もし社会が無かったら。マイノリティについて考える。

今回の話は日本一かんたんな社会の話②の補足になります。
もし社会が無かったら。

LGBTの話をすると、少数派の意見を無視するのかという声が必ず上がります。ですが、その議論をするためには、まず社会とは何なのかということを考える必要があると思います。
 仮に、あなたが現在一庶民だとします。明日から「もう国も法律もありません。一人ひとり勝手に生きてください」という世の中になったとします。つまり、社会の制度的には縄文時代のような状態です。

そうなったらまず、何をしますか?
国がないのだから、もちろんお金に価値がなくなります。
会社で働く意味もなくなります。
食べ物を手に入れる?気に食わない奴をどつきに行く?欲しかったものを奪いに行く?性犯罪に走る?
行動は人それぞれかとは思いますが、それらを少し想像してもらうと、
全て、基本的に誰かから何かを奪い取ることや純粋な暴力に世の中が染まる可能性が高いと分かると思います。
つまり、社会が無かったころ、人々の周りには安息の地が無かったのだとわかります。

となると、考えるのは自衛ですよね。
特に子どもや弱者を守るための手段が欲しくなる。
そのために何をしますか?
一部の腕自慢は違うでしょうがほとんどの人は自衛と食料、物資の確保につながる小単位での自衛グループを形成、もしくはそこに参加することになるでしょう。
人類は長い歴史の初めから、グループで生活基盤を作ることで、外敵や環境変化から身を守り生き残ってきた生き物です。集団形成は人が生き抜くための基本的な手段といえます。

グループができ、とりあえずの生活基盤ができたとして、では、その次は何を求めるか。それはグループ内の秩序、つまり環境改善です。
グループの秩序を作るとき一番必要なルールは何ですか?
自分が上に立つこと?そういう方は庶民からは少し外れるので、あとはご自分でがんばってもらうとして、一庶民のあなたにとって、グループは強い方がいいですね。でも、暴君は嫌ですよね。
結局、ある程度の民主主義が成り立っているグループ、それが理想になるのではないでしょうか。これは突飛な話ではなく、自分の所属する仲良しグループや家族でも同じことが言えるはずです。時に我慢は必要ですが、ある程度の意見を出せる環境であること。これは人と人が寄り添って生き、みんなが楽しく過ごすためには外せない条件ですよね。
つまり、「ある程度の民主主義」は人が生きていく上で必須の、人間の集団に必ず生まれる根源的なルールといえます。

では、あなたが1万人のグループに属したとします。一般的に簡単にはお互いの顔が見えなくなった人数の集団のことを社会と呼びます。つまり、あなたは再度社会の中で生活を始めたわけです。
ところが実は、そのうちの7%が全体の秩序を崩壊しかねない性的指向を持っていると分かりました。例えば、殺人を快楽とする人が7%いる。これを野放しは困りますよね。でも、それは本人の嗜好であり、それ自体を否定したところで何も変わりません。
そこで、どうするか。社会はルールを作ります。
「人を殺してはいけない。」
何故なら、そのルールが無いと集団の意味=生存のための自衛手段としての集団形成に意味が無くなるからです。
その上で、社会はその人たちの不満が少しでも解消できるように、
その集団の中で殺人映画を作ったり、カウンセラー制度を作ったり、
またスポーツなどなど、違う方向に意識が向かうような環境を作るわけです。けして、その7%のマイノリティの意見を尊重してみんなで殺しあおうとはならないわけです。

そう考えると、社会とは基本的には少数派ではなく、大多数の要望を通すことで成り立つ集団といえます。ここで注意して欲しいのが、多数決でもないということです。
民主主義=多数決という方がいらっしゃいますが、民主主義とはあくまで多数派の意見で方向を決めるという意味で、6対4なら決議は保留するのが本来の民主主義です。最近の選挙のように、投票棄権が多数ならば、本来選挙無効にならないと民主主義とはいえないわけです。

さて、それがLGBT理解増進法とどうかかわるのか。
今現在、世界に7%ほどトランスジェンダーの人たちがいると言われています。もし、その方がたの居場所がないのであれば、それを作るという意味で、LGBT理解増進法は必要なものだと言えます。ただし、大集団を壊さない手段を使ってというのが条件となります。
現状のLGBT理解増進法のように、「少数派の人権を守るために、大多数は我慢してください。」では集団が成り立たなくなるのでダメなわけです。
少数派のトランスジェンダーの人のために、公共の温泉では女性は不愉快な思いをしてください、では社会がなりたちません。

もし本当に少数派の意見を通すことが重要だと考えるのであれば、
LGBTQ+の中に含まれる死姦、獣姦はもちろん、レイプも痴漢なども性的嗜好であり、それらアングラな嗜好を表に出さないとだめですね。
でも現実は表には出さない。その理由は社会的に問題が大きいからでしょう。つまり、集団を維持しようとしているわけです。
となると、やはり現状のLGBT理解増進法のやり方は間違っていて、その無茶を通そうとするからレイプを黙認するような、緊急避妊薬や性的同意サービスアプリが必要になるわけです。

社会集団なので、まずその社会集団を成り立たせることが判断の再優先であり、その基準はある程度の民主主義を続けられるかどうか。
その上で少数派の意見も同時に生かせる社会を目指す。
それが政治なのではないでしょうか。

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