ラブホで訃報を聞く

見応えたっぷりの、上質な(?)ポルノ映画を2本続けて見に行った。
すんごいボリュームだった。ノート6ページ分くらいメモを取りながら観た。
横に同行者がいる状態でポルノ映画館にいるのは初。なんとなく、この後ラブホ行くんだろな~とは思ってた。2本連続で観てぐったりした我らはとっとと休憩できる場所を探す。※ ここで言う「ぐったり」はもちろんいい意味のね。
「休みたいな」
「とっとと寝転びたい」
どっちにしろ今自分たちがいる池袋はどこも人だらけでその日はもう疲れ果てていた。
2駅隣の巣鴨へ移動することに。

喫茶店とラブホどっちがいい?Your choice! 
選ばせる側(わたし)はずるいと思う。

「巣鴨は池袋と違って面白いラブホあるんでしょ」
そうとも、だから移動した!
世界旅行ができるホテルがある、と伝えると
「行ってみたいな」と乗ってくれる。
かつて昭和のカップルもラブホに行く際このようなやり取りをしたに違いない。

ホテル『エアポート』3度目の訪問となる。世界各国のコンセプトが広がる部屋たちが愛おしい、これからも大事にしたい都内ラブホのひとつだ。
これまではエジプト、中国部屋に行った。
面白い部屋が空いてるといいなあ

オランダ、フィジー、カリフォルニアの3部屋が空いていた。息の合うわたしたちは迷わずカリフォルニアをチョイス。
3時間5000円くらいだったか?(この相手はいつもわたしに金を出させてくれないのである)

カリフォルニアのお部屋はあまりSNS上でも情報が載ってない部屋だったので、これは大収穫!いい部屋だった。ラブホ好き界隈でもなんでもない人とラブホに行く時、その人がわたしと同じように部屋に感動している様子を見るのは本当に本当に嬉しい。

3時間はきっと長い。
ベッドに寝転びながら先程わたしが書き殴っていたポルノ映画のメモたちを振り返る。感想を言い合ったり、舞台になった今は亡き劇場たち、劇中で流れた曲を調べるなどした。

相手が前回のわたしたちのホテルでの話を振り返りはじめて、そわそわした雰囲気が流れはじめる。
セックス直前のあの雰囲気は幾つになっても慣れない。慣れなくていい。

それでもまだわたしに触れてこない相手はいじらしくて愛おしいと思う
彼と親しい友人となって5年程経つがずっとブレることなく優しい。

わたしはまだスマホを弄って調べ物をしている。彼もまたスマホを開いてやりすごそうとした。


「─────── 嘘だろ」
スマホを見ていた相手の口から漏れる言葉。
短い言葉なりにも、その言い方からしてかなりショッキングなことだと予想出来た。
誰かの訃報か?とわたしは即Twitterのトレンド欄を開く。それらしきニュースはなかった。
「どうしたの」
「…いや、ごめん、なんでも」
明らかに動揺が隠せておらず、なんでもなくはない様子。
「何があった?」
「いや、見なかったことに………、ごめん。やっぱ無理」

わたしを気遣い、そのショッキングな出来事をなかったことにしようとしたらしいが、駄目そうだった。
自分を落ち着かせるように彼はゆっくりと話し始める。
休日にいきなり社長から連絡が来て、何か仕事でヘマをやらかしたかと思い慌ててメールを開いたら、
同僚が亡くなったと訃報が飛び込んできたのだった。
2年程一緒に仕事をした、とても良い人だったらしい。彼の絶句っぷりにも頷ける。一先ず心からお悔やみを。

この、ラブホに入って、あと数分後には事が始まっていたであろうこのタイミングで。こんなことがあるのか。
とりあえずわたしたちは寝転んだ姿勢から起き上がって座り直した。通夜は明日早速行われるらしい。

「この、通夜とか告別式が早々に決まってしまうの、嫌だな。毎度思うけど」
「なんか業務的だよな。現実を受け入れられないまま急速に物事が進む感じ」
お互い葬式は6回程経験済みでとっくに嫌気が差していた。

「本当にごめん、雰囲気ぶち壊して」
「君が謝る必要はどこにも無い」

わたしより諸々準備万端にしてきた彼の方こそ「こんなときにこんなのアリ!?」となったはずだ。
彼はぽつりぽつりと、亡くなった人の人物像を語り出す。まだ28歳だったそうで、さほど自分たちと年齢は変わらないと知った時更にショックを受けた。

