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観劇感想:「スリル・ミー」@大阪/成河私と福士彼


◆2019.01.20 16時開演 サンケイホールブリーゼ
◆私:成河 彼:福士誠治 ピアノ:朴勝哲


そこそこ前から知ってはいた演目、スリル・ミー。2016年のルキーニで衝撃を受けて以来はちゃめちゃに推しになってしまった成河さんがキャスティングされたこともあり、体調諸々の心配はありつつ追加公演のチケットを取った、んですよね。


出来るだけフラットな状態で観たかったので、公式サイトのあらすじとPVプラス軽くwikiで元になった事件の概要を読むぐらいにしていたのですが、これが大正解でした。ネタバレ、ぜったい、だめ。ですが観終わった後にはネタバレもコミで話したい!となってしまう、なんとも罪深いやつでした。終演後気が付いたら眼鏡ケース買ってた。ふらふらと。


というわけで、ネタバレもしつつ思ったことを書いていきたいと思います。あまりにもすごかったスリルミー……どうして一度しか観られないのせめてCDが欲しいです……
まずは観劇直後、半狂乱でメモった感想を貼ろうと思います。お外に出すにあたりちょこっとだけ伏せ字をつかっていますが、ニュアンスで読んでほしい。すぐに左右を気にしてしまうタイプのカップリングしちゃうオタクですまない。すべてあくまで個人の主観です。


::観劇直後の感想::

開始すぐ、現在の“私”の受け答え。始まったときに既に眼が少し潤んでいて、その後ちょっと涙が零れたりした。

一番最初の青年時代への切り替わりが、一瞬で別人すぎて最初なにがおこったかわかんなかった。ところでめちゃくちゃかわいい。かわいいかわいいかわいい。

現在の“私”の低い声もすごいかっこよかった。あの歌声はちょっとすごかった。うたがうまい。どういうことだ。

これまであまり福士さんを福士さんと認識して拝見したことがなかったので、福士さんのかっこよさにくらくらした。すげえかっこよかった!あと歌がうまかった。ふつうにうまかった。あしがながい。ちょっと気取ったオレがめちゃこうなんかド○けなんだけど……?って思った。第一印象。

“私”は単純に□めみがあるけど成河さんかわいくて○けみもある……どうしよう困る……って思ってたけど最後にどんでん返されて唖然だった。逆に彼私かもじゃん……やめてもう百合で良くない????????
そう思ってあちこちにスリルミーは百合って書きに行った。行くな。

いやもうほんとオチの話を先にしてもいいか?する。えっ……えっ???????みたいな。えっ……まじ……えっこれ1回だけじゃアカンやん。二周して初めて履修といえるのでは???????
えっマジかーそうかー……いややっぱド□めでド○けでもう百合じゃ

ん????????? 成河さんの演技力がすげえのはしってたけどホントにすげえんだけどなんであのひともっと有名にならないの?ありえへんでしょう。ええええめっちゃ歌よかった。きもちわるかった。かわいかった。こわかった。かわいそうだった。えっちだった。

後半にいけばいくほど福士さんのほうも表情を見たくなって困った。これもまた演技力。いやーーーーーー少年をドライブに誘うところすさまじかったですね。すげえやさしくてあまいこえでとても近付いちゃだめなやつだった。はたからみれば。鍵をちゃりんってするのがすげえこわかった。


舞台からわりと離れてたけど、左端のほうだったけど、傾斜がしっかりしてるからかすごい見やすかった。ありがたかった。最後らへんわりと啜り泣きの声が聞こえたりしたんだけど、回数重ねると泣けてくるんだろうか。ほわ~巨大感情~~~って感じで、泣くというか圧倒されて終始でした。いやすごかったよ本当。なんだあれは????


ライティングが素敵なとこいくつかあったんだけど、ドライブのとこは後ろに車があるのがわかって怖かった。上段が赤くなったところで“彼”が死んだの?かな?


