか警察が来た頃、二人がかりで抑えつけられて勝ち目がないとみたのか元夫は暴れてはいなかった。そんな完全に大人しい元夫を警察は取り押さえもしなかった。いつ暴れだすかわからないのに。

ハイエースみたいな広い車に私と友達の兄、元夫と運転手含め警察が3人乗っていた。

車の中でも話は続く。

元夫は病気だし大人しいのでご家族に引き取ってもらう。ご家族と連絡をとっている途中で、私達は調書を取るのに警察署へ行かなくてはいけない。
何でこんな事になったの?と警察に聞かれて元夫は結婚生活中の私が意地悪だった、病気なのに時々金遣いを責めたと言う。
私はそれに反論する。あなたの金遣いは一般にはたいした額じゃないかもしれないが私達の生活が成り立たないほどだった、貴方の実家は私に丸投げだった、私は元夫が社会復帰出来るまで色々我慢していたのに協力的でなかった…等。
車内で元夫は私に掴みかかった。一人のおばちゃん警察は止めてくれたけど、もう一人のおじさん警察は疾患持ちに反論する私が悪いと吐き捨て、殴らせとけとも言った。

それから私と友達のお兄さんと、元夫は警察署内で分かれ、結局夜も明けぬうちに帰ることが出来た。そして外を見るとまた元夫が、ついさっき分かれる前と同じ、学生時代に一緒に買ったユニクロのパーカーを着た格好でぼんやりと立っている。
やっはり元夫の家族は野放しにしたんだ…


ここで目が覚めた。
夢らしく合間合間は突拍子も無いけれど、節々は実体験が反映されていて怖かった。
括弧内と太字が実際に現実にあったことのかなり忠実な再現だった。

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