本棚と本棚の間に本が収まっている 収まってない/青山祐己

うたの日無冠の短歌を紹介するシリーズ第97回

2022年12月13日『間』の一首

青山さん、リフレインが印象的な歌人です。同じ動詞を繰り返すパターンが特に多いですかね。今回は、「本棚」「収まって」のふたつを繰り返しています。これでちゃんと歌として成立しているのがすごい。

たしかに、本棚の間に本を入れているのは「収まっている」と「収まっていない」のふたつの相反する状態を兼ね備えていることに気づかされます。リフレインが多い分、内容としてはそれだけの歌ではあるのですが、音楽的な心地よさがある歌だなと思いました。音楽のできる方は、リフレインも得意なイメージ。うまくいくと本当にかっこいいんです。

横浜でバー「風凛歌」を経営されていて、YouTubeで日本酒の紹介や、歌声も披露しておられるので、そちらもぜひご覧ください。

多分カフェ 入ったことはないけれど入ってみたいとも思わない/青山祐己

残業をすればするほどなるようになるなるようになってたまるか

夢を見るたびに楽しい夢だって気付いてしまうたびに儚い

三振をしたことのないバッターはいない 私はバッターじゃない

ジョニーって呼ぶ声がして振り向けば俺の他にも二人のジョニー

↑最後の歌、意味がありそうでない感じが桑田っぽくて好きです(ジョニーだし)

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