鏡には髪を切られて若返るわたしと左に回る秒針/RUKA
うたの日無冠の短歌を紹介するシリーズ第99回
2022年10月08日『回』の一首
発見も、組み合わせかたも良い一首だなと思い選びました。
美容院かなあ。実は場面は書いてないので、家とかだと解釈してもおかしくはないんですけど、「若返る」のワクワク感が美容院だろうなと思いました。
鏡では秒針が反対に回っていきます。ということは、鏡のなかでは時間が逆行するはず。その発見を美容院に重ねることで、髪を切って若々しくなる自分という具体的な時間を得ました。過不足ない、見本的なうただと感じます。
上の句のK音の重なり方も自然できれいですよね。全体にも音がきちんと流れていて、発見の歌だから技巧に凝ると嫌みになることもありそうだけど、そういう感じがしないのはいいなと思いました。
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