#13 「僕には何もありません」って告白しろよ



手渡された服は
えりの大きい道化みたいなスーツで
ジョン・トラボルタが着ていたのとまったく同じ物
おりしも土曜の夜
フィーバーだ
フィーバーだ
サターデーナイトはフィーバーだ
ジョン・トラボルタの名の下に
俺は踊る殺人鬼となる
ミラーボールに照らされて
俺は踊る殺し屋になる
踊りながらでも殺せるのは
そりゃあステップの踏めない
しょぼくれの、あらくれの
どうしようもない十七歳に決まってる
生ハゲに犯された秋田美人みたいに
癌撃させてあげるから名乗れよ
「僕には何もありません」って告白しろよ
何もできないんです
自分の中に誰かいて、いつか暴れてやるなんて言ってるけどウソなんです
何もできないんです
ただ途方に暮れるばかりです
これではまるでソフトビニルのビグモンです
ガラモンにさえなれません
殺して下さい
ねえあんた踊りながら殺しておくれよ
ヘイミスタートラボルタ!
ダンスが上手ね
プリーズ・ミーのヘッドをミラーボールとチェンジして
キラキラ輝く、魚のウロコのテラテラ光るミラーボールで
僕の全てをまわしてください


___大槻ケンヂ『グミチョコレートパイン  チョコ編』第4章 サタデーナイトフィーバー  より

今まで読んだ本や観た映画の中の好きな一節たちをまとめて本にしたい欲がすごい。やりたいことは増え続けても、もうわたしの長期春休みはあと半月もせず終わる。これだけ時間があったのに、わたしは何者にもなれず更にいえば人間的に劣化した状態で来月には新社会人とならなきゃいけない。ここにきて虚無だ。日に日に虚無の渦が脳を侵食してわたしをただの根暗人間にしていく。

また神たちに縋り始めた。この時わたしが縋るのはリアム・ギャラガーではなく、モリッシーとマリリン・マンソンだ。今のわたしにリアムさんは眩しい。モリッシーはわたしの中の虚無や絶望といった感情を500を超える言葉で包み込んでくれる。マリリンはわたしの代わりに凶暴性を剥き出しにしてくれてわたしを原点回帰させる。

なあ、神のいないおまえらはどうやって正気を保っているんだよ。どうやって自分の中の醜い部分を抑制しているんだ?おまえらはスターになりたいとか、神様になりたいとか思わないの?軽く言いやがって。結局皆自分が一番可愛いくせに傍観者でいようとしやがる。もっと自己中心的になって嫌われちまえよ。何が推しだよ軽く言いやがって。もっともっとおまえは汚いくせに、無理して綺麗な言葉なんて吐いてんじゃないよ。狂信者にもなれないおまえになんか価値はない。おまえみたいのが溢れかえってちゃ世界はおしまいだ。


久しぶりに電話した母に「あんた自分が思ってる以上に影響されやすい人間なんだから、変な宗教とかハマらないでよ」と最近言われた。母はわたしが3人の神を崇拝していることを知っている。そして「同じ次元に存在していない、実態がない神」を崇拝する連中を見下しているのを知っているはずだ。わたしが跪きたくなるのは手の届かないところにいるスターで、手の届くところにいる生命体には絶対に依存しないという確固たる自信がある。安心してくださいお母様、どうしてわたしが宗教になぞ入りましょう。わたしは同じものを信仰する連中と群れるのは実は大嫌いなのです。わたしは「同化」できる連中を嫌悪している。その身近なコミュニティの中でわたしだけが狂信者でありたいのです。
こう考えるとわたしはオタク的用語でいえば充分「同担拒否」の素質を持っているのかもしれない。

信仰心というものについて議論する気はないが、わたしの信仰傾向は「この人になりたい」に集約される。「この人のようになりたい」ではなく「この人になりたい」である。わたしも誰かの神になって信仰されたいのだ。成人式から2年経った今でもずっとこの理想は消えることはない。
神になりたいという理想は中二病的思考として片付けられがちだ。なあ、その哀れな中二病患者を嘲笑う貴方様は「神になりたい」って思ったことないわけ?あるだろ絶対。自分にもそんな痛々しい思考が実は付き纏っているから、紛らわすために、自分と向き合うのを避けるためにおれたちを馬鹿にするんだろ。欲望を剥き出しにしてるガキみたいな奴らのほうがずっとずっと利口だし信用できるよ。
愛する人の細胞やらなんやらを自分に取り入れて、その人と同じになりたいとか思わないの?そこまで愛する対象を見つけられていない?あ、なんかこの話してたら映画『アンチヴァイラル』思い出した。

中二病を引き摺るのは結構だが、結局何もできてない奴が大半だ。「グミチョコ」はそれを再確認させてくれた。そうです、わたしは憧れだけは一丁前で、ただそれだけで何もできちゃいないのです。何者でもない、といったら嘘になるかもしれないけれど、結局のところ神と出会ったあの時からわたしは成長していないのかも。神になれないなら、せめて狂信者になりたいのだ。どれだけ引かれようが構わない。ありふれたものになるくらいなら死んでやる。神を信仰していた自分の記憶を「黒歴史」と簡単に3文字で片付けてしまうような連中には絶対にならない。


ああひねくれた性格なんて一向に治りはしない。
そろそろ書くのをやめる。
深夜テンションってこわいね

さて、では今宵はこの詞でお別れ致しましょう。


親愛なるスーパースター 
貴方のためなら何でもする 僕は一番貴方が好き 
僕の愛こそ誰より一番 僕は 僕は 貴方が欲しい

親愛なるスーパースター 
僕の崇拝をお解りですか 
大きくなったら貴方みたくなりたい 
貴方の首を掻くことも出来る 
貴方をちらりと横目で流し 
鼻で笑ってそれきりもいいか

貴方を愛したい 貴方のところに飛んでいきたい 
祈りに答えてくれますか 貴方の女にだってなる 
この体を裂いたっていい 親愛なるスーパースター 
ものにできないなら殺す

Marilyn Manson- Mr.Superstar
< https://www.youtube.com/embed/TUEWmaL4U1s  > 

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