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自傷行為は問題を置き去りにする

スガカオルです。

わたしの症状は変化していきました。
初期にあった症状といえば、リストカットでした。
症状にまみれていたとき、自傷行為に明け暮れていました。

なぜそのようなことになっていたのか?
今日はその時のことを振り返ってみたい思います。

もしあなたが、あなたの大切な人が自傷行為の問題を抱えているとき、わたしの体験が自傷行為の問題のヒントになればと思います。

自傷行為にまみれた日々

母が出て行ったことを知った夜、初めてリストカットをしました。

現実を受け入れられなかったわたしが心を保ちながら日常を送るためにリストカットで心を麻痺をさせ、その傷は「これから生活が大変になるぞ」という負荷の証でした。

実際に生活は多忙を極め、心は不安定な荒波をくぐり抜けるような日々でした。

不安から過呼吸を起こし、保健室で過ごすこともある中で、家では平静を装っていました。
不安な素振りをみせたならば、父とぶつかります。
部屋で寂しさや不安から泣いていたら「そんなに母親がいいなら出ていけ」と言われます。

その中で生きて行くために、助けを呼ぶことが難しい中で自傷行為はわたしの助けでした。

精神科につながるようになると、衝動性が際立ち始めました。

病院に通っているのにすぐに良くならない状況にも、バイトを始めてもすぐに潰れてしまう自分自身にも内心苛立ちを感じていたのでしょう。
不安ばかりで押し潰されそうな日々でした。

そんな不安から逃げるように、自傷行為を繰り返していました。
不安を抱えることに耐えられないと、自傷行為で紛らそうとしていました。

OD(大量服薬、オーバードーズ)や衝動的に車道に飛び出すこと、リストカットを繰り返していました。

今すぐに不安を解消したい、それはこんな気持ちですら抱えられずにいたのです。

「止まらない過食症状は今すぐにどうにかしたくて仕方ない、それが叶わないなら死んでも構わない…」

本気でそう思い、もらってきたばかりの処方箋薬をすべて飲んだこともありました。
そして周りの人に迷惑をかけていました。

浅はかで、人の気持ちも知らずに迷惑ばかりかけていました。

不安を抱えることの難しさ

不安というものは不快な感情です。
不安から怒りすることが苦手なわたしは自殺企図を測ることで、不安を解消していました。

その不安は見えない先の不安や過去の体験による恐怖心だったことにも気がつく隙もなく、衝動的な自傷行為に替えていました。

わたしの自傷行為は不安からの解消行為であり、恐怖心からの脱却でした。

それらの不安を抱えることや安全な解消法などを知らずにいました。
不安を抱え、診察室で過呼吸を起こし、必死に抑えることを練習しながら、少しずつ不安があってもどうにかなるということを学び始めました。

待つことを覚えた日

当時の主治医と過呼吸を落ち着かせる練習をしていた頃、よく言われたことがありました。

すぐに答えを出さない。
保留にすること。

保留ということはそのままの状態にしていることです。
良くしようとも変えていくこともしないでいるままです。

それはわたしの中のありったけの不安を感じるのみです。
しかし、過呼吸を起こしても落ち着くことができるようになりました。

今、振り返ってみると、モヤモヤする状態でいることを耐える練習だったと思いました。
その中でも生活は止まりません。

毎日、日々を生きることに集中しました。
ときには不安を紛らわせるために、移動してカフェに行ってコーヒーを飲んでみたり、ストレッチや筋トレ、ウォーキングをして身体をすっきりすることをやってみたり、できそうなことは何でも挑戦してみました。

すると、徐々に保留にしても大丈夫だという感覚を覚え始めました。
待つことができるようになっていったのです。

待つことを身につけることは、ありのままの自分を受け入れ、不安を耐え忍ぶための手助けになるようなスキルを身につけていくことなのかもしれません。

最初は過呼吸ばかり起こして、解離してばかりだったわたしも、パニックを起こさず、不安を抱えられるようになっていきました。
それは一朝一夕でできることではありませんでした。
長い年月をかけて習得していった練習の積み重ねの日々の結果でした。

それでも自分を変えられるいう経験は自己効力感を生みました。
わたしにもできるかもしれないという自信をつけてくれたのは言うまでもありません。

すぐには良くならないことが多い精神疾患も、変化は必ずできると思うのです。
最初のフラッシュバックよりも今のフラッシュバックに、冷静に対処できる自分がいることに気が付きます。

人は良くも悪くも変化する生き物です。
依存症の自助グループではこんな言葉を使っているようです。
(うろ覚えで申し訳ないです)

「変わるものを変えられる知恵を、変えられないものを受け入れる強さを与えてください」

あなたに変えられるものを変える知恵と勇気が与えられますようにと願っています。


スガカオル

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