ブラッシュアップライフを観たよ
どうも、ゆるラクゴプロデューサーのイエモトです。
毎週ゆるい落語みたいなショートストーリーをつくって遊ぶPodcast番組を配信しています。
最近連ドラで流行りのタイムリープモノの回など、死ぬほどお暇な際にでも聴いて下され!
はてさて、タイムリープモノといえば、というわけで、やっとこさ観ました!
ちょうど一年前くらいに放送されていた、バカリズムさん作、安藤サクラさん主演の連ドラ「ブラッシュアップライフ」!
面白いらしいと気にはなっていたものの、観る機会を完全に逸しており、年末の再放送も見逃し、あぁッやってしまったーッと思っていたら、普通にNetflixで配信されていることに気づき、今に至ります。
結論、マジで面白かったです。観てよかった。
ストーリー自体の面白さもさることながら、リアルなガールズトークのずっと聴いていられる感じとか、随所に散りばめられたバカリズム流の悪意とか、浅野忠信の無駄遣いとか、全部ひっくるめて最高でした。
そして何よりも心を掴まれたのが、そもそもの設定として、安藤サクラさん演じる主人公の近藤麻美が私と同じ平成元年生まれというところ。何度も平成元年に戻り人生をブラッシュアップしていくわけですが、その度に平成の懐かしいグッズや音楽やワードのオンパレードで、ほぼ致死量の「平成」を、麻美の人生をなぞりながら浴びせられます。その解像度の高さも相まって、私の人生そのものをフラッシュバックしているような感覚にすら陥るのです。ドラマを観ているようで、自分の学生時代の思い出に耽るというか、もはや走馬灯ですね。
これを世代が上の40代以上の方や、逆にZ世代の方が観たらどんな感想を持つのだろう?とは思いましたが、少なくとも今の20代後半〜30代には刺さりすぎるドラマなのは間違いないでしょう。同世代でまだ観ていない方がいれば絶対に観てください。
もはや「懐かしい」は「平成」の時代
思えば、昭和の小ネタみたいなのは、これまで長いことずーっとテレビで摂取してきました。正直、よく分からないけど大人が楽しそうにしているから笑っとくかという感覚でいました。教養として知っておいた方が良いのか?と一応調べてみたりもしつつ。プロレスのモノマネの元ネタとか。北斗の拳とか。積木崩しとか。夕やけニャンニャンでとんねるずがカメラを壊したとか。
でも、いくらそこらへんを知識として理解しても、リアルタイムでその時代を生きてきた人達よりは確実に楽しめていない自分がいるわけで。本当にその話題で楽しむためには懐かしくないといけないので。だからテレビを心から楽しめていないんだろうな、という感覚が長いことありました。
ただ、ここ数年で一気に我々世代をターゲットとしたコンテンツが増えたように感じています。我々世代が子供の頃に触れていた、20年〜25年前くらいのコンテンツをリバイバルするような企画が目に見えて増えています。分かりやすいところで、昨年末の紅白歌合戦のポケビとブラビの復活とか。あとスラムダンクの映画とか。最近だとガンダムSEEDの映画とかもありますね。今度、行列のできる法律相談所にドラマ「人にやさしく」の香取慎吾さん始めメインキャストがゲスト出演するそうです。みたいなものが無数に企画として出るようになりました。つまり、テレビの中での懐かしい対象が「昭和」から「平成」にシフトしていっているのです。そして、その傾向を決定付けたのが、この「ブラッシュアップライフ」ということになるでしょう。
この「懐古平成シフト」とも言うべき傾向変化の要因としては、アラウンド平成元年生まれが単純にお金を持っているF2、M2層に片足を突っ込んでいるからということも考えられますし、テレビ局をはじめ各企業の企画が通りやすいチーフ的ポジションが、私と同世代になってきたということなのかもしれません。とにかくこの傾向はどんどん加速するでしょう。
なので、「やっと我々の時代が来た!やっと心からエンタメを楽しむことができる!」と思いました。一瞬。でもそれと同時に、下の世代にこれまでの我々と同じ思いをさせて良いものなのか?という罪悪感や、近い将来、下の世代向けに「懐かしコンテンツ」としてのターゲティングがされるようになったときに我々はどんな顔をすれば良いのか?という恐怖心のようなものが沸きあがり、なんだか結局、真っ向から今の状況を楽しめないのではないかとも思う今日この頃です。そんなことを感じさせてくれたという意味でも「ブラッシュアップライフ」には本当に感銘を受けました。
ちなみに、その直後に観たからか分かりませんが、現在放送中のクドカン作、阿部サダヲさん主演の「不適切にもほどがある!」がぜんぜん楽しめないでいます。クドカン作品は好きなはずなんですが、どうも今作は受け入れにくい。「ブラッシュアップライフ」とは同じタイムリープモノという共通点があるのでどうしても比べてしまうのですが、しんどい理由は、端的に言うと「不適切〜」には「平成」がすっ飛んでるからなんだと思います。ストーリー的に昭和と令和の行き来なので致し方ない部分もありますが、結局また「昭和懐古」を見せられるんだな、となってしまうのです。まだ2話目ではありますが、捉え方によっては「昔は良かった」みたいな方向性にも感じられ、あぁ、まだそれやってるんだという気持ちすら生まれてしまっています。令和に対するあるあるみたいなものも、Xでよく見る極端な例の羅列に思え、なんかこう表面的というかなんというか。とはいえ、クドカンがこのままの感じで終わらせるはずがないので、一応最後までウォッチし、改めて感想をまとめたいと思っています。
ところで、同じタイムリープモノで「ブラッシュアップライフ」が好きな方は「ラブ・アクチュアリー」のリチャード・カーティス作「アバウトタイム」もオススメです。なんか似たものを感じるはず。平成の小ネタは無いですが。
では、また。
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