なんかピエタになってませんでした?マリアが“彼”でキリストが“私”ね。体格差がすごいなんか、すごい効果だった気がする。


成河さんは四つん這いになって必死でみじめっぽいのすごい似合うよね。最高。浅ましい感じというか、近寄って欲しくないかんじがすごい。なりふりかまわない感じがすごい。めちゃ虫っぽい。


福士さんはとにかく顔がよくて歌がうまくてえっちだった。あれで○けだったらこちらが嬉しいので○けだったらいいなって思うんだけどどうなんでしょうね。いやいいんですけどねどっちでも。でもすげえマグロだったとこもあるしあれ○けなのでは。


端と端に別れてお洋服脱いでいくシーンがすごくえっちでしたね。右の“彼”が脱いで左の“私”がトレースするように脱いで、みたいに見えた。えっちだった。あのあと子ども殺す話になったんだっけ。えええ。つーかさーーーーーー弟のとこに泊めてもらおうかな!のとこで“彼”明らかに焦りすぎだったのですげえかわいかったね。やっぱ○けでは????


九十九年の歌すごく、はもりがよかった。全体的にどれもはもりがよかった。すごくよかった。お二人の声の混じりかたがとても相性よかったように思う。ピアノもとても不穏でよかった。ピアノ一台、だけで、あんなにもすごい。ドン!ってカバン投げたりするたびにびくってなった。こわい。


眼鏡わざとか~焦ってたのもわざとか~全部仕込みなのか失敗をいい具合に利用したのか、なにもかもわからない。“彼”かわいそうに見えるぐらいわからない。でも“私”のくそでか感情“彼”強火担はめっちゃわかるな!身に覚えがある。僕だけが特別でしょう?って詰め寄りたいよなわかるよ。


スリルミーって歌うのすごい気持ち悪かった。必死すぎこわい。でもわかるよ略みたいな。


“彼”が「レイ」「レイ」って何回も縋るみたいに歌うとこ最高でしたね。数えたかった……というか台本が欲しいよね、せめてね……原語のCD探したら買えるかな。日本語だと塗り替えられちゃうのでいっそ英語がいい。ええええ成河さんでCDほしい……どこにお手紙すればいいの。ところで“彼”は「レイ」「レイ」呼ぶけど“私”は一切“彼”のこと名前で呼ばなくてそれもまた最高でしたね。呼称萌えをこじらせているのでやばいなと思った。基本の演出なんだろうか。


展開は正直ちょっと唐突というかもっとほんとはあったんじゃねえのか話がってところがあったんだけど、それは構成的に回想で説明だからおかしかねえんだよな……期間が短いからエリザベートより違和感つよかったけど個人的には。うーん、自分を指すのに私って書きにくい。思わぬ弊害。


“彼”が“私”を見てくれたら、傍にいてくれたら、“彼”にとっての“私”が重ければ、“私”は穏やかに微笑むし、声はとてもかわいいくなるし、て感じがした。めちゃくちゃかわいかったね……。とてもかわいかった。


全部演技ならほんとにすごいし、状況を利用したならふつうにすごいし、かといって“私”をそうまで駆り立てたのはと考えると“彼”が“彼”だったからというのはあるし、ずっと一緒だったのかそうか……どっちが先かわかんないよな……


“彼”どう考えてもファザコンを患っているし、弟へのコンプレックスも酷いし、でもあれさ、“彼”の家族への加害(父親の職場?への盗み、弟の殺害)を“私”はどっちも阻止しているのでやはり計算ずくなのかな。やばいなさいこうすき。


成河さんの前屈カテコかわいかったね。概ねかわいかった。まねっこ福士さんもかわいかった。手を伸ばして、その手を取って、もよかった。終わらない拍手、しまいにはスタオベ。成河さんが左手首を指でトントンって「じ・か・ん!」ってしてたのはちゃめちゃかわいかった……。


