昔の自分に学ぶのだ!

先日、YouTubeにおいて、期間限定で配信されていた古舘伊知郎による一人トークライブ『古舘伊知郎 トーキングブルース』を視聴、そのライブ終盤で披露された「先に逝ってしまった家族や仲間たちの話」に強く胸を打たれ、自らの中で長らく懸念事項であった“同人誌作り”への熱意がまざまざと蘇る。この感情が消滅する前に、やれることをやっておかねばならない。というわけで、先日より過去のブログで公開したテキストを再編集、同人誌向けに手直しする作業に着手しているのだが、これがなかなかに厳しい。何が厳しいって、かつての自分が書いたテキストのクオリティが厳しい。それはもう大変に厳しい。一年・二年ほど前の原稿に関しては淡々と校正作業を行えるのだが、十年以上も前のものになると、もう恥ずかしくて目も当てられない。拙い筆致、浅い考察、どうにもこうにも仕様がない。また、当時の自分が、それらを真剣に書いていたことが伝わってくるから、余計にたまらないものがある。とはいえ、それは当時の自分なりに、なんとか頑張って繰り出した全力投球。安易に書き換えて良いものではない。なるべく、余計な手を加えずに、そのままの状態で置いておく。これもまた歴史である。それにしても、当時は気付かなかった文章の宜しくない点と宜しくない理由が、距離を置くことではっきりと見えてくることに少なからず驚かされる。こんなにも、あからさまに良くないのに、どうして当時は気付かなかったんだろう。否、恐らくは今も、後になって「どうしてこんなことを!」と目を背けたくなるような過ちを繰り返しているに違いない。せめて、せめてこれを糧にして、もうちょっとでも良い文章を提供できるように努めたいところ。それだけでも、この同人誌の制作作業は実りのあるものといえるだろう。例え、これがもし、完成しなかったとしても……いやいやいやいや。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?