挙式の飛沫感染、どう防ぐ?気を付けたいシーンはここ!
挙式と披露宴の各場面ごと、そして、新型コロナウイルス感染症に対しての感染経路ごとに、注意するポイントを紹介します。
以前の記事で、新型コロナウイルス感染症には、接触感染と飛沫感染の2つの感染経路があり、感染がおこる「しくみ」を紹介しました。
では結婚式のうち「挙式」の場面では、「どんなシーンで」、「飛沫感染」に注意をする必要があるのか、この記事では考えてみたいと思います。
なお、このシリーズ記事では、あくまで感染のリスクの高い低いを、客観的にお伝えして、効率の良い感染対策の手助けとしてもらうことが目的です。
決して、
・感染の『リスクが高いから、やってはいけない(感染が起こる)』ということではない。
・感染の『リスクが低いから、やってもいい(感染が起こらない)』、ということではない。
これを最初にお伝えしておきたいと思います。
1.密閉な挙式会場
挙式会場は、空けられる窓やドアが少なく、密閉性の高いつくりとなっている環境が多いのではないでしょうか。空気の入れ替えができないということは飛沫が漂うので、これは、感染のリスクが上昇するポイントです。
このリスクを回避するためには、屋外での挙式や、披露宴会場内結婚式の可能性を考慮したり、挙式の参列人数をしぼるなどの対策があげられるでしょう。また、直接的な飛沫感染防止策ではありませんが、挙式時間を短縮することで、ウイルスに暴露するかもしれない時間を短くし感染リスクを低下させる、といった方法も考えられます。
しかし私たちは、例えば電車など、日常生活でも空気の入れ替えが難しい空間で過ごすシーンはあります。挙式会場はたしかに密閉性の高い空間に当てはまるかもしれませんが、参列者にはマスクの着用をお願いすることで、飛沫を飛ばしたり飛沫が体内に入ることを、ある程度予防することも可能です。
また、挙式の時間は参列者同士の会話がない場合が多いため、日常生活と同レベルくらいとして考えれば良いのではないか、という考え方もあります。
2.近い距離の座席配置
挙式会場の座席の配置で多いのは、長椅子に横並びで座る配置、ではないでしょうか。こういった配置の場合、ゲスト同士は間隔を開けずに着席していただくことが多いと思います。そのため、人と人との距離が近くなれば、ゲスト同士で飛沫が飛んだ場合に、飛沫感染が起こるリスクがあると言えます。
「挙式場」
・ 参列者は、隣席との十分な間隔(※)を開けること。
(※)「十分な間隔」とは、1m 以上、可能なら 2m 以上を目安とし、少なくとも隣の席とは1 席程度の間隔をあけることをいう。
公益社団法人日本ブライダル文化振興協会
『新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドライン』より引用
BIAは左右の間隔についてガイドラインで言及していますが、前後の間隔にも注意できれば、より感染のリスクは低下するでしょう。
なお挙式において、ゲストが同一の方向を向いて、横並びに座るという配置自体は、飛沫が飛ぶ方向が前方向であるとすれば、飛沫感染を低下させることができる配置に、元々なっているという事も言えますね。
3.歌うシーン
キリスト教会式では、聖歌の斉唱が進行に入っていたり、最近では人前式でも生演奏やシンガーを取り入れている会場も多いのではないでしょうか。
合唱は大きな声で発声をすることで飛沫を飛ばしてしまうリスクと、また、息を大きく吸いこむ際に、飛沫を体内に取り込んでしまうリスクがあります。
このシーンにおいては、聖歌隊やシンガーなど挙式を行うスタッフ側が、飛沫を飛ばすリスクについては、考えておく必要があると思います。このリスクを完全に無くすのであれは、CD等の音源の活用してゲストには音楽を聴いて頂くように変更すれば良いという考え方もありますが、しかし、生歌は音源とは違った感動が生まれます。
飛沫感染は十分な距離をあけることで、飛沫を、相手まで届かないようにするという対策をとることで予防ができるため、会場によっては、立ち位置を変更することでゲストとの距離を十分にあけたり、例えば、前方ではなく、後方や2階で歌って貰うなどの方法も考えられます。また、ゲストとの間に物理的に飛沫を通さない透明なアクリル板などを設置するなどの対策も考えられます。
しかしキリスト教会式の場合は宗教式であり、聖歌には宗教的な意味合いもあります。一概に中止がベストとするのではなく、事前に司式をしてくださる先生や教会のお考えを確認したうえで、どのような進行とするかを新郎新婦に説明することもプランナーの役割と言えるでしょう。
4.集合写真
挙式の前後に撮影されることの多い、「集合写真」は、人が密集して撮影を行うことが多いため、ゲスト同士で飛沫感染が起こりやすい場面ですね。
BIAのガイドラインでは、
集合写真を撮影する場合は、直前までマスクを着用し、会話を控えてもらうこと。
公益社団法人日本ブライダル文化振興協会
新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドライン』より引用
としています。
これは、通常、密集状態で撮影される集合写真でマスクを外して撮影を行うためには、どうしたら良いのか?を考えて、まさに両立を考えて練られた対策だと思います。
ただ、この方法はゲストの間では浸透していない方法ですから、いかに分かりやすく説明して、いかに協力を得ていくか、が私たちとしては、大切になってきます。
5.まとめ
ここまで、挙式の各シーンにおける飛沫感染のリスクについて考えてきました。
繰り返しとなりますが、挙式は静かに観覧して頂く場合が多く、また、ゲストもマスクの着用が可能なため、感染リスクが高まる限定された場面で対策を講じれば、比較的予防策がとりやすいと言えるでしょう。
次回は『結婚式の接触感染。注意するポイントはここだ!挙式編』です。
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