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くちなし、あのひとは蜘蛛を潰せない、骨を彩る、怪物の木こり、シングレ11巻

出社が増えたので、電車にのるモチベを上げるために数冊買った。
この前友人と電話していて高校生時代の話になり、現代文の模試で出た物語が面白くて模試なのに普通に楽しんじゃって、続きが気になってその本を買ったことがあるという話をした。

それが『神様のケーキを頬張るまで』という彩瀬まるの本だったんだけど、実はこれ以外読んだことなくて。
せっかくなので他にも同じ作者の本をいくつか読んでみようかなと思い立った、ので読んだ。

くちなし 彩瀬まる

短編集。ファンタジー寄りの話が多くて世界観が突飛なやつは慣れるまで少し難しい。でも世界観は明らかに現実じゃないのに、描かれる感情は見知ったものばかりで、リアルで生々しくて、そのギャップがいい。世界が幻想的であればあるほど、反転してグロさがあると言うか。
表題の「くちなし」かなり好き。殴り込んできた不倫相手の奥さんの腕を可愛がるシーン、めちゃくちゃ色っぽくてよかったな…
「愛のスカート」もいい。古民家の描写とか、どうあっても自分を好きになってくれない身勝手な男と振り回されて虚しくなる女の関係、好みすぎる。

あのひとは蜘蛛を潰せない 彩瀬まる

これは長編。主人公の考え方が非常にシンパシーというか、「身体の外に絶対的な正しさがあると信じてる」「みっともない自分になれない」みたいなのはずっと私も苦しんできたことで、それをこんなにぱっきりと言葉にできるもんなんだと思って、怖かった。これがぶっ刺さる人は多いだろうなあ。
途中から吐きそうになりながら全部読んだ。でもラストは優しくて良かったし。面白かった。

骨を彩る 彩瀬まる

これは短編集。
いっこいっこどっしりくるような重たさがある。登場人物たちがちょっとずつ重なっているんだけど、短編ごとに視点が変わって、それぞれ印象が変わるように作られている。嫌なやつと思っていたのが、裏の事情を知ってそうも言えなくなったり。そのたび「やられた!」と思って、みんなのことを好きになる。
「ばらばら」「指のたより」が好きかな。死んだ人のことを思い出せなくなって、自分に都合の良い何かになっていって、でも探してしまって、伝えたいことがあって、でもそれはぜーんぶ叶わないのをどうしようもなく叩きつけられるのが、さびしいね。
死は意外と当人じゃなくて周りの問題だから、これはカリスマの伊藤ふみやの言葉ですけど。

最後の「やわらかい骨」も好きだった。
このちょっと遠巻きにされている子とふとした共通点で仲良くなるんだけどクラスでは話しかけにくくて…でも私は他の人とは違ってこの子のことを嫌ってるわけじゃなくて…でも確かに嫌われる理由はわかるんだよな、それをやめたらいいじゃんって不意に安全圏から言ってみて、それで傷つけたりして…みたいなの。
あるあるだけどこんなに解像度高いの、凄い。

怪物の木こり 倉井眉介

サイコパス殺人鬼vsサイコパス弁護士withサイコパス医師。
ミステリーを読んでみたくて、昔のこのミスから探してみたんだけど、これはイマイチだった。ストーリーの展開は面白かったし、キャラクターも良い味出してたんだけど、終始話がフワフワしてて……もう少しリアリティがあった方が好きかもなあ。サイコパス医師くんが可愛かったね。

ウマ娘シンデレラグレイ 11巻

わたしとにかく武豊とスーパークリークの逆指名エピがすきで

逆指名エピとはヒーロー列伝のこれです

このさ〜〜!あの天才の武豊を引き留めて「どこへ行くんだ」「自分と一緒にいればいいじゃないか」ていうの、あんまりにも萌えすぎる。天才を天才にした馬、とかいうキャッチコピーも凄いよ

この時代に競馬好きだったらぜったいここのコンビの話しておかしくなって萌え死んでた

そしたらさ

逆指名やんけ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!袖クイも再現されてる。ウワーーー

逆指名を丁寧に焼き直されて死んだ。奈瀬トレ、ちゃんとクリークに救われていて、そしてクリークも奈瀬トレを信頼して彼女に救われていて、お互いに恩を返しあっている、しかもお互いに自分は相手に救われてばかりだと思っている、やつ。
相互不理解相互救済システム(何?) すきすぎるたすけて〜〜……

クリークと奈瀬トレ、永遠に幸せであってくれ。

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