“彼”の手を求めて求めて求めていた“私”が、それなのに振り払うのって、ベタではあるけど効果的ですよね……すげえよかったよ……あと欲しがりすぎだよね“私”でも欲しいよな、わかるよ。だからこそあそこで拒絶することの重さが伝わってくる。“彼”にしても衝撃だったんじゃないかな。うわあもえるう……。


さてここで舞台写真を少し見てみましょうか????もうちょっとあとにすっか。ねえええええええええちゅうしてたんだけどーーーーーーーーーーー!(冒頭のキスシーン思い出すだけで発狂しちゃうよな!!!!)
これが欲しかったんだろ?みたいなこと言ってた。えっち。


ていうか結構長かったね。“私”が“彼”の肘に触れようとしたらパッと終わりで絶対そう来ると思ったって感じだった。そう来ると思ったよ……

お部屋で寝てる“彼”えっちでしたね。いやーえっちだった。カロリー高すぎる。なんだったんだあれは。獄中で“彼”が死んだ事に対しては、“私”は、あの何とも言えない吐き捨てるみたいな言い方は、怒ってたのかな。わかんない。

後ろから抱きつくのすごいやばかったよね……えっちだった。えっちどえっちちょうえっち。いまちょっと写真見た、かっといてよかった。これかっといてよかった!!!!!!!ピエタのとこある!!!!!!福士さんも買っといてよかった!!!!!!!!!!

「同じように殺すことが果たして罰に」云々みたいな弁護士になりたかった、らしいんだけど、あれすごいなんか、そうでしょうねってなった。“彼”かわいそうね。でも愛されていたのは知ってたでしょ?みたいなー。けどなんつうかあれよな、愛じゃないよなと思うんですけど。にしても『君が必要だ』完璧なコピーですね。必要。それでしかない。いやすげえわ。

冒頭の場面で、煙草の火を持ってるかって言われる瞬間にはもう間近に来てマッチ差し出してる“私”さんすごかった。そのマッチ箱をぽーんと投げ捨てる“彼”も大概だった。ニーチェの本でもそれやってたね。とりあえず投げ捨てるよね。ひでえ。それをはいつくばっていくのもひどいね。うーん、すげえ。
炎に魅入られる恍惚の表情よかったですね……赤く照らされて無垢で無邪気できれいだった。というか“彼”はあまりにも普通すぎたよな。いわゆるサイコパスなのはそうなんだけど、それが保てなくなった瞬間、あまりにも脆かったというか。自分でもそんな自分がいるとは思ってなかったんだろうけども。いやこれは私が知ってる最高にすごいひとと比べるなって話だろうけど!


::観劇直後の感想、おわり::


そうなんですよね、スリルミーの二人の関係性男女のブロマンス、野郎の百合、この女たちはやおい……そういう感じの感じという理解をしたので、女性ペアで観たいという感想をちらっと見かけたけど既に百合にしか……?みたいに思ったりしました。これはだからどうというあれではないし、実際に女性バージョンのスリルミもすごく観たいのですが!

そうそう成河さんの“私”はあれだおぞましいが適切かも、と後から思った。ただの気持ち悪さじゃなくて、もっとこう、ぞわぞわする感じが強い。ずるずると這い寄ってくるところとか。あー、あの這いずりかた、かなり爬虫類みがあった。哺乳類の動きじゃなかった。上記だと虫って書いてた。とにかく哺乳類じゃなかった。

ところでいま一番「駆け込み訴え」を朗読してもらいたいナンバーワンだな成河さん、と思ったところで、曲のほうの【スリル・ミー】がJCSの【ゲッセマネ】になんだか被ると思って聴いてみた。マイゴッド、マイロードと連呼するあたりの感じが、こう、なんだかすごく、個人的に。神を求める強さが、“彼”を求める“私”の必死さと結びついたということでしょう、おそらく。

“彼”による弟以外のムカつく奴を殺そうというところ、“私”がすかさず「僕?」と聞いて「僕、以外」っていうところが、ぼくいがい!?なにそのいいかた!!!ってなったんですが、ちらほら感想拝見するに東京ではそうじゃなかったようで……?えっなにそれやばいむしろやばいとなりました、まじか、なぜあの言い方に……いえこちらは大層ありがたかったのですが。呼称萌えをこじらせているので。ところで原語だと実際はどういう風に呼んでるんだろう。

