活動終了のお知らせ


猛暑の毎日でございますが、いかがお過ごしでしょうか。

平素は大変お世話になっております。スーダンの齊木隆太朗です。


長きに渡るスーダンでの活動サポートありがとうございました。今年度の日本語能力試験(JLPT)の中止が決まり、スーダンでの活動を一時中断して日本に帰国する決断を下しました。以下に経緯を書かせていただきます。



2019年にスーダンは30年に及ぶ軍事独裁政権が民衆の手により打倒され、政治の民政移管が行われてきました。米国による経済制裁とテロ支援国家指定が解除され、国際経済への復帰を果たしました。大きなマーケットが解放されたことで外国企業がこぞってスーダンへの進出を狙う中、日本企業も1歩遅れながらもスーダンへの進出を狙っていました。

日本企業が進出してきた際に、両国に貢献できる人材育成、日本とスーダンを繋ぐためにスーダンの大学で日本語教育を行うため2020年2月スーダンに渡りました。


しかし、その道は多難の連続でした。世界中で流行したコロナウイルスの影響で大学が閉鎖し、授業再開は大幅に遅れてしまいました。コロナ以後の経済の失速はすさまじく、大学教授は賃上げを要求し、度々ストライキを決行してきました。そして決定的な出来事は2021年10月に起きた軍事クーデターでした。1か月間インターネットが遮断され、毎日銃声が聞こえる日々が続きました。

民政移管を止めた軍事クーデターの影響で日本政府は、クーデター政府への援助打ち切りを決定しました。日本語教育を行うために申請していた補助金もクーデターの影響で打ち切りとなってしまいました。


そんな危機的状況の中でも、今年12月に日本語能力テスト(JLPT)を開催することを目指し、大使館と大学とで協議を続けてきました。しかし、昨年10月から続く軍事クーデターに反対する抗議活動が現在も続き、死者が100名を超えるなど情勢は安定しないことを理由に開催は中止となりました。さらに、物価高騰が止まらず生活がままならなくなっている現状を鑑みて今回の帰国を決断いたしました。


皆様からのご期待に沿えない結果となったことをお詫び申し上げます。

しかし、幸いなことにこれまでの活動が評価され、在スーダン日本大使館より在外公館長表彰をいただくことになりました。


この表彰は皆さまと共にいただいたものであり、誠に感謝申し上げます。

今の形でのスーダンへの関りは終わりになりますが、また別の形でスーダンとの関りを続けていきたいと思っています。

しばらくは暑さが続くようですので、健康にはお気をつけください。

皆様からの温かいサポートは、日本に憧れを持ち、日本に留学する夢をもつスーダン人の若者が日本語を学ぶ活動に使わせていただきます。