龍子

89歳で永眠した母の一周忌は来月ですが、昨夜、過去に投稿していたnoteが見つかりました。

｢龍子の綴り｣

sugi｜note

画像は母の愛猫の故・モモ🐱
そのnoteの写真は全て故・母が撮影したリ撮ってもらったりしたものです。

そう！龍子は母の名前です。

｢たつこ｣ではなく、｢りゅうこ｣と呼びます。

４年前まとめてアップした母の俳句、詩等を久々読んでみたら、(脳、肺)ガンとの闘い、それを乗り越えた時の気持ちを綴っていて、ちょっと痛々しく感じました。

私は母とはよくコミユニケーションを取っていたので、知ってる範囲で書きたいと思います。

私が小学の時に亡くなった優しくて無口だった祖父と、（産みの母は病気で死去）祖母の子が 龍子 です。

母が小学一年生の時に育ての母(私の祖母)と再婚したと聞いています。その祖母は祖父とお見合いで一目惚れ。しかし、和歌山県の医者の娘で元お産婆さん。跡継ぎを望んでいた私の祖母の父が子連れの人との結婚に猛反対したそう。ですが、祖母の母が自分の子の気持ちを察して、どうぞ（私の祖父の所へ）行ってらっしゃいと言ったそう。それが無ければ私と祖母は出会えなかったんですね。私が産まれた時から祖母が100歳まで生きていたので、血が繋がっていないと思った時は滅多にありませんでした。寧ろ80歳で入院するまで、黒い帽子、レースの手袋をする程のオシャレで、社交ダンスも書道(師範)も猫の飼っているアパートで教えてもらった位、素敵な祖母でした。

私の好きだった祖父は、お酒を飲むと眠りながら朝まで歌っていたと聞いています。九州で師範学校の校長先生をやっていて、一時、北朝鮮の平壌へ派遣。日本人学校の校長先生をやっていて、そこで母を産んだので名前を｢龍子｣と付けたそう。母は戦争の最中の小学６年生までそこに私の祖父母と生活していたと聞いています。

母の戦争の体験談を聞いてると、｢アンネの日記｣のお部屋とか、まるでドラマのようで実話。想像以上の命懸け。無事に故郷の日本に帰れて良かったと思うお話でした。

お話では、昔の平壌では平和だったよう。日本人学校に通学していた生徒達はドイツとかの異国からが殆ど。家によく遊びに来ていて、母が子どもながら自分の両親の通訳をしていたと聞いています。それが後程の調布市の手話通訳者派遣の奉仕員の仕事まで行ったんだなと納得できます。当時、手話指導の故･山城先生と近所でご夫婦とも仲良くさせて頂いたそうです。

戦争の最中に私の祖父の故郷の対馬へ帰省。母は祖父の影響なのか教師を目指し東京都世田谷区の寮に住み込み、昭和女子大学へ入学。その頃、対馬にいる父が教えていた同学校の校長先生の祖父に母を嫁にとお願いしたと聞いています。

今日はここまでにして、｢龍子｣の｢龍｣の下に｢耳｣がつくと｢聾｣になると言う事は、両親とも話した事はあります。父はその事を喜んで話していました。私が通学していた聾学校の同級生と違う感じはそこにあります。

昔は｢聾｣と聞くと可哀想というイメージが強く、自分の子どもを｢聾｣とか｢手話｣を隠したがる親達が私の時代ではまだあったものです。

私が生まれてきて、｢龍子｣の｢龍｣の下にある｢耳｣が私で聾者。嬉しい宿命なんですね。

縦書きでは｢龍｣を書くより｢竜｣を書いた方が簡単だからか、母は人と場所によっては｢竜｣を用いたりもしていました。

私の名前、｢杉代｣は、故・祖父が付けました。大変好きな名前です。母が亡くなる前、身体が動けなくなって、｢私を産んでくれてありがとう｣と伝えたら、｢本当にそう思ってる？｣とイタズラ顔で言い返されました。余程嬉しかったそう。

音楽が耳から聞けない代わりに目で見るもの、美術館とか博物館とか行ったり、本とかよく読むとかすると良いよとテナントのお店を持ちながらよく連れて行ってもらったりして私は育ちました。

大学では優秀な成績で母の友人達から、母は凄かった。凄い人だよ。とか、家に遊びに来ていた時によく聞かされました。教養のある母から色んな事を教わったので、尊敬の意で綴った俳句などをプリントして1冊にまとめて母にプレゼント。そして、noteにも公開しておきました。1冊ノートは大変喜んでくれたので、本当に龍子母の娘であって良かったと思います。

生前に、何度も｢ありがとう｣と言っても、面に向かってちゃんと言えない人もいるのではないかと思います。手話の｢私を産んでくれてありがとう｣は言いやすそうで言えない人もいます。そんな人でも棺桶の前で言っても通じるのではないかと家族を見てそう思いました。

母が対馬の学校へ通学時、山道を往復で徒歩約４時間。途中で牛と出くわしたりもするという話も聞きました。私が20歳の時に初めて母と行った対馬は、山が多く、魚も人懐こく、透明なキレイな海、暖かい人達で驚いた記憶があります。

一周忌を迎える今、色々思い出されたのと、長年あちこちで発言したりメモしたりしてきた事をnoteにまとめてエッセイ風に残しておきたいと思いました。

ですので、映画やTVドラマや報道関係などの皆様、誹謗中傷はどうかお控えください。もし内容と被りたいとかの場合はご連絡ください。
何卒よろしくお願い申し上げます。




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