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3ヵ月のお絵描き練習内容

・始めに

まず最初にお伝えしたいのは「すだちは絵の才能があっただけ」と思われている方がいるかもしれませんが、そんなことは一切ありませんという事です。

むしろ学生時代絵を描けるようになりたくて、同じ部活で絵が上手かった内山君に「どうしたら上手くなれるの?」と聞いたところ「描いて描いて描きまくるしかないよ」という一言しかアドバイスをもらえず。(冷たくね?)

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こんな感じの落書きをノートの端っこに訳も分からずちょこちょこ描いては消すということを繰り返していました。(この絵はデジタル勉強前にアナログで全力を出して描いてみた絵です)もちろん線画も色塗りもしたことありません。

そのうち小説を書くことの方がたまたま上達し始めてからはそちらに傾倒していき、それ以来10年以上絵を描いていませんでした。

ただ、小説を(一応お仕事をもらえるくらいには)上達でき、社会人経験を通して今思うのは、絵に限らずどんなものに対しても「無駄な努力は無いのかもしれないけど、効率という意味で正しい努力と正しくない努力は存在する」ということです。

スポーツもそうですよね? 正しくないフォームでいくら練習をしてもなかなか上達しませんし、場合によっては変な癖が付きかねませんし、怪我にも繋がります。何かの記事で読みましたが、何かが一流の人が他も一流なことが多いのは「正しい努力の仕方」を知っているからだそうです。(私が一流とかそういう話ではありません)

そして最近また「絵を描けるようになりたい・・・今ならばいけるのでは・・・?」という欲求と謎の自信から描いたアナログ絵を投稿したところ、絵師さん達に褒めていただき(社交辞令とか言わないで)舞い上がった私は「本気でもう一度絵を勉強してみよう」と思い立ったのが今回の経緯です。

3ヵ月目に絵師さんとやり取りしていた時に「絵はある程度のレベルまでは才能じゃなくて技術なんだよね」と言われました。私も今回本気で勉強してみて実感しているところです。

私の努力の仕方が正しかったかどうかは分かりませんが、上達っぷりに驚いていただけた方が多かったので、恐らくは「正しくない」ということは無いのかと思います。まぁ人それぞれ合ったやり方もあるでしょうし、正解は無いと思いますが、私の様に「絵を描けるようになりたいけどどうしたら良いのかさっぱり分からない」といった方に少しでも参考になれば良いなと思い私が3ヵ月やってきたことをここに書きます。

・描き始める前に

絵師さんに「デジタルの方がいくらでも修正できるから上手くなりやすいよ」というアドバイスを頂いたので、早速その翌日タブレットを購入しました。結果これが本当に良かったのでお勧めです。(学生さんはお金厳しいかもですが・・・)手元で描きたかったのでwacom oneという液タブにしました。(奥様この機種クリスタの全機能が半年無料で使えるんですって)

また、ダラダラ描いてても上手くなれないと思ったので、自分自身に3ヵ月という期限を設けました。3ヵ月全力で真面目に勉強して、ある程度自分が納得できるレベルまで成長しないようならもう絵を描くことは諦めようと思っていました。

そして1か月目、2か月目、3ヵ月目にはその時の全力の「模写では無い絵」をアップしようということを決めていました。

・1か月目

描いていた時間 仕事終わってから2~4時間位 休日は4~8時間位 ほぼ毎日 ただどうしても描く気が起きない日は鴨見カモミ先生とさいとうなおき先生をメインにYouTubeのお絵描き講座動画を見ていました。

これとか描き始める前に見ておくと絵を描く時の心構えができるかもです。

そしてまず私が最初にやったのは、デジタルのやり方はもちろん、ちゃんとしたイラストの描き方すら分からないのでまずは鴨見カモミ先生のこの動画を見ました。

一つ一つ段階を踏みながら描いている工程を実際に見て学べたので、最初にこれを見れたのは大きかった気がしています。

そして絵師さんから「模写が上達の近道」「模写をして同じ構図で好きなキャラの絵を描くのが良いよ」というアドバイスを頂いていたので、早速この動画の絵で実践しました。右も左も分からずでしたが、パソコン画面に拡大表示した元絵と必死ににらめっこしつつ、デジタルの使い方を検索しつつ頑張って修正に修正を繰り返し描いた初模写がこちらです。

