アラフォー上海留学日記【112日目】
6/17 月
部屋のテーブルに北朝鮮行きツアーの案内が入っていたことに気づいた。1日ツアーで790元(約1万6000円)、2日ツアーで1280元(約2万5000円)。朝鮮側の汽車に乗って入国するという。羨ましい。
「きわめて専門的でレベルの高い子供たちのパフォーマンスを見て、かわいい子供たちと記念写真を撮って、彼らに記念品を贈れます」と書いてあるのがいたたまれない。
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バスで地元の朝市である伟豪市场へ向かう。今日も暑い。バスの中も暑くて、早くもしんどい。しんどそうにしていたのに気づいてくれたのか、目の前に座っていたマダムが、あそこ席空いたわよと教えてくれて人情味を感じる。朝市に向かう途中で、ひまわりの種製造機と路上床屋を見かけた。
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昨日からさくらんぼを売っている人をよく見かけるが、丹东の名産なんだろうな。あとブルーベリーも。朝ごはんをたべたかったが生鮮市場のためごはんを食べるところがあまりない。室内の施設でニラたまごパンみたいなものを2元で買った。うまい。
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強い太陽光にくらくらしてきたので早々に撤退。市場の外でも、路上で魚介を売っている人がいる。この暑さで生ものをそのまま売る胆力よ。バス停の近くの映えスポットで、ガールズが代わる代わる写真を撮っているのを見て気を和ませる。
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120系統のバスがなかなかこず、日陰で待っていたもののもう限界。空車と表示されたタクシーをつかまえると、すでに助手席に人が乗っていた。それでも乗せてくれそうだったので行き先を伝えたところ、何やら聞き取れないことを言われ、うしろの道でつかまえたほうがいいと断られた。
その後、ようやく来たバスに乗ってしばらくして、目的地と逆方面に走っていることに気づいた。うそだろ、けっこう体力の限界なんだけど…乗り間違えるほど思考力が鈍っているということにも危機感を覚えた。
商業施設の前で下車し、即座に中で涼む。ローソンで飲み物とおにぎりを買って、とりあえず朝ごはんだけは確保。
近くのバス停に移動してみたが、なかなかバスは来ず、しびれを切らしてタクシーに乗った。やはり助手席には別のお客さんが。ああこれ乗り合いタクシーか。
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助手席のお姉ちゃんの家の前に着き、お姉ちゃんが去ると、運転手さんに韓国人?と聞かれた。日本人だと告げたところ、日本語で「わかりますか?」と言われてびっくり。昔、少しだけ日本語を勉強したんだそうだ。降りる際にはさよなら、と言ってくれた。
バスを乗り間違えてしんどい思いをしたけど、結果的に乗り合いタクシーを経験できたし、運転手さんもいい人だったしよかった。
チェックアウトぎりぎりまでホテルで休んで、いざ出発。丹东站はこぢんまりとしているが、軽食屋が2つとお土産屋兼便利店があり、沈阳南站より過ごしやすい。貸本スペースもあった。ローソンで買ったおにぎりを食べる。買うときは気づかなかったが、丹东米使用。
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今日の電車はふつうのシートだ。リクライニングもできる。行きに乗った6人がけのテーブル席はいったいなんだったんだろう。
おじいが私の席に座ろうとしていたので、待って、そこ私の席〜!と止めた。おじいはレシートみたいな紙(切符代わりのなにか)を出して、この席じゃないの?と首をひねる。小さい文字で印字されたシート番号は2つ前の席を示している。あなたの席は3Aです、あそこ、と教えると、ああ、あれか…とサクッと去っていった。席バトルにならなくてよかった。ほっ。
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向かいのホームにいた绿皮车と同時に発車。あっちも沈阳行きみたい。
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しばらくは農村の青々とした光景が続く。山もあり、赤土が覗くこと以外は日本の植生に似ている。農村実験中学という学校を見かけ、ここで育つ若者のことを想像した。山間の駅、南芬北站でヤングがたくさん乗ってきた。沈阳に遊びに行くのだろうか。
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あっというまに沈阳南站着。今日は路面電車に乗りたいので、行きと違う経路で空港に向かおう。とりあえず途中まではバス。だが、このバスがなかなか来ないうえに太陽はカンカン照り。暑すぎる。
