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年の初めに終わらせたこと

2021年になりました。
新年明けたのだからおめでたい!
またここからスタートだ!
…本来そうあるべき日に終わらせてきたことがあります。

5年続けた「副業」です。
友人の勤務先である高齢者向けの施設で
朝6時から9時までの朝食を作る人を探している、と。

週2日で日中の仕事に支障もないだろうとお引き受けしました
引き継ぎは1回のみ。あとは自分一人で準備から配膳、食器片付けに至るまでを3時間の中でこなす。
…もちろん準備も下膳も間に合わず日中の仕事に遅れた事も何度か。

慣れるまでは大変でしたが、ある程度できるようになれば楽しい時間になりました。
入居者の方々は皆さん穏やかで明るく、互いに励ましあって日々を過ごしておられて
私の実母は少し離れた場所で一人暮らしをしているので、こうした所で過ごすのもいいなあと
キッチンカウンターの内側から談笑される皆さんを見て少し羨ましく思ったりして。


なかには認知症が進んでいく方
体調を崩して入院し、そのまま退去になる方
昨日までお元気だったのに?夜勤ヘルパーさんが巡回時に眠っているように亡くなった方を発見されたり。

いろいろな形の「お別れ」がそこにありました


介護の資格もなく、付け焼き刃で得た知識くらいでは私にできることはごく僅かでした。
「朝食作り」に徹することが私の役割でした。

ところが昨年秋、事態が急変しました。


日中の仕事先で長年勤務していたベテランの方が
退職されることになり
朝食作りの仕事をしている週2日のその曜日に
引き継ぐ仕事が被さることになりました。

頑張ればなんとか継続できたかも知れない
でも、自分としては本業一本に絞りたいと心の何処かで思っていたのでしょう。

調理のことや介護のことならきっと私以上に
できる人がいるはずだ、と。



そちらの退職を切り出したのは既に12月に入っていて所属の長にはご迷惑をおかけしたものの
すぐに後任者が決まり2日にかけて引き継ぎを行い、手製のマニュアルもお渡ししました。
退社日は新任者には荷が重いだろうとの事で1月1日としました。


1月1日、早朝に出勤し
いつもと違うメニューのため慎重に(雑煮の提供なので)
最後の仕事なので丁寧に。
そしていつもと変わりのない挨拶と対応で。

どなたとも「今年もよろしくお願いします」と
言葉を交わしました。
「実は今日で退職です」とは言えませんでした。
…新年から嘘ついちゃったかなあ…


職員のみなさんにご挨拶を済ませて帰宅する途中
どうしようもなく寂しい気持ちになりました。
親切にしてくれた夜勤ヘルパーさん
補助でお世話になった職員さん
私を娘のように扱ってくれた入居者の方々

もうメニューで頭を悩ませることも
苦手な早起きをすることも
時間が足りずに焦って食器を洗うことも

みなさんとわずかな間にやりとりする
「おはよう」や「ありがとう」「ごちそうさま」も
手放しちゃったな。
勿体なかったな。



私はここからまた新たに始めていくんだから。




みなさん 本当にありがとうございました。

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