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獲物の分け前~牧村憲一「牧村憲一 発言集成 1976-2021」編。

 「獲物の分け前」シリーズでは届いた本を読んですぐアップするものや、ひたすら時間をかけて読んでいるものがあります。
この本は年末年始の最中に入手して、とにかくひたすらゆっくりと読んでいた本ですね。
それだけメチャクチャ興味深い内容です。

・牧村憲一「牧村憲一 発言集成 1976-2021」(N4書房)

 えーと、まず牧村憲一さんといえば、フリッパーズ・ギターを担当されたことで知っている方が多いのかな?

 その前にやっていたノン・スタンダード・レーベルについて調べているうちに、牧村さんの名前を意識するようになった私です。
これまた1987年か、1986年という1980年代半ばの出来事でしたね。
調べているうちに牧村さんが加藤和彦さんや大貫妙子さんのスタッフ・サイドの人だったことを知りました。

 加藤和彦さんのいわゆるヨーロッパ三部作がとにかく好きだった私ですし、大貫妙子さんのアルバムも大好きだったんですよ。
加藤和彦さんが船上でやったライヴのバックアップ・メンバーはキーボードが高橋幸宏さんと岡田徹さん、ベースが鈴木博文さん、ドラムスがかしぶち哲郎さんにゲスト・ヴォーカルが大貫妙子さんだったことを「ミュージック・ステディ」で知りましたから、あれは牧村さん関連だったのかと納得しました。
加藤さんのヨーロッパ三部作にはオリジナル・ミックスとリミックス・ヴァージョンが存在して、オリジナル・ミックスとブックレット付のボックスが発売されたのは、牧村さん仕掛けだったはずです。
アルバム未収録の「ソルティドッグ」が収録されているのと、後にベスト・アルバム『American Bar』や『パパ・ヘミングウェイ』に『うたかたのオペラ』に『ベル・エキセントリック』ではほとんどカットされている(全てではない)佐藤奈々子さんのヴォーカルを聴きたくて買ってしまいました。
そして、牧村さん監修の加藤和彦さん本「エゴ」というのも買いました。実は未だにこの本の付属のCD未開封なのですが(このことをツイートしたら、牧村さん自ら反応してくださってビックリした私です)。

 あ、立川に住んでいた頃、InterFMの「music is music」が日曜のたまたま毎週聴いていた番組の合間に放送されていて、仕事上がりのタイミングということもあって聴いていましたね。
ゲストを毎週迎えるようになってからは既に実家に戻っていたので、牧村さんがアップしていたのを聴きました。

 この本での牧村さんの発言がとにかく興味深いのは当然のことでして、それよりも感動してしまうのは牧村さんの発言を丁寧にたどっていることと、その内容がアーティスト側(例えば加藤和彦さん、大貫妙子さんや山下達郎さんなど)の発言の正しさと補完する内容になっているからです。
学習書並に地味な装丁ですが、それがこの本の誠実さをより強く伝えているように思います。

 日本のロック、ポップスをスタッフ側から見た本は近年色々と出ていますが、この内容の濃さは尋常ではないです。つまりおすすめです。
あまりに感動したので、ある程度懐に余裕ができたら、N4書房さんから買い直すつもりです。もう少し後にはなりますが。。

 牧村さんの本は他にも出ていますが、どれも力作です。詳しいことは調べるとすぐにわかりますので、ひとつよろしくです。

 ではまたー。

 

 

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