タイプライターのとこめっちゃかわいかった。タイプライターという存在そのものに感じる色気みたいなものと、打ち込んでいる内容の淫靡さがあいまってとてもよかったです。AがBに、BがAに。血の契約ですか……ははあ……。ナイフで“私”の指を切る“彼”しかし自分の指は切らせない“彼”、しかも「前にもやったことがある」的なこと言うのほんとひでえなって思いました。あの瞬間の“私”さんの「なんて?!」みたいな反応メチャハヤでしたね。そりゃそうもなるでしょうけど!“彼”に差し出したハンカチとかもそうですけど、基本的に“私”は“彼”への対応が早いと思うけれど、思い返すにそれは“私”自身が望んでしたい奉仕のときだけっぽい気がする。そういうエゴいの、すごく人間らしくていい。共感もできてしまう。

端と端に別れての電話の場面もすごかった。焦る“私”に対して悠然と構えている“彼”だったのが、状況の変化に応じてどんどん“彼”のほうも気忙しい動きと表情と声になっていくのが、観ている間はオオオすごい迫力と思ったけれど見返せるなら“私”がどうだったかも合わせて確認したい。オペラグラスはクローズアップ出来るのがいいとこですが、全体を見るのは難しい……眼が足りない……

【死にたくない】のところ、動と静の対比がやばかった。死を怖れる“彼”はそれまでと一変しているようでいて、でも根源にはこういう“彼”がいたのが自然とそうなんだろうって思えたのは、ここまでにもちらほらとけして“彼”自身が思っているほどに“彼”は超人でなく、わりかし普通の人間ぽいとろころが垣間見えていたからに思う。弟を引き合いに出されたときのあれそれとかで。もちろんかなり一般的でなく逸脱した思考と性格ではあるのだけれど。


現在の“私”による回想の言葉があまりに淡々としていて、一緒に死ねればよかったのにねえと何度も思った。何かや誰かに強く思い入れてしまうと、離れてしまうことになるぐらいなら一緒に破滅したいって思考になるというの、肌感覚として理解できるタイプだったので尚更。いやーしにたいよねーわかるよー!!!!!!!ざんねんだったね、がんばったのに。

書いてて思い出したというかずっと頭の片隅にあったというか「火をつけた、あなたの責任、最後まで」ってな標語を随分昔に当時通ってた学校で見て、当時もいまもヒュウ!めちゃくちゃ萌えるう!て思ったけど、つまりそういうことなんですよ。“彼”があのマッチで火をつけたのだから、その責任をですねって。私はかなり“私”に入れ込んでる自覚は持ちつつ、そう思っちゃいますね。【やさしい炎】もメロディと歌詞を追いかけては混ざるのすごかった。【九十九年】に繋がっていくのをゆっくり聞き返したいので是非とも今回の公演の組み合わせでCDを……スタジオ収録でもいいのでどうかなんとか……

ううむ。書いても書いても終わらないけど、とりあえず一度どこかで止めないといけない、ので、無理矢理〆に向かう。

とりとめもないし長くなったわりに思ったことを書き切れている気もしない感想だけれど、名古屋での大千穐楽が来るまえに、せっかくなので出してしまいたい。観劇後、パンフとWEBで読める範囲のインタビューや対談などは読んでいるけれど雑誌系は手つかずなので追々集めていきたい。そのうち追記とかもするかもしないかも。とにかく吐き出したかった。

さて、直後の感想でも書いてたんですが、結局あれって愛なんだろうか。わたしにはどうにもそうではないように思える。愛というより信仰や執着に近い気がしてならない。そして崩壊。どちらからの視点にしても、“““君”””が“““必要”””だった独りが二人、のお話だったのではないかな、というのが、いま現在の自分に出来る言語化の限界です。


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