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灯りを消してからのお話

じいじ丸の友だちのお父さんが「孫は来てよし、帰ってよし」と言っていたらしい。来てもらったらうれしいけど、お世話は大変なので帰る時もほっとするという意味。

確かに、4歳の柊ちゃんが来ると、小さな竜巻に襲われたようにじいじ丸の部屋は乱れてしまう。画用紙を切った破片が散乱したり、あちこちにレゴが落ちていて踏んでしまって痛かったり、ベッドをトランポリン代わりにしてシーツがクタクタになったり。まあ、困ったこともあるけど、すごく楽しくなることがある。

先日は夜に灯りを消して、ふたりでベッドに入った。消したというのは正確ではない。常夜灯なので、うすぼんやりの光。そうすると柊ちゃんが「虫がいる」と言う。よく見ると小さな虫がいた。近くで見ると、てんとうむしだ。椅子に立って、ぐらぐらしながら、つかまえようとすると逃げ出した。窓のところに行ったので、再びつかまえようとすると柊ちゃんが「見せてー」と言うので、抱っこして近づくと、てんとうむしが飛んで、どこにいったかわからなくなった。

「もう、やまんばの時間だよ」と諦めさせて、再び常夜灯にする。「かぶとむしを飼ってみる?」と聞くと、「かぶとむしとうさぎを飼いたい」と柊ちゃんの答え。それから話は続き「それと、やぎとイヌと馬も飼いたい」と‥‥。「それはもう牧場だね」とふたりで盛り上がる。それだと今のお家では飼えないねー、どこかに引っ越さなくちゃと、「大分とかいいよねー」と夢物語がカラフルになっていく。なんかー、楽しかったな。話が広がっていく感じが。仲がいい人って「話をしていて、どんどん話が尽きずに、広がっていく人」という感覚なんだけど、そんな感じ。

柊ちゃんといると、冒頭の言葉が脳裏をかすめるときもあるけどー。ふりかえると、楽しいメーターは振り切っているときが多くて、じいじ丸としては、いつも大満足です。

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