カモミ先生模写①

右手は当時どうしても描けなくて諦めました。模写ではありますが、ちゃんとラフから描き始めています。「え? さっきのアナログ絵から急に上手くなってないか?」と自分でも思いましたが、目の前にプロのお手本があるわけで、何度も修正しながら真似してるんだからそりゃ当たり前ですよね。今見れば模写元とは似ても似つかない絵だし下手ですが、それでも当時の自分は「上手く描けた!」とめちゃくちゃ興奮したことを覚えています。

そして同じ構図で田中ヒメを描いてみました。

田中ヒメ①

一度模写で描いている分意外とすんなりと描けました。思っていたよりも上手く描けて自分でも驚きましたし、今でもお気に入りの一枚です。

こんな感じで一か月目は「模写を描いて、模写と同じ構図で別のキャラを描く」という事をひたすら繰り返していました。以下模写の一部です。

ナナチ

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ここで一つ重視していたのは模写元の絵を「これなら模写できそう」で選ぶのではなく「この絵すげぇ! こんな風に描ける様になりたい!」という基準で選んでいました。そしてどうして「凄い」と思うのか「何に心を動かされたのか」を観察し、今できる全力で真似をすることを心がけていました。(これ今月か先月くらいのさいとうなおき先生の動画でも同じことを言っていたのであながち間違ってはいないようです)

また、たまたま皆さまからリクエストを沢山いただけて、色々な絵柄を模写できたのも今思うと大きかったと思います。

そして一か月目で描いた田中ヒメと構図元となった模写です。

全力ヒメ

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1か月で模写8枚、模写では無い絵を5枚描きました。

・2か月目

絵を描いていた時間は1か月目とほぼ同様です。

2か月目に入るにあたりテーマを決めました。実はフォロワーさんから「すだちさんの絵ってパステルカラーだよね」と言われたのですが、狙ってやってるならともかく狙っていないのにそう言われたので驚きました。どうやら基本的に淡い色ばかり選んでしまう癖があるようです。

そこで2か月目は「色(塗り)を勉強する」をテーマにしました。

早速「色使いが凄い!」と思う模写元を探して描いた模写がこちらです。

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めっちゃくちゃ時間がかかってめっちゃくちゃ疲れました。

今まで私の中で線画>塗りって勝手に思っていて、塗りは「なんとなくそれっぽい色をバケツで塗って影と光っぽい色でそれっぽく塗ればよくね?」と思っていて、使っていた時間も線画の方が長かったです。でもこの絵はラフと線画はさらさらっと描けたのですが、そこからの塗りが地獄でした。私の技術が全く追いついていない為、そもそも脳がどうやって塗っているのか理解が全く出来ないという状態で、少しずつ少しずつ塗り進めましたが、初めて途中で心が折れるかと思いました。服のしわとかも全部塗りで表現しています。

今なら「レイヤー変えてスクリーンで・・・」とか「乗算で・・・」とか思えるのですが、この模写は全ての塗りが1レイヤーという「そりゃ大変だわ・・・」って塗り方をしてしまっています。具体的に言うとこの塗りでゴールデンウイークが溶けました。

ただこの模写がめちゃくちゃ勉強になり、塗りに対する意識が一気に変わったのを覚えています。

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そしてこの本を購入して読みました。

塗りに対する考え方(レイヤーの合成、拡散、本影と陰の違い、反射光、リムライト等々)が大変勉強になりましたし、今でも困ると開いています。

そして御伽原にはまっていたので2か月目は御伽原江良を描きました。好きなMVを一時停止してそれを元に描いています。

とにかく淡くならないようにという事を意識して「少し派手になるくらいで良い」と思いながら描きました。

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2か月目では模写2枚、模写では無い絵を2枚描きました。塗りに時間がかかるようになった為ペースは一気に落ちました。

