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もう一度 桜

は…はじめまして。
記事と言うほどのこともない雑文で失礼します。

18歳から花の仕事を始めて35年になります(16歳から花屋でバイトもしてたんでそこプラスしたらもう少し職歴長い)

飽きることも弛むことも(おそらく)なく淡々と花を扱う毎日です。

いろいろお話したいこともありますが
今日あった出来事をお伝えしたくて。

今、世間で一番の関心事「コロナウィルス」

私たちの仕事も卒業式やイベントの縮小中止措置を受けてかなりの苦戦を強いられております。

不要不急の外出は避けて!なんて話も出てきました。

私が勤務する花屋は中規模でギフト用の蘭もあり、ご自宅用の切り花も置いてあるのですが

この1週間ほど

「桜、置いてないですか?」と尋ねられることが増えました。

入荷は順調にありますが縮小傾向とは言え卒業・卒園式のピークだったため店頭には桜を出せないまま予約完売となっておりました。

そんな折に、また「桜がほしいんです」
ひとりのご婦人が来店されました

申し訳ございません、今日は入荷がなくて…とお詫び申し上げていると

自宅に足腰の弱った家族がいて
毎年車椅子で近所の公園に花見に行くのを楽しみにしている

年明けから体力も落ちている上に昨今の不穏な出来事もあるので外出できず
せめてもう一度、切り花でいいから桜を見せてあげたいのだ、と。

本日のところはご容赦いただきましたが次回入荷で取り置きをお約束しました。

この方が帰られた後にも近所にある老人ホームの職員さんや、同じように「外出が難しいので」とおっしゃるお客様から数件、桜についてのお問い合わせをいただきました。

今回のこともそうなんですが
地震や台風と言った「天災」がふりかかると「花」は一番先に暮らしから切り離されてしまいます。

それでもやらなきゃ、とか
心を落ち着かせなくては、なんて時には

多くの方に求めてもらえるのも「花」だと思うのです。

季節が巡れば また来年にも桜は咲いてくれますが

今だからこそ必要なのよ!と言う
そのお声に応えられるように

「もう一度 桜」
その言葉を覚えておきます。


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