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副業は「事業所得」となるか?

会社員が副業で事業をするような場合、事業の損失を給与所得等と損益
通算できれば節税となります。事業が「事業所得」となれば損益通算
できますが、「雑所得」となると損益通算はできません。

(1) 事業所得の判定 [令和4年10月改正通達]

・事業所得への該当性は「その所得を得るための活動が社会通念上事業と
 称する程度で行っているか」で判定することを原則とします。
・そのうえで「その所得に係る取引を記録した帳簿書類の保存」があれば
 概ね事業所得とすることとされました。

(2) 所得に係る収入金額が300万円超であるか

・その所得に係る収入金額が300万円以下で主たる収入に対する割合が
 10%未満だと「僅少と認められる場合」に該当します。
・「僅少と認められる場合」は原則「雑所得」となり損益通算できません。

(3) 所得を得る活動に営利性が認められるか

・その所得が例年赤字で、赤字を解消するための取組を実施していない
 のであれば「営利性が認められない場合」に該当します。
・所得を黒字にする活動を実施していないことになるため、損益通算は
 認められません。

(4) 社会通念上の事業

・「事業所得」とするには、社会通念上の事業であると認められる必要
 があります。過去の判例から、営利性有償性の有無や継続性反復性の
 有無等が判断基準となります。
・副業を「事業所得」として給与所得と損益通算する、という節税方法
 は令和4年10月改正通達によりハードルが高くなりました。

 会社員が日常業務を行いながら社会通念上の事業と認められる活動を
 する、ということでないと損益通算は認められないのです。
 高さ1mのハードルを飛び越えよ、と言ってように思えます。


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