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人が一番嬉しいときは、人を助けたときと人に助けられたとき

今回のテーマは「旅人が旅先に還元できるギフトとは」

いち、訪問者である旅人が旅先に還元だなんて、そんな大層なこと、できるのでしょうか?

旅人に限らず、すべての人が誰かに何かをするとき、相手のことを深く考えれば、世の中にもっと幸せが溢れるだろうなと思います。今回は私の実体験をもとに、「ギフト」についてお話します。


これまでの当たり前が通用しなかった例

突然ですが、私はLINEを活用したマーケティングの仕事をしています。マーケティングといっても幅広いですが、売上向上・顧客管理・自動化などが、LINEでは実現でき、これまで担当したアカウントの7割は「売上向上」のために、LINEを活用しています。

以前、ある地域において、そのエリアの観光スポットの周遊を促すポイントプログラムをLINEに実装しました。「周遊を促す=そのエリアでお金を使ってもらい、再訪したくなるよう促すこと。」

すなわち、「売上向上」に近く、そうであれば、売上が上がるほど嬉しいはずだと考えました。これまでの感覚で、「アクティブな参加者数は多ければ多いほどいい」と思い、クライアントに提案内容を話しました。

しかし、そのエリアは人口が少ないため、キャパを超える参加者がいても対応できないという話を聞き、私はハッとしました。他のクライアントなら嬉しいことも、相手が違えば嬉しいとは限らないということ。

当たり前のことが、頭から抜けてしまっていました。長々と仕事の話をしてしまいましたが、旅人が旅先に何かギフトを贈ったり、還元する時も同様ではないでしょうか。

人を助けることで出会った、はじめての感情

先日、笑点のオレンジ色で有名な林家たい平さんの落語を聞く機会がありました。

たい平さんの落語家になるまでのお話だったのですが、その中で心に残ったことばがあります。今回タイトルにもしていますが、「人が一番嬉しいときは、人を助けたときと人に助けられたとき」です。

これまでの15カ国ほど渡航経験のなかで、たくさんの出会いがありました。思い返してみると、人に助けられたときのシーンは、今でも鮮明に思い出せますし、心があたたかくなります。

「人に助けられたとき」に嬉しくなるのは想像できますが、「人を助けたとき」の嬉しさとはなんだろうと考えた際、タイでの出来事を思い出しました。

当時は、タイにあるタオ島という島のダイブショップ兼宿泊施設に1週間弱滞在していました。朝と夜ご飯はその宿のレストランで食べることが多かったのですが、働いている現地スタッフは朝も夜も同じで、かなり若そうに見えました。

タオ島全体の価格帯としては、外国人が利用するような飲食店や宿泊施設は、日本とあまり変わりません。現地の方が利用するようなお店は、やはり日本と比べると物価が安いです。

最終日に、1番お世話になったホールスタッフに感謝の気持ちも込めて、チップを渡しました。その時の彼女は、心から嬉しそうな顔をしてくれて、私の心まで温かくなりました。

人間だれしもお金は好きですし、もらえたら嬉しいと思いますが、彼女たちにとってのチップの価値は計り知れないんだろうな、と感じた出来事でした。

チップをスタッフに渡したことで、ことばでは言い表せられない、なんだか不思議な気持ちになりました。助けた、というと恩着せがましいですが、人にしてあげたことで、自分も嬉しくなるなんて、みんながハッピーで素敵ですよね。

この経験から、相手が本当に「もらったら嬉しいもの」を相手の置かれている環境や状況をもとにプレゼントすることが、本当の意味での「ギフト」であると私は考えます。

相手の真意を知るために必要なこと

相手を知ること。その人自身のことはもちろん、その地域の文化や環境、歴史などを知ることが「相手を知る」一歩だと思います。とは言っても他人のすべてを知るなんて不可能です。

勇気を出して、旅先でも地元の方と「コミュニケーション」をとり、少しでも相手が本当に喜ぶことを探ってみましょう。

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