見出し画像

地獄の幸せ

地獄は何のためにある?

地獄があることでしか幸せになれない人間の為にあるんじゃないかと思ってます。自分が落ちる、他人がそこに落ちて欲しい、地獄は必要です。

19で殺生を生業とする仕事を目指したのは、

四門出遊、見るべき程のものをみて解脱したいと思ったからでした。

高校の時に、親が、おまえはどんな仕事に就きたいかと尋ね

拙の答えは、通学途中ですれ違う、定年退職して毎日海に釣りに出かける老人たちの様な仕事はいやだ。死ぬまで働く、と答えましたが

それをずっと憶えていて

テレビで、獣医科大学を取材しているのを観てピンときたそうです。

獣医師ならば、定年がないんじゃないか(実際はあるんですが)と

ちょうど諸行無常の悟りに達した頃、その先の解脱と救済を目指そうとしていたので、文系に無い項目もあるので理系転向に2年くれないか。きっちり2浪して大学に入りました。

長い前置きですみません。では本論。

地獄極楽どちらが良いか?

皆さん極楽と答えるとお思いでしょうが、実際の極楽絵図とは見ても実に平凡で退屈なものです。

平凡な日常を他人と一緒になって楽しめる人以外には、こんな処は3日と居られないと逃げたくなってしまう。住む住人の心ばえ次第なのが極楽です。

極楽がええわ。って云ってるお人に、極楽図をみせて、ここにずっと住めるか?と聞くと、10人が9人は、わしゃ無理、地獄でええわ!って答えると思います。

普通の人が普通に苦しんで輪廻転生に進みたくなる。地獄とはまさに普通に良くて普通に悪い人の為のエンターテイメント、テーマパーク。獄卒はキャストです。おそらくキャストも、一度キャストを経験して更に輪廻転生する為にがんばってるんだろう、そう思います。

何故、世の中の多くの物語は、幸せな世界を描かないのか?それは針山の上でスキップしないと幸せを感じられない地獄の住人達が、幸せを感じる為じゃ無いか、と思っています。自分をそこに置く、若しくは自分以外の人間をそこに置くと想像して地獄を感じる為。

将来、そんな人々に地獄をみせる物語を紡ぎたいな、そう思っています。ここなどに書いているエッセイも、結構地獄絵巻のつもりです。別宅隅田清次郎残日録にズバリ”人非人より”というシリーズもあります。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?