・3か月目

描いていた時間はある程度完成するまでは今まで通りですが、そこからは毎日数十分~1時間位でした。理由は後述します。

まず3か月目のテーマは「目指す絵の方向性を決める」でした。

絵師さんから「塗りの方向性を決めたほうが良い」「お手本となる先生を決めたほうが良い」等アドバイスを頂いたので、pixivで自分が最終到達点として設定するイラストレーターを探しました。見つけて良く調べたら画集を出している方だったので早速ポチリました。

「何が凄いのか」を舐めるように観察しまくっております(現在進行形)

そしてもう一つ3か月目は「1か月かけて集中して全力で、妥協を一切無くした絵を1枚描こう」と決めていました。

目標とした方の塗りを真似したり、今までやってこなかった色ラフや合成レイヤーを勉強して実践したりしながら、大体2週間である程度は完成しました。

普段でしたらそのままツイッターに投稿するのですが、そこから熟成肉よろしく絵を寝かせました。自分のスマホのロック画面に設定し、日中時間があれば眺め、修正点を探し出し家に帰って修正するという事を繰り返していました。また、修正のみではなくハイライトの入れ方を勉強し光の当たっている髪や服が光っているように見えるようにしたり、フレアスタンプを勉強して入れてみたりと少しでも絵の情報量を増やし、初見での印象にインパクトを持たせるよう努力をしていました。

そして最終的に描きあがった絵がこちらです。

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いかがでしょうか。3ヵ月前まで落書きみたいな絵しか描けなかった自分がこれだけ描ける様になれて少なくとも自分では満足しております。(まだまだなのは自覚しておりますが)

私の場合物語(小説)で絵師さんとコラボしたりしていた為、絵師さんとの繋がりがあったため比較的アドバイス等頂きやすい環境にあり、そこは恵まれていたなと感じております。

でもきっと本気で取り組んでいれば誰かがアドバイスくれると思います!人の本気って伝わりますし!(多分)

この記事を見て「私も本気でやってみよう!」と思っていただける人が一人でも居たり、誰かのヒントになったならば幸いです。

最後に

やって良かったなと思ったことを羅列しておきます。

・デジタルから入った

何度も言っておりますが修正がめちゃくちゃ楽です。

特に目とか大きくなりすぎたり高さがおかしくなったりし易いのですが、投げ縄ツールで選択していくらでも大きさや位置や角度を変えたりできるのはチートだと思いました。いくらでも修正してしっくりくるところを探せますもん。

あとキーボードにショートカットを登録しているのですが(1キーに鉛筆、Cキーに一つ戻る、4キーに消しゴム、といった具合に)        描く→上手く線が描けなかったらCキーを押して戻す、描く→途中まで上手く描けたら4キーを押して消しゴムにし、気に入らないところを消して1キーを押して鉛筆に戻し続きを描く

みたいな作業を左手でショートカットキーを押しながらやると高速で何度も何度も修正できるので単純に作業が早まります。なので常に左手はキーボードの上に置いていました。一発で綺麗な線なんて描けてたまるか・・・(そして手ブレ補正機能ありがとう)

あとXに左右反転を登録しているのですが、描いては反転し描いては反転しでバランスが崩れていないかをひたすら確認しながら描いていました。

・SNSに発信をする

絵は基本的に描いたらツイッターとpixivに上げていました。単純に反応がもらえるとモチベアップに繋がるからという事と、アドバイスがもらえることがあるからです。

ただ模写の場合は著作権的なところもあるので良く調べて自己責任でやるようにお願いします。

私も一応調べましたが、日本が2次創作に寛容な文化であること、模写と明記すればまず問題にはならないこと(そもそもpixivには#模写のタグがある)で白よりのグレーであるという判断で、注意されたら辞めようと思いつつ投稿していました。

・色ラフ

最後の絵で初めてやったのですが、思ったよりも良い効果がありました。よく言われる「色を塗ることでバランスがおかしいところが見つけやすくなる」「完成図を想像しやすくなる」といった効果はもちろんですが、私が一番大きかったのは「線画で心が折れそうになった時に色ラフを乗せて心の回復ができる」でしたw

カモミ先生も言っていますが線画が一番心折れやすいです。でもそんな時色ラフのレイヤーを呼び出すとあら不思議!「意外と大丈夫かな・・・」と思えました。とにかくやって損は無いなと思いました。

以上です! 最後までお付き合いいただきありがとうございました!