写真は“見たまんまの世界”ではない
本日の記事は、最近Instagramに投稿した作品から。
これは夏に紫色の花を咲かせる、花虎の尾(ハナトラノオ)という草。
背景に映る赤と青の丸い光は、自動販売機のボタンの光。
状況を説明すると、時刻は夕方。
スポーツ公園の花壇にハナトラノオが生えていて、その後ろに屋外プール施設があり、暗くなった建物の中で自販機のボタンが光を放っていた。
これを肉眼で見ると、花の後ろに人工物が映り込んでいるように見えるわけだけれど、
一眼レフカメラで花にピントを合わせれば、写り込みも背景の重要な要素となる。
当然だが、肉眼ではボヤけた背景を見ることはできない。見ようとしたらピントが合ってしまうからだ。
「写真」はその呼び方の通り、見たまんまを写しているものだと勘違いしやすいけど、本当はそうじゃない。
見たい世界、フォーカスしたい世界を表現しているのだ。