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思いや価値を伝える翻訳家

ソシオファンド北九州の活動をスタートして、社会課題の解決に取り組む多くの社会起業家と出会うことができました。

それぞれが取り組む社会課題は、身近なものであったり、耳にしたことがある程度であったり、まったく知らなかったというものまで。
そういった社会課題を考える機会を与えてくれる社会起業家との出会いは貴重であり、出会いを通じて社会課題を学んでいくことができるのは、大きな価値があると感じています。

そんな社会起業家の活動ですが、理解されづらいことも多々あります。
それは、取り組む社会課題が、まだ社会的に認識されていないということが多く、そんなニッチな課題の解決には、より専門性の高い経験や知識が必要とされることも。
すると、その課題をなかなか身近に感じることができなかったり、その解決に向けた活動内容が難しそうでとっつきにくかったり。

そうすると社会起業家の活動内容や語る言葉は、その課題に関わったことがない人たちにとっては、理解するのが難しいということが起きてしまいます。

多くの人の理解と共感が必要な社会課題の解決であるにもかかわらず、なかなかそうならない現実。

そんな状況だからこそ、私たちソシオファンド北九州では、社会起業家の語る言葉を、より多くの人たちが理解してもらえる言葉に“変換”するという作業を大切にしています。

例えば、協働事業「びびんこ」では、協働先となる社会起業家を決める選考過程を通じて、しっかりとコミュニケーションをとる機会を作っています。
社会起業家の取り組む課題やその活動内容はもちろん、取り組む事になったきっかけ、活動を通じてどんな社会を実現したいのか、そういったことを私たちメンバーが理解できるまで、時には実際に活動している現場に伺って、時間をかけてしっかりと対話していくようにしています。

その中でも特徴的な取り組みが、協働事業「びびんこ」の最終選考へ向けた社会起業家によるプレゼン作り。このプレゼンは、約2ヶ月間をかけて、社会起業家とソシオファンド北九州のメンバーが、社会課題や事業内容、その活動の意義や価値を、より多くの人に理解してもらえるように作っていきます。
この2ヶ月間のプレゼン作りを通じて、私たちメンバーが理解するだけでなく、社会起業家自身が語る思いや言葉を、より多くの人たちが理解し、共感できるような言葉に“変換”していきます。

そう、この作業は翻訳作業のようなもの。

この翻訳作業を通じて、社会起業家自身の語る言葉自体も変化していき、より多くの人に理解し、共感されるようになっていくことも。

そんな翻訳作業は、その社会課題に直面する当事者、その解決に取り組む社会起業家ではなく、寄り添いながらも第三者の視点を持った私たちメンバーだからこそできることだと考えています。

そして、私たちメンバー自身も、その翻訳した言葉を使って、他の誰かにその社会起業家の思いや価値を伝えていく。
そうやって、少しずつでも、その社会課題を理解し、その課題解決の活動に共感してもらえる人を増やしていくことができたら。

そんなことを考えながら、これからも誰かの思いを翻訳しながら、多くの人に伝え続けていきたいと思っています。

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