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成人式のプリン

次男が成人式を迎えた。

市から案内が来た時には「行かない」宣言をしていたが
友人の誘いもあり今朝になって「スーツ出して」と催促された。
それ以前に年始早々に「式典参加しない」友人たちから
「成人式の日お前の作った料理食べさせてよ」と頼まれていたらしく昨日は張り切って買い出しに出かけていた。

わざわざ記念になるその日に、まだ半人前のキミの料理なんて…と私が心配になって、なんなら今アルバイト勤務しているバルでお祝いしてきたら?と勧めたが
「約束したから」と。
次男以外は仕事で日中居ないのでお好きにどうぞ!と任せることにした

今朝はカラメルの甘い匂いで目が覚めた。
時計はまだ朝の5時前
何作ってんの?と声をかけたら
「プリンと、いろいろ」と下拵えを済ませたいろいろな料理が冷蔵庫に押し込まれていた

「おひとつどうぞ」とコーヒーを淹れている私にプリンを差し出して
「母ちゃん、ありがとね」と呟く

寝起きからスーツを出したことか
シンクに溜まった洗い物を片付けたからか
その御礼くらいの気持ちで「いいのよー♪」と
能天気な返事をした。

夕方になって友人に料理を褒めてもらえたこと
作った料理は家族分取り分けたから夕食は心配しないでとLINEが来た

こんな日だから張り込んで外食!でもよかったけれど帰宅したらご飯の準備は全て整っていて。
初めて作ったと言うハンバーグもスープやサラダに至るまで文句なしの味だった

食べながら、コップをひとつ割ったよごめんなさい。と頭を下げてきて
お詫びに、と出してきたのは朝に私が食べたのとはまた違う(作り直した)プリン

カラメルは苦味が残り、プリンは私好みの固さだった
娘も、普段はプリンの苦手な長男も
「これ今まで食べた中で一番美味しい!」と大声をあげた

たくさんの人に守られたり守ったり
反発したりひとりで考えたりしながらどうにかここまで来れたのは今日を迎えたキミだけじゃない

私こそ、「ありがとう」だよ。
今日のプリンの美味しさは忘れないよ

おめでとう、大きくなったね。

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