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旅の原点〜不安だらけのひとり渡米〜

旅人は生まれた時から旅人ではない。何か特定のきっかけで旅を始め、旅人となる。今回は、私が旅が好きになった原点と、その旅で得た価値を紹介しよう。


旅の始まり

初めて一人で旅をしたのは高校1年生の夏だった。アメリカへのホームステイは、ある意味で一人旅の始まりだった。

ホームステイプログラムは地元とアメリカの都市が姉妹都市を結んでおり、開催されていた。しかし、その年に応募したのは自分しかいなかった。

本来であれば、付き添いのスタッフがいるはずが、空港から1人で出発することを言い渡された。

人生初の海外、初の飛行機、初の一人旅。全てが初めての体験になる。

最寄りの駅なんてない茶畑の田舎で育ち、電車でさえ、1年に1回乗るかどうか。しかも一人でなんて乗ったことがない。
両親やホームステイの担当者は、「不安だったらやめてもいい」と言ってくれたが、私は決心していた。

英語力は中学生レベルで、「This is a pen.」しか言えなかったが、それでも前に進むことを選んだ。

おばあちゃんから最後にもらった素敵な言葉

その2週間は、孤独感に押しつぶされそうになりながらも、多くの出会いと経験が私に勇気を与えてくれた。特に印象的だったのは、ホストファミリーのおばあちゃんと過ごした日々だ。

彼女は日本にも旅行したことがあり、簡単な言葉を使って様々な話をしてくれた。言葉の壁を感じながらも、彼女の話を理解し始めた瞬間、コミュニケーションが上手くできたことを初めて感じた。

別れ際におばあちゃんが「It was  very nice to meet you」と言ってくれた。自分は「nice to meet you」→「初めまして」という意味で覚えていたので、その言葉をなぜ別れ際に言うのかその時は理解できなかった。後から調べて「お会いできてとても良かったです」ということがわかり、なんて素敵な言葉なんだと思ったのと、その際に何も返事ができなかったのが悔しかった。

スポーツは言葉を超えたコミュニケーション

言葉だけがコミュニケーションの方法ではないことも学んだ。中学生レベルの英語しか喋れなかった高校1年生の私はどうしても何か話したいと思い、当時テニス部に所属していたので、一緒にできればとテニスラケットを持ち込んでいた。

そこでファミリーと一緒にテニスをやった。いつも何を言っているかわからないけど、テニス中は常に笑って楽しんでいた。下手でも全力でプレーしてくれるお父さん。常に走り回っている女の子。言葉以外で通じ合えた楽しい時間だった。

帰国後に見えた全く違う世界

日本に帰国した後、地元の小さな町に戻ると、世界が全く違って見えた。アメリカでの経験が、私の視野を大きく広げてくれた。この町も好きだが、もっと広い世界を知りたいと強く思うようになった。その後、大学での勉強、留学、海外ボランティア、そしてさらなる一人旅と、次々と新たな挑戦をしてきた。

インドネシアでのフィールドワーク

最後に

2週間の旅は私を大きく成長させてくれた。不安だから、怖いからと言って挑戦を諦めるのはもったいない。何か挑戦できる機会があれば、不安があっても前に進んでほしい。

その一歩が、あなたの人生に新しい景色をもたらし、旅の原点になるかもしれない。


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