初めまして

この時期、雨の後に公園へ行くと、桜の花びらが地面に沢山落ちている。
よく見ると不陸の縁や低い場所、排水溝など、水の流れる場所にたまっている。
普段は透明な水が流れたりする場所なので、意識されにくい。
しかし、この季節には「流れ」が見える様になる。桜の花びらが水の流れをトレースしてフラットに見える部分に「ヘリ」が現れる。そうする事で地形があることがわかる。面白い。今まで見えなかったものが、見える様になる。
僕は大学で講義をしている。建築の学生ではない福祉系の大学生相手に一般教養の様な感じで住空間についての講義である。彼らにとって「建物」とは、まずは「建物」であり、「家」である。建築学科で考える「建築」とは、かなり一般的なイメージとだいぶ違う。

学問としての建築ってどんなものなのか?それを知ってみよう。
みんなが住んでいる建築はどんな歴史を持ってるのか。
社会の変化、地域での違いなど、地域、宗教などと、どう対応してるのか。
そもそも建築家ってどんな人なのか。
水道やガスなどのインフラ
法律、その辺りによって出来上がってるのだよ。快適とは、科学的にはどうなのか?光とはどう言うものか?色とは何か?
などなど色々と住空間をテーマにそれを学問とすることがなぜ可能になるのか?など講義をしている。
建築学生は4年かけて学ぶ事の さわり を半期で講義している。

この講義の目的は二つあって、一つは、「住空間について評価する事が出来るのだという事を知ってもらう事」である。これは福祉などに進むのであれば人が長く生活の基盤とする住空間は、快適であり安全である必要があって、それらがどのように担保されデザインされているのかと言う事をイメージしてもらう為である。
もう一つが「物を見たり考えたりする時に解像度と言うものがある事」を、知ってもらう事である。
住空間には、さまざまな記述や思考、歴史があってその積み重ねで成立してる事、様々な学問が絡み合っていること。これらが、講義を受ける事で『見える」
ようになるのでは無いかと期待している。2つ目の事が結構重要で、あらゆる面で役に立つのでは無いかと思っている。

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