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通り過ぎたバスの混雑状況と、窓を開けている様子を見てゾッとした。エアコンつけてないの? いまの体力であのバスに乗るのは無理だ…と絶望しかけたところでようやく来た目当てのバスは、エアコンつきかつ空いていて、心の底から安堵。
バスから見える沈阳の街では、建物続々建設中。みんな同じ箱型で共産圏っぽさがある(またはオランダっぽいともいえる)。「マンションヒルズ」と書かれた一帯もあった。
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降りるはずのバス停をスルーされ、えっなんで!?とうろたえたあとハッとした。各停留所にかならず停まる上海のバスと違って、下車ブザーを押すシステムだったのだ。そういや丹东のバスもブザーはなかったような。降りる素振りを見せると停まってくれるという謎システムだった。
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しかたがないのでひとつ先の停留所で降り、歩いて路面電車の駅へ。駅を見て絶望した。広い道路のど真ん中、遮るものがなにもなく、ただひたすら太陽光を浴びるためにあるような拷問に近い場所。まじか。
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とはいえ、百度地图情報では8分間隔で来るらしいし、頑張ってみるかと8分耐えた。来ない。来ないじゃないか。おととい沈阳の空港に着いたときに、東北涼しい〜とか言ってたはなんだったのか。35度だよ、35度。暑さで体中がゆだってくるようだ。
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これはヤバイ、熱中症になる、と道路を渡って日陰に移動し、あと5分待って路面電車が来なかったらタクシーにしようと決意。だが今度はタクシーがこない。ちょっと路面電車に乗りたかっただけなのに、なぜこんな目にあわねばならぬのだ。なぜ。
そうこうしているうちに逆方面の路面電車がきた。これはもしかしてと淡い期待が押し寄せる。その数分後、ついに遠くに目的地行きの路面電車の姿を認めた。
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粘り勝ちだ。こんなに粘ることではなかったかもしれないし、粘りたくもなかったが。なんとか乗り込み、日陰とエアコンのありがたみを噛みしめる。涼しさに体力が戻ってくるのがわかる。よかった。運行速度があまりにノロノロしているので、気持ちも和んできた。
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でもこのノロノロ速度と不便な駅、空港利用者にとってほんとうに便利なんだろうか?と考えているうちに空港着。
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バーガーキングでエネルギーを摂る。生野菜がうれしい、マヨネーズがうれしい。そういえば、軽い飢餓状態に陥っていたウルムチの空港でもマクドナルドに感動したっけ。バーガーキングもマクドナルドもボイコット中ではあるが、背に腹は代えられぬ。
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搭乗口についてからはのんきなもんだ。お湯を汲んでお茶を淹れ、ゆっくり本を読むだけ。出発間近の便にて、搭乗口に現れていない乗客が3人いるようで、激しいアナウンスが続いている。名前を呼びながら最后! 最后!(最終アナウンスです!)とほぼ怒鳴り声。どこの誰だか知らないが、急いで。
機内に乗り込む前、なぜだか東京に帰るような気持ちになった。春秋航空のペラッペラのシートを見て、ああ違う、上海に帰るんだと認識。もしかして、東京に帰りたいのかな。まだ上海にいたいと思っていたけど、東京が恋しい気持ちもわいてきたのかもしれない。
機内では、せっかく窓際の席にしてもらったのに、離陸までのあいだに寝落ちしてしまい、沈阳の景色を見ることができなかった。今日はさすがにつかれたもんな、しかたない。
上海に戻ってきた瞬間に蚊に刺された。1時間以上地下鉄に乗っているあいだにシンさんに日課の作文を送り、学校に着くころに届くように外卖を注文。地下鉄が日常への接続装置としてこのうえなくスムーズにはたらいている。
丹东のホテルのシャワーの100倍ましな宿舎のシャワーを満喫し、東京に戻ったら我が家のシャワーに感動しすぎてどうにかなってしまうのではないかと想像した。ビール飲んで外卖食べて寝る。青島ビールのなかではこれがいちばんうまい。
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