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私は頭がいいから「香菜」になれない

好きな歌があります。
音楽に愛がある人間ではないので、たくさん好きな歌があるわけではないですが、それでも少しはあります。
その一つが、筋肉少女帯の「香菜、頭をよくしてあげよう」です。

香菜、君の頭 僕がよくしてあげよう
香菜、生きることに君がおびえぬように
香菜、明日 君を名画座に連れていこう
香菜、カルトな映画 君に教えてあげよう

私は頭がいいから「香菜」になれない

主従関係に憧れは実際問題まったくないのですが、男女の関係において「どんな関係性が理想ですか」と聞かれれば、「私は香菜になりたい」と迷うことなく答えることができます。
実際問題として、理解されないのでそう伝えることはあまりないのですが。

頭が悪くて、犬以下しかなくて、それでも生きている「香菜」ちゃん。彼女に「生きることに怯えぬように」名画座に連れて行ってカルトな映画を見せてくれる「僕」。
香菜は「ごめんね、途中で寝ちゃった。ラストどうなったの?」と名画座での映画は最後まで見ることができずに、その上ラストのオチだけを聞くという映画ファンからしてみたら憤慨ものの質問を投げかけます。でも「僕」は、そんな彼女に対してこう続けるのです。

香菜、明日 君を図書館へ連れていこう
香菜、泣ける本を 君に選んであげよう
香菜、いつか恋も終わりが来るのだから
香菜、一人ででも生きていけるように

導かれたいという気持ち

聞いてください、私は頭がいいんです。
いや学歴っていう意味じゃないですよ(学歴でも私より高い男そこそこレアなんですけど)。名画座にも一人で行くし、カルトな映画は自分でレンタルして、いまならアマゾンプライムビデオで見てるんです。泣ける本は自分で探せるし、たくさん本を読んでいるんです。

誰かに教わることって、まだまだたくさんあるけど少ないんです。

教わった本はすでに読んでいて、連れて行かれた映画は3回目なんです。

私は「香菜」になりたかった。
馬鹿な女でいたかった。馬鹿な女になりたかった。
でも馬鹿な女は嫌いだった。

頭がいい女は、馬鹿な女に与えられた権利が与えられないんですか?

教えてください

何も知らない子のように好きなものを教えて下さい。
誰かが好きなものを好きになることが、安心できるものだから。

私の頭をよくしてください。
別に頭がいいから生きることに怯えないなんてことはないから。

実際問題として、もう知らないことはないと思っていた日々、まだまだ知らなかった面白いものに出会わせてもらうことがあります。それが人生の楽しみです。それが人生の幸せです。

もっと私にものを教えて下さい。
物を教えたいと思えるような女の子になりたかった。
なりたい、ずっと。いまでも。

私は「香菜」になりたい。

話は変わって

ちょっと前まで、筋少の好きな曲ナンバーワンは「香菜、頭をよくしてあげよう」だったんですが、最近聞き続けていたら「機械」が好きになってきました。

昔から「頭が良すぎて頭がおかしい男」が好きなんですが、結局はそういうことなんだなと思います。

二人だけの、どこまでも突き抜けた解釈の先へ。世界の解釈。
それが、理想の「関係」なんだろうな。

あなたが残した機械で私は世界を救うから。世界を変えるから。きっとね。
私も世界を変えられるって、同じ月を見上げるときくらいそう思えたらいいな。

面白い本の購入費用になります。