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割れるということ

スマホケースを買い換えた。

二週間ほど前、一角がなにかの拍子に割れた。バキっとではなく、ポロっと取れるような割れ方だった。しばらくして下が続いた。以降、装着はできるけど、ちょっとゆるい状態だった。

ゆるさのあまり、気を抜くとケースからスマホが滑り落ちそうになることもあった。幸い落とすことはなかったけど、結構ヒヤッとする。でも、次第に慣れていき、5回くらい目から”このするっと感、アユの掴み取りみたいだな!”と思う余裕も生まれた。

"俺たちはスマホを持ってるんじゃない。スマホケースを持ってるんだ!"

なんて言ったりもした。

家電量販店のスマホケースコーナーは充実していた。それだけで棚の裏表が埋まるほどの量だった。

iphone用とAndroid用に分かれ、さらに機種の世代ごとに分かれて陳列されたケースたち。スマホが新しくなる度、適応していかなくちゃいけないのか。スマホに振り回されるケース、気の毒だ。

前回来たときは通路から最も見やすい位置を陣取っていたiphone Xs用ケース。今回は棚の端っこで肩身狭そうにしていた。少しさみしそうにも見えた。

それでも種類にして10以上あった。買うのは第一印象ですぐに決まった。でも、上に段から一番下まで、順番にじっくり見ていった。なんとなくそうしたい気持ちだった。

”フタに磁石がついてますよ”
”カードポケットがついてますよ”
”スタンドになりますよ”
”薄くて軽いですよ”

それぞれパッケージに特徴が書かれている。しかし、ほとんどのパッケージに共通していた。つまり、機能的には大差はない。結局のところ、デザインで決めるほかないんだろう。

”iphoneがするりと滑り落ちることはありません”という文句はどこにも見当たらなかった。割れていないのだから当たり前だ。


お店を出てすぐ新しいケースにつけかえた。これでするりと手のひらから滑り落ちることはないと思うだけで満足した。

どこかで見覚えがあると感じたのは、おそらく前の前に使っていたのも似たようなデザインだったからだろう。毎回同じようなデザインのものを選んでいるんだということがわかった。大きさを適応させるだけで良いんだよ、とケースたちに伝えてあげたい。


割れたケースとも今日でお別れとなる。名残惜しい。ケースが割れたということはスマホを守ってくれたということだ。感謝してもしきれない。1年半のお務め、お疲れ様でした。触り心地と上品な紺色がとても気に入ってました。次世代、またよろしくお願いします!


帰り道。割れたものが目に入る。

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割れていなかったら、ほかの何かが割れていた。




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