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夢との狭間で / SS

しばらく固まっていた。何が起きたのか思考が追いつかない。今見ていたのはありえない光景…あれは、夢…?

次第に目に映る光景はいつもの見慣れた自室の天井だった。そうか、夢を見ていたのか。ここでやっと意識がはっきりしてきた。それでもなお、さっきまで見ていた光景が脳裏にしつこく焼きついている。絶対に、ありえないというのに。

今はもうない、あるはずのない温もりを求めて、私は大きなベッドの隣へと手のひらを滑らせた。ひんやりとしたシーツの冷たさが、全てを物語っていた。

無意識に溜息をひとつ零して、再び布団の中へと身体を包み込ませる。夢の続きはもう見られないだろう。そう思いながらそっと眠りへと落ちていった。

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