【書籍】「いま必要なのは、もっと〈遅い〉インターネットだ」


こんにちは、Sugenoです!

話題作の「遅いインターネット」を読みました。

「早い/速いインターネットじゃないの!?」

という世間や社会の情勢とは逆の理論がタイトルになるとものすごく気になる!
って心理作用働きますよね

まさにその手法でぐっと惹きつけられるタイトルでした。しばらく経ってからレビューでも読んでから買おうかなと思っていたんですが、やはり我慢できずに購入笑


著者の宇野さんをTwitterでよく見かけたので、脳裏から消せなかったということと、ネタバレ前に自分の目で読みたい!という思いが勝った結果です。



まず、全体の文章構成、言葉選びの点での感想から述べますと、

「毒に痺れた」といった感じです。良い意味です。

注釈なのに本文中並みに語るので、少し読みづらさを感じましたが慣れてないパターンなので脳が追いついていないだけかもしれません。


それ以外はものすごく好物でした笑
現代のネット上に起きる現象を言葉巧みに表現していて、それが刺激的な表現で。素晴らしいです。

僕がマーカーを引いたフレーズをいくつか紹介します。


①Twitter言論者をはじめとする人たちが、TVワイドショーなどで週に一度生贄を定める度に、

どれだけその生贄に対し器用に石を投げつけることができるかを競う大喜利的なゲームに参加する。

言葉選びが完璧すぎますね。まさに今この現象が、TwitterをはじめとするSNS上では起こっていると思います。


②SNSでの発信が当たり前になり、「読む」ことよりも「書く」ことの方に比重がある現代で

なにか社会に物を申したいという気持ちだけは強い人がいまインターネットで発言しようとするとき、彼/彼女はその問題そのものではなくタイムラインの潮目のほうを読んでしまう。そしてYESかNOか、どちらに加担すべきかだけを判断してしまう。

これは僕自身も耳が痛いフレーズでしたね笑
誰しも承認欲求はありますから、世論に添いたくなる気持ちはすごく分かります。


他にもたくさんマーカーしたのですが、この程度に留めておきます。



ちなみに、この本を読むにあたっての注意事項があります。

・唐突にアベンジャーズ エンドゲームのネタバレがくるので、未見の方は気をつけてください!笑

・スパイダーマン  ファー・フロム・ホームのネタバレも出てきます笑


アベンジャーズは絶対にネタバレなしで観てください、絶対に。



少し逸れましたが、当書籍の要点は、

インターネットの普及で民衆は誰しもが簡単に発信できるようになったし、あらゆるニュース、オピニオンが散在している状態である。

今必要なのはそれらの一見民主主義的に見える、タイムラインの潮目を読んで、同調圧力に流されるのではなく、オピニオンに対する検証や議論を行っていくべきだということ。

現代への問題提起そのものが主題の作品でした。


敢えて難解な表現を用いることで、社会や政治への理解がある人以外を寄せ付けないようにしている作品でもあるなぁと感じました。


個人的にはすごく面白かったのですが、読了するのにかなりの時間を要しました笑
普段活字をあまり読まない方は読むのが苦しいかも?


こんなところで今回は終わります!

最後まで読んでいただきありがとうございました!




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