「しんどいなあ……」
わたしはこの男の泣く姿を見たことがなかったが、その目には確かに涙が滲んでいて、わたしに見せまいと顔を覆っていた。


それを見たわたしは本能的にそいつを抱き締めていた。こう、文字起こしするなら「ガバッ!」ってかんじで。パーマの入った頭を抱え込むように胸元で抱き締める。

驚いたような声の後、そいつは決壊したかのように静かに泣いている。顔は見えないけど。
ごめん、ありがとう、と弱々しく言葉を零しながらデカ男は大人しく抱き締められている。
その抱擁はわたしがいつも仕事で、泣いている子ども相手にやってるものとはまた少し違う感覚だった。

なんて言葉をかけたっけ。
あまりヘタなことは言わずにやり過ごした。
総合格闘技をやっているデカい背中を撫でてやりながら。
抱き締めて彼の頭を見下ろすのと同時に、枕元にLサイズのゴムがちらりと見えた。なんだかマヌケで面白かった。準備万端かい。

それにわたしが気付いているとは露知らず、多少落ち着きを取り戻した彼はゆっくり話し始めた。
「ここが喫茶店じゃなくて本当によかった…」
たしかにもうひとつの選択肢であった喫茶店を選んでいたら、こんなことは出来なかった筈だ。

「こういう時は抱き締めてくれる誰かが傍にいてほしいものだろ」
わたしもそうなので。わたしが泣く時って誰も傍にいないときばかりだけど。

「絶対に死にたくないね」
「死にたくないし、死んでほしくない」
結論:人間、死ぬな。

きっと明日からの通夜・告別式では亡くなった彼を愛した人たちが集まってもっと泣くことでしょう。しっかりお別れしておいで。
わたしの言葉選びは間違ってないかな。
だいぶ落ち着いたようで、抱擁を解いた。何度もお礼を言われた。

「畜生。俺は絶対、あいつの分まで生きてやるし、セックスもするし、ラーメンも食う!」
「その意気だ!」

この後はラーメン食って帰るって決まっているのだ。巣鴨には美味いラーメン屋が結構あるらしい。

「こんな時でも勃起ってするんだなあ…」
「ダハーーーッッッ(爆笑)」
とりあえず、彼は上手いこと切り替えることができたようだ

「風呂でも入るか」
せっかくキラキラの湯船だし時間はまだあるし。
わたしは昨日最高の銭湯に浸かってきたばかりなのだが。2日連続で湯船に浸かれるなんて限界一人暮らし民にとってはすごい贅沢だ。





もうここからは別に書かなくてもよくない????
いる???????
詳細書けと言うなら有料noteにするぞ!!!!!!!!!書くか!!!!!!!!バーーーーカ!!!!!!!!!見るな!!こんなnoteを見るな!!!!!!
有料noteにセクレポ書いて売ってる自分とか嫌すぎる………………


結果的には仲良く風呂入ってその後ちゃんと致してラーメン食いに行きました     これにて閉廷

結果的に致した、けど風呂上がりとかでまた彼は落ち込んだりしてて多少の浮き沈みがあったので前回とは打って変わって苦戦しました   ショックなことがあるとちんちんも落ち込むんやね   ほえ^〜  
でも何だかんだで、装備されてたLサイズのゴムは役目をしっかり果たしたぞ
先月まではめちゃくちゃ普通の良き友人同士だったわたしらだが、先月のラブホ訪問でまさかのそういう流れになったのである。が、その時その場にあったゴムでは奴のブツは収まらずコリァまた次回!となったってヮケ。その「次回」がこんな早く来るとは思わなんだ   彼はご丁寧にこの日は爪まで磨いてきていた。気合い入ってんね〜!!

親しかった同僚を亡くした直後でもセックスできるし射精もできる。結構結構   わたしの努力と忍耐の賜物じゃ
あと、お互い「死にたくねえ〜〜!!!!」と思いながらがむしゃらに体を貪る行為はそりゃ盛り上がるわ!と思った    だから死に際盛りたくなるんやな人間共は、、、、


なんだか我が人生、ここにきて一番性に前向きだな。
女としてというより、ちゃんとノンバイナリーとして楽しめてる感覚がある。いや女役ではあるし別に男役やりたいわけでもないんだけど。なんていうんでしょう。今の最高の自分のまま、ずっと楽しいといいますか…
ありがたいね。皆様のおかげです。
10年後ももっと楽しくなるよね、ハム太郎。


それではこの曲でお別れです。


お粗末!

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